走りだした豚カツを追いかけてるうちに
 衣が逃げ出す
 トマトジュースの飲み過ぎで
 生命の機関誌 発売禁止
 おれの部屋でトウモロコシ畑が広がる
 レモンを見ると塞ぎ込む ....
 

 一人モノポリーをやり過ぎて
 おれは部屋の中で気絶した




 靴を前足から順番に履いて
 おれは外に出た
 お空は恐ろしく翳っていた
 つまり夜

 ....
 複数の愛人たちとのボウリングのやりとりを
 やめようとおれは思ってる
 言っておくが
 おれはプロボーラーではない
 はみ出し刑事でもない
 紅茶の入れ方はうまいことと
 切ない ....
 僕らはいつから座っていたのだろう
 小高い丘の公園の白い階段には
 砂が混じっていて
 何かしゃべってるときでさえ
 いつも居心地の悪い摩擦を感じていた
 時間が透けて見え ....
 

 月曜日 自転車をぬるま湯につけて
 春の風を茹でる
 申し訳ないのは
 カラスの居場所がわかること
 その電線を切って
 市民プールにつなごう




 火曜日 性 ....
 古くて黒ずんだ家具を
 背負って
 わたしは海まで歩いた
 捨てようと思ったのだ
 生まれたときからずっと背負ってきたものだが
 今日であの海が終わるかもしれないと ....
 昨日のうちに決めたことを翌日実行するのが
 正しい人間である
 その前に発表しなければならない
 私は人間である
 ドラ焼き型ロボットでもなければ
 餡子抜きドラ焼き型ロボットでも ....
 
 夜のブランコの下に
 ブランコの数だけ影があります
 墓場の猫が
 首の向きを変えました
 足が濡れています
 宇宙です

 
 洗車場の男は
 愛する女の血で満たした
 白いバケツを
 廃車寸前の車に
 ぶちまける
 身体の中にあるときは
 女にとって
 機能不全だった血は
 吐き出されて
 ....
 波打際に佇んでると見えてくるものがありました
 羽虫が飛んでいます
 海の向こうが海です
 海の向こうは海です

 
 濡れている
 何もかも濡れていて
 ガスが漏れる音が聞こえて
 でもそこにはガスなんて存在しない
 濡れてもいない
 聞こえるし
 濡れている
 あ
 白い歯
 大きく ....
 シルクハットの手品師は
 自分の姿を消しました
 種も仕掛けもなかったので
 もう元には戻らないのでした
 相棒の鳩は
 空を飛んでいます
 
  


 
 階段が沈んでいく。



 当たり前の海の中に。



 階段が沈んでいく。
 沈んでいく。



 俺はその階段を
 歩いている。
 階段は
 沈んでい ....
 どう考えても地面がめくれて覆いかぶさってきそうに思われたので
 部屋にいました



 バナナは勃起しません あのままです
 バナナの束も勃起しません あのままです
  ....
 
 黒のシビックがガードレールに衝突して、
 道を塞ぐように停まった。
 フロントガラスと運転席の窓が割れ、
 皮ジャンの男がハンドルに頭を押し付けていた。
 血が流れていた。 ....
 エスカレータの
 頭上
 鳩の巣


