歩道橋の真ん中に
 枯れた花束があった
 しなびて横に傾いていた
 錆びついた階段を
 とにかくのぼって
 誰かが飛び降りた





 歩道橋の下の
 ....
 加藤だ、
 おまえだ、
 セスナ飛ばしたろが、
 ちゃんとしまっとけ、
 って言ったろが、
 加藤、おまえのことを言ってるんだ、
 黒沢、おまえは振り向くんじ ....
夜のデパートの屋上に
つぶれた胎児
滑り台を
のろのろと
転がっていく
乳房にたどり着けなかった
液状のような未来像が
後から流れ落ちてきて
ライトアップのまばゆい光に ....
誰もいない電車の中
話し声が聞こえる
複雑に絡みあう心電図のリズムがぶつかっては弾け
私を切り刻む
邪な水位が胸の辺りまで
満たしはじめ
私は錯乱の消火器の底で
いつ ....
青みがかった林檎の衰退を
思い描こう
猫の目で



白いテーブルクロスの端の
黄ばみから生まれた
獣性
屠り



塀のレンガの数だけ
 ....
自炊なんかしねぇ
俺の部屋 三角コーナーのスポンジから
俺の生活の血が滴り落ちる
見ず知らずの人刺したのは
後でやっと気づいた
赤目剥いて俺を見つめる信号の赤
 ....
 手のひらになじんだ約束は 紅茶が来る前に冷めてしまった
 切り刻まれた家族写真 バス停のベンチの下に散らばって
 あつめても元に戻らない 砂塵舞う風に消えた


  ....
            

 被害妄想のために
 恋人を殴って
 流れた血を見たら
 おれは生きてる気がした
 これがおれのやりたかったことだ
 やっと見つかった
 天職を ....
 

 

 月残る空 捨てられない孤高の魂 
 泳ぎきれないと溺れて沈むだけだ
 ボラの影 渡る橋
 横顔がやけに生える 夕日に
 俺が生まれる前から影は生まれていた
 時代遅 ....
長い夜が
ためらいはじめた後で
ピアニストを失ったピアノ
黒の空から白く降る
白い壁には 拳銃の跡
ピアニストの血の赤が
巨大な蝶に見える
靴の先に電話の受話器が
転がってる
そ ....
 勝負服 体育館に忘れたまま ひととおり 都々逸
 カエル飛びに挑戦したら ナメクジになったよ
 塩の山にぶつかって ぼくはしょっぱい水になった
 生涯は逆算に基づいてる ハイ=サイ ....
 いつものようにマンションの郵便ポストが冷たく死んでいる
 買えやしない分譲マンションのチラシ、呼びもしないデリヘルのチラシ、
 性欲ってビジネスになるんだなって納得するほどのピンクチ ....
  

 段ボールの切れ端から
 夢を見た


 やさしさに包まれた炎
 どんどん燃えていく民家
 煙を感じるはじめての


 あれは炎だ
 単なる火であり、炎だ

 ....
 トップスピードの悲しみ
 えもいわれぬ快感に酔い痴れて
 俺の身体の真芯に電流感じた
 インチキでマガイモノで信頼できない心とやら
 ダムの底で眠った家屋のように
 いつに ....
  


 県庁の前でメロンパンの移動販売車が
 停まっていた
 雲のようなものが雰囲気で逃れるような
 空だった
 似たような顔をした鳩たちが
 いっせいに撃ち落された
 ....
 昭和生まれの女が
 演歌調にまばたきする
 どのドアもどこでもドアで
 正直こまったよ




 等身大のペンシル
 思ったより使えなくて
 学校の宿題できな ....
 なめくじを舐める
 晴天の霹靂をともなって
 神社の巫女の飲みさしコーラ
 私財投げ打って
 購入し町内で自慢する

 


 羽ばたくスローガン
 ガレージに天 ....
 西日を受けて近づいてくる、
 金属であるがゆえに
 慢性的な疲労、
 付着、
 線路のレールの切っ先が、



 遮る菱型のフェンス
 歩く私は
 ただ切られ ....
 

