彼女との交歓のさなかに
私は蕾を発見した
中指ほどの大きさをして
しっとりと重い
唇で触れた瞬間
あの無音の炸裂音と共に
弾け開いたそれは
彼女の脚の間で
実に15センチはあろう
一 ....
となりのうちのメイザさんは
とってもすてき
もうとっくにおばさんのはずなのに
まだ17さいみたいにみえる
「て」も「あし」もちいさくって おにんぎょうみたい
でも なんだか「てつぼう」みたい ....
  morph
          は腕に軟膏を塗りました
        てらてらと光ったその部分は次第
 ....
中性子鉄琴の
下方から湧いた
白球形した幻燈を凝視する



万能の数は軽々と思案し
風化した仮死色ローズが
口々に提案する
あれは
大猿のめくるめく集団Suicideだ

 ....
それは
現代詩の塔の北東にある
救済の香りあふれる果樹園に
傷口を大きく開けて
毒々しく熟れている一個の柘榴の実だ

流れ出る血の
暗赤色のインクで写し取られた
闇の中の星々の煌めきが ....
10番テーブルの
クローン皇女たちを二羽
手に入れる

それはジョークでも女の子でもないよ

まもなく偽の輪生が
香りを放つ

5月は美しい

     nockable

 ....
軽快な彼女だ
これがまた肉体は
なかなか形式的だった
彼女の重い頭を
両手に抱え
彼はその息吹さえ感じなかった

若い絵筆は
束縛を解こうと
青石の上で跳ね回っている

笛の音は ....
そこにひとつの「o」が
存在する時
輝く不在が
痛みとなって主張し始める
通過されない「o」と
見えないものを要約し続ける「o」とが
朽ち果てた「o」を媒介に
あらゆる内容を形成する
 ....
海水の知る
捕食者の死のショー
君は戦争を覆い尽くし
看護婦の眼球を
蹴り倒す
暗転

半音の脳
溜まる無肢
ナイーヴな北部エイドに
神託は得られた
鼻腔の奥の
葡萄の絵よ
 ....
赤頭巾 お前の指は 
技巧にはしりやすい

あの人々は棘だらけの岩の間で
すっかり虚ろだ
勇敢ささえ捨ててしまった
願いましては
彼らにふさわしいドキュメントを
彼らの目にミラクルを
 ....
いつまでも
優しくあろう
小さな太陽が
果てしのない流れの中で
一瞬間だけ
またたいている
どんなに邪険にしても
きっと魂が
引き寄せられてしまう
星に、石に、樹木にするように
虫 ....
   1

東南の守り神
ルーとバーベインそしてべトニーよ
あの小さく可憐な私の兎を
どうぞ邪な力から
お守りください
恐ろしい行為や忌まわしい意思から
どうぞ私の兎を
お守りくださ ....
煙草に火をつけて
まずは一服
それからゆっくりと
あなたの詩を覚えましょう
ほら ほら
すぐに現れる
眼前に
夜の万華鏡

  ☆

船乗りのバッド・コニ―
彼はK.T.に欲情 ....
8歳の少女が
星に願いをかける時は
指を交叉し
顎を上げて
こう言うそうだ
「イクサル・スプレンデー
 イクサル・スプレンデー
 イクサル・スプレンデール
 私の妖精
 降りて来い
 ....
戦いの中心に
幾群れもの薄が足踏みし
記号の弓が
裁きの矢を射切る
天井のない住処に
狐が一声
御覧 神が怒って暴れ狂う
橋も間近じゃ 間近じゃ、と
竜女の住むあばらやに
川縁の匂い ....
四辺曇った硝子窓の奥で
焼女人形が
踝までダンス
燃え縮れた化繊の匂いが
部屋に満ちている
枯れた花の鉢と
灰化したはしごの下で
焼女人形が
踝までダンス
透き見する目に射かけられた ....
ヘルメス!ヘルメス!
実体のない男!
匿名性の頂点で
随一と言われた
あらゆる男供の寄せ集めよ
鷲頭牛体の化物よ
考えることはあっても
感じることは決してない
人間は常にそれらを
畏 ....
肋骨にカタツムリを飼っていた女が死んだ後
螺旋を放物線に変換する男が現れて
星を数えるのは
真夜の電柱の傍だ
男が拾い損ねたものがいくつか
弱い月光に
点滅している
辺り一面
生臭いよ ....
二枚貝の裂け目から
たくさんの血とともに
ユーモアのある満月が
6つ産まれた
君がそれを食べちゃったんだから
君がもう一度
産まれなくてはならないのに
あのお爺さんは
そんなこと気付き ....
彼女の尻にささった巻き貝が
彼女を内側から照らす
ああ なんて明るい尻
なんて暖かそうな腹だ
そうして彼女は一個の
ジャンヌ・ダルク風キャンドルとなって
僕をも照らし
慰める
形態だけのもの
君にもあるでしょう
例えば脇の下
「逆立ちした生殖器」と聞いて
すこし考えてみたんだが
やっぱり僕らはすこし
滑稽だ
どうすれば君に分かってもらえるか
庭のグミは毎年花 ....
見るからに美しいのは
スーパーマーケット前のベンチで
横たわる
私のクリトリア
それはおかしい
何故なら私は
処女懐胎のできる筈の定め
有形と無形に
何の差別があるか
穴を跨げ
そこに
あるべくしてある
穴を跨げ
見るだけで
深さを推測して
見なかったふりをして
穴を跨げ
落ちるパントマイムは
見苦しい
涼しい顔で
穴を跨げ
遠心分離機は
エッセンスを抽出する
知りたいことだけを
願いたいものだけを

