芝生の海に
レジャーシートの筏を浮かべ
寝っころがったその先の
青い宇宙の奥行きを考えないで
ただ
平面の広さとして
憧れるだけであった
その日は
確かにあったのでありました
芝 ....
逆光ぎらつく
海面に
打ち込んだはずの
浮き見つめ
覚悟
きめたか
夕まずめ
コマセの残量
あと僅か
覚悟を決めた
夕まずめ
ラインは走った
響き渡る
逆回転音
弧 ....
母さんが
土鍋出したら
冬支度
波は打ち寄せ
白泡をたてているというのに
水面は
まっ平らだ
波は打ち寄せ
白泡をたてながら
防波堤に砂を積み上げているというのに
水面は
やっぱり
まっ平らだ
浜の向こうで
....
ハグロトンボに
アキアカネ
赤と黒とが
入り混じり
輪になって
入り混じり
どんひゃらら
どんひゃらら
ギンヤンマ
オニヤンマ
加わって
どんひゃらら
....
ティペットが
アイに通らなくなってきた
おそらく
それは右眼のせいであった
自分が思っている以上に
自分自身の
メンテナンスが必要だった
フライロッドにも
リールにも
ラインにも ....
人の恋路をおしゃかにし
三日三晩の晒し者
だけどそれじゃぁ飽き足らず
歌い踊ってはやしたて
あわれ
純真
お馬さん
ここでなければ
結ばれたろうに
関所破りに追い詰めた
お ....
厚顔無恥な私を
やわらかな笑顔で迎え入れてくれたその家で
酒をごちそうになった
しどろもどろの
要領を得ない
私の話に
やわらかな笑顔で相槌をうってもらいながら
温かい
温 ....
しょっぱい雨が滴り落ちる
時折
視界が白くぼやける
火をつけたばかりの煙草の軸に
見事に雨粒がヒットする
もう一粒ヒットして
見事に折られる
温かいはずであった
....
抉り取られた砂浜に
未だそびえる
防波堤に
今日も砂は積もり行く
すっかり
潮の流れは変わってしまった
すっかり
海は
遠くに行ってしまった
澄みすぎた
....
冷たい
がらんどうに
詰め込んでいたのは
なんだったのか
忘れて久しい
そこに
入っていたのは
確かに
拍を打っていた
はずだった
冷たい
がらんどうに
....
忘れてしまっていたはずの言葉を
反射させられるようになっていた
どうやら
自分は戻ってきたらしい
自然に発せられていたはずの言葉に
けっつまづいて
唇を思いっきり噛んでしまった
....
私のおっぱいは
今じゃ毛むくじゃら
立ってもわからない
メラニンが多い
私のおっぱいは
寄せても上がらない
レロレロされもしない
メラニンだけが多い
二つつまんで
....
ウサギが跳ねてる
なんのその
指先かじかむ
なんのその
船長の罵声
なんのその
今日は乗り合い
沖日和
しぶきがかかる
なんのその
しょんべん跳ね返る
なんのその
電動 ....
今日のどんぶり
アンバランス
明日は食えない
はいバランス
膨らむ財布にゃ
硬貨バランス
10円玉だけがやけに多い
崩れちまった
睡眠バランス
脳内麻薬でアンバランス
千鳥足を ....
逆光でぎらつく
海面に
浮かんでいるはずの
浮き一人
波にもまれて
パイプ椅子ふっとばすよな
風に吹かれ
時折
糸に引っ張られ
逆光で
海面がぎらついている
周りの浮きも
....
雪が降る
雪が降る
銀色きらきら
雪が降る
真っ黒の天上の彼方から
きらきら
きらきら
雪が降る
降り積もったはずだった
銀色は
消えていく
水の底
大地に触れて
砂に触 ....
猫が浮かんでいた
足跡は
浜辺には残っていなかった
腹が膨らんで
それでバランスを保っていた
その下に
エメラルドの群れが
見え隠れする
猫の首は
だらしなく折れ曲がり
海底を ....
エメラルド走る
エメラルド走る
ひるがえって
銀色
鈍く光る
エメラルド走る
エメラルド走る
ひるがえって
銀色
鈍く光った瞬間
漆黒の彼方に
閉じられる
エメラル ....
私はニンゲンであったから
冷たい雨の下で
蛙たちと共に飛び跳ねることはない
私はニンゲンであったから
蛙たちは
安全な距離を保とうと必死になる
沼に飛び込む
水面に波紋がたつ
大き ....
まな板から
はみだしたしっぽの
先を掴みながら
開いてみた体からは
血は一滴も見つからなかった
変わりに
エーテルを失って
散りばめられることのなくなった
星達の塊の袋が
だらん ....
がたがたになった
コンクリートに
濁った赤が染みこんでいく
粘度は高く
糸をひいている
海水で洗い流す
呼吸できずに
目を白黒させている
有機物が
外装を傷つけながら
外装をはがし ....
沼は待っていてくれた。ホテイアオイは相変わらず所狭しと繁殖し、岸際を覆っていたが昨日ほどではなく、私は胸をなでおろした。この分ならば、釣りになるだろう。キャスティングするのに邪魔になる風もない。まだ ....
波紋がひろがっていた
天上からも貫ききれず
水底からも貫ききれず
貫き通せなかった
幾多の
もろもろが
波紋となって
分解され
吸収され
なにごともなかったかの様に
戻されてい ....
Mは
もう名前すら忘れてしまった
突然消えてしまった
彼の為のコースがぽっかりと空いた
選手登録表が
一つ埋められなくなった
仕事が増えた
マリファナをやっている ....
「あの家は『違うひと』だから近づいてはいけない。」
と、何度教えられたことだろう。
私の家だけだったのかもしれないし、そうではないのかもしれない。
けれども、父・母、そして親戚の会話の中でも ....
「隊では一、二を争いました。」
射撃の腕を買われ、十一年式軽機関銃の射手に選ばれたというその人は、嬉しそうに話していた。日本の銃器類は思っているよりも評判は良い。その人は「十一年式は三発ずつしか撃て ....
中学生の弁論大会から始って、合唱で、芝居の真似事でステージに立ち、今では自作の詩の真似事の朗読なんかを行うようになってきた。
これがいつまで続くのかはわからないが、様々なステージを経験している ....
何万年かの後
私は
泥岩の一部となり
ばらばらになった
私達は
組み立てられて
私になるのかもしれない
全く新しい名前をつけられて
全く新しい人生を
与えられて
母を持たず
産声 ....
期講習では立ちっぱなしなので、足の裏が痛くなる。
クーラーが直撃する場所に教壇があるので、時々おなかが危うくなる。
ので、理由をつけて教室内をあちこちと動き回る。
やっぱり足の裏は痛くなる ....
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