六畳一間
壁際、真ん中におかれたコンポ
どんなに音を鳴らせても、
低音を響かせて
部屋を揺らしても
広がらない、騒がしさ
コンポと僕の間 直線以外を埋めない
埋まらない部 ....
ぽつり、気付くとくらやみの中
めしいたと、思わぬ程度に街灯がひとつ
コツリ、アスファルトに鳴る音がひとつ
重ねてふたつ、ひっそりと
鳴るモノ無くて
孵ってコツリ、静寂が
....
一枚の藁半紙の上、鉛筆がひとつ
削りすぎた鉛筆が折れぬよう注意して
走らす黒鉛は何を書くのか、書くのか
二日目のひげを左手で掴みながら
出来る芸術に首をひねり
抜けたひげ ....
冷たく、重い空気の中
青空の下、広がる寒さに窓を開け
私はただ、春を告げる風を待つ。
かぜのそら
青くひろがる窓を開ける
ごぉうと音を立てて
吹きすさぶ春風にのって見上げる空が
ただ悲しいくらいに広くて
痛いくらいに胸が嬉しくて
にんげんである自分が ....
手袋を着けて自転車にまたがる
ゆっくりと
寒さに耐える体の震えとともに
ゆっくりと右足からこぎ始める。
長く続く下り坂を走ると
耳が風に切り裂かれて痛く
その数秒の風景 ....
今日はもう眠いのでうたえません
代わりに一芸置いていくので
今日はそれにて平にご容赦を。
詩人は一言そういうと、何かやわらかいものでも食べるような手つきで胃袋を一つ取り出して、よっ ....
背くなら 何故古巣へと 戻る公家
送るだけ まあとりあえず 送りゃいい
いかんざき マイブームは 隠れんぼ
議事堂に 満員御礼 いつぞ来る
テロリズム 恐怖政治の 意味もある
進めば、進むほど
緩やかに光は失われていくんだ
真綿で首を絞めるように
殺されていくんだよ。
友達は、遠く嘲笑ってた
自分で矛盾を作り出している僕を
けれど、そ ....
声高に何かを叫ぶ人
迫る車の音に気づかず死んだ。
今日も家でピコピコしているヒッキーの彼
疲れたお母さんに刺されて逝った。
いつもせっせとカンパしている中学生
キレて殺して塀の中へと ....
薄く曲がった
細く堅い{ルビ白骨=しらぼね}に
張られたいちまいの柔肌は
光を透かして白く冷たく
肩にかけた私のこの手が
寂しく、そして美しい
殻を決してそこなわぬ ....
一面に広がる湖に
私がゆくこのボートは
幾重もの波紋を描き
そしてすぐに
消えてゆくのです
遠くのびる秋雲の下
焦点を合わせられぬ、黄金色の海原で
風のつくる裂け目を見ている
世界の断層が、そこら中に散らばっていて
眼の先は、何処かへと続いていく
ひとつに定まら ....
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