 

 団地の13階から2階が狂おしく
 ひん曲がる
 誕生日に欲しい
 駐車場のコンクリートの一部



 さなぎのカレンダーに
 ストレートティーをぶつける
 ....
 曜日だけはおぼえている
 寒いから季節だけはようやくわかる
 閉じたままの傘が傘入れにちゃんと入ってる
 雨が降った日はいつのことか
 雨のせいで色が変わったジーンズの裾が
 ....
 



 ハリウッドから出演以来が殺到して、俺は






 交差点で俺は生き死にを繰り返した。








 一人の人間に追われてたの ....
 拍手だって聞こえる
 コンビニの窓ガラスが飛び散れば
 トイレから出たばかりの浮浪者が
 好青年の中学生に殺され
 電車を待つ人々は
 一人残らず
 ホームから飛び降りた
 ....
 焼死体が三つある
 引き出しの奥に腐ったオレンジが
 わたし
 湿り気のガラス窓で
 手を切る
 切ない気分でいる
 洗濯機の中
 誰も知らない命が
 無邪気に
 ....
 バナナ売り 企画物としての俺 削除事項
 ヨーロッパ市場から締め出される 展望台から人様のケツの穴が見える これを不思議なの発見なのと俺は呼ぶ
 火をつけたタバコの先っちょをつかんで笑う ....
 ピアノの鍵盤はじける
 もどらぬ深海の底に

 画用紙をはみだした黒と
 混じり
 内出血は生まれる




 願いをこめた文字に
 紙やすりをかける

 ....
 真昼に失敗したピエロが
 サイドカーで焦げている


 半狂乱の便所の異臭
 カットナイフ
 裂けた七面鳥の胸肉は
 性犯罪者の性癖
 

 床に敷き詰めた白 ....
探偵を探す旅を続けている


シャツのボタンの止め方がわからない


サイレントの救急車の中で嘔吐する


銃口でえぐられた横っ腹の傷


ベッドのない病院の中庭で
 ....
 取り締まることのできない光の減少が
 駅のホームに加算されていき
 歩みと停止を繰り返す人影を貶める
 遠近法を失い胸まで迫ってくる欠落に喘ぐのだ
 やがて満たされる黒の描写の内 ....
 
   晴れ待ちする恋人と
   くしゃみする長ぐつを履いて
   机の辞書のことは忘れた
   乱れたダイヤのバスが
   やっとやって来る
   疲れ知らぬ膝小僧 ....
 液体枯渇の脳に注射器を射す
 崖に落ちてく列車の窓に映った
 黒く変形した俺たちの姿


 微塵も穢れなき青空の雷鳴を
 恐れ
 物陰で怯える
 地面に現れた ....
カンチェルスキス(260)
タイトル カテゴリ Point 日付
レモン水自由詩806/7/3 16:16
加藤すずこと黒沢乱子自由詩406/6/25 15:25
容赦ない銀自由詩406/6/3 19:00
手つかずの死自由詩306/6/3 18:06
林檎の衰退自由詩406/5/28 22:13
教科書どおり自由詩206/5/20 17:25
斜線の雨自由詩506/4/29 1:11
生身の人間自由詩406/4/29 0:13
吉祥寺自由詩206/4/23 21:17
無音の世界自由詩406/4/8 23:53
とりあえず侍自由詩406/4/1 18:46
喝采のクレオパトラ自由詩806/2/6 2:13
放火魔の小便自由詩405/11/30 18:35
ナトリウム自由詩605/11/29 19:36
A to Z 窒息紳士淑女 自由詩405/11/29 18:07
等身大ジブラルタル自由詩305/11/28 18:53
目が覚めている自由詩205/11/28 18:27
改造記録[group]自由詩305/11/28 17:24
トーマスブロッコリーサラダ自由詩605/11/10 18:47
ナダレ遊戯自由詩705/11/9 18:59
皮肉のギャランティー自由詩1+05/10/28 19:21
毎秒急死自由詩205/10/28 16:32
リゾート自由詩305/10/26 17:49
手羽先スタディー自由詩405/10/7 15:03
内出血自由詩1005/10/7 14:26
ハバネロの唇自由詩305/10/4 13:43
全力の腹痛自由詩205/10/1 19:20
実刑自由詩1405/9/30 0:40
晴れ待ちする恋人と自由詩105/9/21 17:11
4分39秒自由詩605/9/21 17:10

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