私はまだ闇の中

 光のまったく無い

 暗黒の穴の中

 いくら手を伸ばそうとも

 天の陽(ひ)は見えず

 希望も夢も

 生きる糧さえも見い出せない


  ....
 生命(いのち)をつなぐ

 赤い水

 ぽたりと

 真新しいノートに

 染み作る



 泣きたいのに

 涙は出ない

 代わりに赤い水が

 川となる ....
 深く  深く

 この想いはどこまでも暗い



 光(ひかり)も無い

 希望の兆しさえ無い



 淀んだ空気の中に

 いつまでも溶け込めずに

 蠢いてい ....
 轟音  電車  闇

 この世はそれだけ


 そうして  できあがるのは

 嘘  騙し合い  猜疑心の世界


 ぼくは  生きている

 そんな中で  生きている
 ....
 だまって

 私を見つめて

 その綺麗な指で

 私の指をからめて


 白いうなじにキスして


 今宵  私は

 あなたに堕ちる
 歌わない小鳥を生かしておいても

 どうなるでしょうか。

 捨ててしまえ。

 殺してしまえ。

 生きる価値がないのなら

 いない方がよいのです。


 歌わない ....
 人はなぜ生きるのか

 何もないこの世界で

 悲しみと切なさと野望しかないこの世界で

 あなたはなぜ生きているのか

 その答えを知っているのか


 人はどうして生ま ....
 友達が夢を諦めた時

 私はホッとしました


 後輩が離婚をした時

 私はほくそ笑みました


 先輩が恋人に振られた時

 私は喜びました


 私はみにくい ....
 あなたのその胸に

 飛び込むのが怖い


 恋をしたのは

 初めてではないけれど


 こんなにも切ないほど

 誰かに心奪われたのは

 あなただけ


 ....
 この世で美しきもの

 それは稚児の顔。小さき子らが飴玉を

 口にほうばっている姿。

 娘さん。清潔な落ち着きのある

 美しき女学生。

 若き青年。青春を謳歌して
 ....
 パパが死んだ朝

 私は友達と映画に行きました

 王子さまとお姫さまが

 恋をするロマンチックなお話

 胸をときめかせて

 映像に魅入られて

 パパのこと忘れて ....
 なぜおまえは実っている

 誰からも褒められず

 誰からも食べられず

 どうして実っているのだろう


 梨も桃も葡萄も

 可哀想に今日も雨が降って濡れている

 ....
 叫べ!

 怒れ!