 
 歩く歩道を
 歩く人
 売られてゆく

 手すりの色は
 声枯れの黒



 反対側
 ガラス細工の壁
 地 ....
 なくすものが
 あったらいいのにと
 おまえは呟いた。


 よそ見してる
 おまえの腕を
 俺はひき千切ろう。



 そしておまえは
 俺を失い
 長い夜の ....
 裏庭の裏に
 アルプスがあって
 頂上で山根さんが
 大漁旗を横に置いて
 しじみの味噌汁を食べてる
 ガッツはないが
 しじみの実を前歯でこそげ取るように食べるのは
 うまい ....
 運ちゃんと人は気軽に言う。「うんうん、あの人の旦那さんは長距離トラックの運ちゃんやってるんだって」みたいに。正確に言おうとすると、それは「うんうん、あの人の旦那さんは長距離トラックの運転 ....  道端にメガネが落ちてたんだよ、それだけ。
 春なのに雪が降って、薬局のタモリは相変わらずびちっとポマードセンター分けだ。「ぢ」とは痔のことだ。「痔」のみなさん、おはようございます。今、 ....
 路地裏を歩いてて気づいたのは、街の電線が全部切れて垂れ下がってることだった。
「どうりで腹の調子がおかしいと思ったんだ」
 おれはつぶやいた。夕刻前。思い出した。花沢さんとの昔のやりとりを。
 ....
  好きな言葉ってのは人それぞれ持ってるはずだ。持ってないぜ!と言われれば明日から小便出ないよって宣告されるみたいで悲しい。まあ、持ってるだろうという前提でおれは話そうと思ってるんだけど、何を ....  朝刊をよく読む。よく読むけど、中身のほうはそんなに。というか、まるで。興味がないってわけじゃないけど、重要性というものを考えた場合、おれにとってはほぼナッシング検非違使と防人。というのも、お ....  横断歩道を渡ると、和風ファミリーレストランがあった。おれはいつも店の前を素通りするだけだった。いろんなことをしゃべりながら飯を食ってるやつらがいた。笑ったり、無表情で相手の話に頷くだけだ ....  赤くて細長い絨毯を広げるのはやめてくれっておれは一応言っておいた。だが、あいつときたら「ちょっと待ってね」と言って、自転車から降りる。
 何するんだろうと、わかってたさ。
 あいつ、カゴから ....
 


 服着てくるの忘れたかなあとおれは思った。前に一度だけ、ずいぶん前だったと思う、その日ちょうど街の海岸で花火大会があって、電車で海まで出かけたんだ。おれは車窓を眺めながら、前に座 ....
 マシンガントークと言って、本当にマシンガンを撃ちながらトークすると、相手は、まあ、ほとんどの確率で死んでしまうと思う。でも、向こうもマシンガントークだったりすると、今度はこっちが死んでし ....  

 駅は自転車置き場から500キロ離れていた。歩いてる途中で砂漠になったがおれは気にしなかった。あいつは面白い。ダークスーツの男が潔癖症の主婦に健康覗き穴を売りつけていた。他にほしいも ....
 

 こんなにも鳴らない携帯は珍しいから、冷蔵庫に入れてしまった。お好みソースの横らへん。
 携帯を持ってから気づいたのは、自分が寂しがり屋であったことだ。朝昼晩、ふとするとメール ....
    
 犬を散歩させてるやつをじっくり観察することはない。あったとしても、そんなにはない。深夜二時、居酒屋の前でゲロを吐いてる女を見るくらいそんなにあることじゃなかった。しかし、ゲロ ....
カンチェルスキス(260)
タイトル カテゴリ Point 日付
洗面器自由詩2*04/4/9 15:10
マテリアル・グランドツアー自由詩404/4/7 17:08
複数の愛人たちとのボウリングのやりとり自由詩704/4/7 16:11
夢の記述自由詩6*04/4/5 16:37
シャンプーハット群自由詩304/4/4 16:34
ファニチャア海岸自由詩304/3/30 14:43
二塁ベースの経験自由詩6*04/3/28 20:55
感触自由詩5*04/3/28 20:10
白と黒と赤自由詩304/3/28 19:45
海をたしかめる自由詩004/3/26 21:28
男性形自由詩4*04/3/26 21:04
消滅のしかた自由詩9*04/3/25 15:56
階段自由詩7*04/3/25 15:41
涙からはじまり永遠のような一瞬で終わる自由詩4*04/3/25 14:51
逆走自由詩104/3/24 14:52
経路自由詩1*04/3/24 14:49
横顔自由詩2*04/3/24 14:44
凄腕の。自由詩4*04/3/18 18:58
遊覧船ギグ散文(批評 ...204/3/11 18:30
生唾ライフ散文(批評 ...6*04/3/10 16:17
骨まで見たいと骨しか見たくないのあいだ散文(批評 ...204/3/7 17:24
早めに起きて花に水をやる散文(批評 ...1*04/3/5 17:26
めかしこむジョニーとめかしこまないデップのあいだ散文(批評 ...1*04/3/2 14:17
停滞のリズム散文(批評 ...3*04/2/28 18:46
片平と船越のあいだ散文(批評 ...0*04/2/27 14:00
鎖帷子のおれ、癒され過ぎ。散文(批評 ...2*04/2/25 15:32
全寮制耳毛へヴン散文(批評 ...7*04/2/21 17:22
ビタミンヘラクレスナナメヨコ散文(批評 ...3*04/2/20 16:27
こんなにも鳴らない携帯は珍しいから、冷蔵庫に入れてしまった。散文(批評 ...204/2/18 19:51
アモルファス、ピンクサーモン散文(批評 ...2*04/2/17 16:05

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