眩暈のたびに
模様のようなニューロンが
脈打ちながら
大きさを変える

暗喩を駆使して
本能を唄う
 ....
蝶が舞う
蜂が駆ける
蜻蛉が泳ぐ
とんびが浮かぶ
そうして私も
ちらりと跳ねる
それぞれが
真似のできない
やり方で
例えば
セ・ゼソン・エクス・イーステル・ユーズ
馬鹿言うなよ ....
濁流にのまれて
螺旋状に壁を廻らした
塔を くだるのか
のぼるのか
もんどりうって 腰骨を折って
はい おしまい
お前ってちょっと
黄色すぎやしないかい?
3丁目の煙草屋の
3軒隣に住んでいる
3人の悪魔に魂を売ると
素敵なワルツを
3曲ばかり
ご指導願えるそうだ
そんな話を聞いたので
僕は喜び勇んで行ってきた
ところが どうだい
教え ....
イライザ・ダルムー女史が
口角泡をとばして
答弁するには
その男には確かに翼があって
足は馬の蹄で
胸毛がやけにすごかった
ということだ
でも僕は信じない
自分を売り込むのに一番便利な ....
一匹の虎縞の雄猫が
防波堤の上で
香箱を作っている
そんなところで寝ていてはいけない 猫君
猫らしからぬし
寒かろうし
それに何より
魚に食われたとあっては
猫の沽券に関わるだろう
 ....
「ベティ どこへ?」
「仕事よ 父さん」
「気をつけてお行きよ」
「わかったわ 父さん」

「嬢や どちらへ?」
「散歩よ お爺さん」
「気をつけてお行きよ」
「わかったわ お爺さん」 ....
鏡文字(48)
タイトル カテゴリ Point 日付
“Arabesque”自由詩108/5/24 21:42
となりのメイザさん自由詩3*08/4/16 14:41
MORPHO自由詩207/8/15 14:06
夢魔ガール  Anagram of  「Amalgam」自由詩3*07/8/14 15:44
Amalgam自由詩1*07/8/13 23:54
12月摘み自由詩206/11/9 22:48
羚羊自由詩3*06/7/18 16:47
ホムンクルスの王自由詩206/4/23 7:08
羽の内部の聖堂自由詩205/11/30 23:49
赤頭巾自由詩305/10/11 10:32
小さな太陽自由詩6*05/9/21 16:04
東南の精霊自由詩205/9/20 15:29
夜の万華鏡自由詩3*05/9/20 15:15
少女の流儀自由詩305/6/15 22:06
逆巻きの竜自由詩205/5/12 10:47
不自由な少女の奔流自由詩205/5/12 10:42
逆喩自由詩105/4/16 9:41
秘数自由詩105/4/16 9:38
ヴィーナス自由詩3*04/12/12 0:21
貝殻と勇気自由詩3*04/12/4 8:48
自家結実性自由詩4*04/12/2 1:59
昔話自由詩204/12/1 1:20
跨ぐパントマイム自由詩2*04/12/1 1:18
恋文自由詩104/11/5 1:48
セ・ゼソン云々自由詩004/11/3 14:48
批判未遂自由詩3*04/11/3 14:44
3月33日に自由詩9*04/10/18 0:26
証言自由詩204/10/18 0:21
小さな港自由詩104/10/18 0:18
epissode自由詩2*04/9/17 16:39

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