 腹の奥底に隠し持っている

 その塊を

 今こそ弾き出せ


 嘘もたてまえもかわいさも

 剥ぎ取って

 己に生きよ


 何を ....
 かわいそうなかわいそうな

 つばめ

 苦しくても悲しくても

 飛ばなければいけない


 空は遥かに広く

 未来を彩るその色は

 淀んでいる


 海は ....
 ぽつぽつと木の葉に落ちる雨の雫よ

 誰が泣いているのか


 天神か

 窓辺に寄り添う乙女か


 そんなにわたしが憎いのか

 そんなにわたしが許せぬのか


 ....
 てんてんてんまり  てんてまり

 一つに父死んで  二つで母死んで

 三つで兄死んで  四つに姉が死ぬ

 五つに弟死んで  六つで妹死んで

 七つで赤ん坊死んで  八つに ....
 今を生きている青年よ

 羽ばたくがよい


 その大きな翼でもって

 夢に向かって真直ぐに


 私はただ見守ることしか

 できないけれど


 それでも願う ....
 水無月に讃岐の国

 屏風ヶ浦(びょうぶがうら)に誕生されし大師

 御(おん)歳七つで所生のために

 身を捨てて

 五つの嶽(たけ)に立雲の立(たち)る

 誓いぞ頼も ....
 遠い  遠い

 ギリシャのイカロス

 蝋で作った重たい翼

 太陽の熱で溶けて

 あわれ  イカロス

 まっさかさま


 昔  昔

 ギリシャのイカロス ....
 秋の夜長

 月の野原

 さやさやと風に

 揺れるすすき


 鈴虫の声が

 哀愁を誘う

 星の煌きで

 野原いっぱいの

 すすきが踊り出す

 ....
 あいつはかぶれちまったのさ

 「西洋」という名の偽りに


 自分の意志を持たず

 ただアメリカの傘の下に

 雨を凌いで丸くなって


 その姿が滑稽であるなんて
 ....
 遠い遠い昔

 私は鳥になりたかった

 広大な草原を

 海原を

 大きな翼でもって

 眺めていたかった


 ゆっくりと  ゆっくりと

 ゆらり  ゆらり ....
 街が眠りについたらゆこう

 銀の小舟で夜の街を

 抜け出そう


 赤い花びらも

 青い花びらも

 いらない


 冒険しにゆこう

 ただ夢を求めて
 ....
ぼくは今の時代に

 生まれ堕ちた

 現代っ子


 哀しくなるから

 ニュースは見ない

 辛くなるからクラスメートが

 いじめられているのも無視するんだ

 ....
 私の想いは熱い

 それはまるで

 リアトリスの花のよう


 この気持ちに

 偽りはない


 ただあなただけを想う

 この淡い花に誓って

 いつまでも ....
 私はこの世を儚らむ

 浮かれ女


 女がひとり

 このしがない世の中で

 暮らしていくには

 軽やかに唄でも

 歌わなきゃやっていけないさ


 私は ....
 目の見える私と

 目の見えない君


 目の見える私は虚構を見つめ

 錯覚の彼方に居る


 目の見えない君は心で闇を切り払い

 真実(まこと)を見抜く力が有る
 ....
 何も見えない

 何も感じない

 それが悲しい


 あの頃の私には「何か」が

 あった筈なのに

 現在(いま)は心が空っぽ


 何も見えない

 何も感 ....
 私はよく狂人だと言われます

 なぜそう呼ばれるのでしょうか

 私が愚かだから?

 私が夢見がちだから?

 だから皆狂人だと言うのでしょうか


 でも私には解りませ ....
 志を追う若き獅子たちを

 愛した女たちは


 身体(からだ)全体で

 男たちを支え

 苦を共にした

 
 時には庇い

 時には匿(かこ)い


 時 ....
星月冬灯(83)
タイトル カテゴリ Point 日付
惑う自由詩408/10/28 14:52
赤い水自由詩408/10/28 14:51
根雪自由詩208/10/28 14:50
闇世自由詩308/10/25 9:55
だまって自由詩408/10/25 9:54
歌わない小鳥自由詩108/10/25 9:53
自由詩308/10/21 14:15
みにくい子自由詩308/10/21 14:14
恋する気持ち自由詩108/10/21 14:13
美しきもの自由詩208/10/12 15:36
赤い靴の少女自由詩108/10/12 15:35
溜息自由詩108/10/12 15:34
詩(うた)自由詩208/10/11 12:54
つばめ自由詩208/10/11 12:53
雨の音自由詩108/10/11 12:52
手毬唄自由詩408/10/10 12:10
幸せ自由詩108/10/10 12:09
いろは唄自由詩108/10/10 12:09
イカロスの翼自由詩108/10/9 11:30
すすき自由詩208/10/9 11:29
アメリカナイズ自由詩108/10/9 11:29
自由詩108/10/7 15:46
冒険自由詩108/10/7 15:45
現代っ子悲曲(エナジー)自由詩208/10/7 15:44
リアトリス自由詩208/9/8 7:00
浮かれ女(め)自由詩208/9/8 6:59
ハンデ自由詩108/9/8 6:58
悲しみの理由自由詩108/9/6 9:25
狂人自由詩108/9/6 9:24
愛の末自由詩108/9/6 9:23

Home 次へ
1 2 3 
0.39sec.