水面にはカミガヤツリが揺れていた
泥沼は何一つ
見通せず
空は
濁り曇って
浅葱色 べったりと塗り広げられた
枯れた木は
黒くひねこびた枝を
痩せた湿地に 這い蹲らせ
天を仰 ....
けだるげな午后
眩暈のするような陽のひかり
遠い喧騒
ひた、ひた と
満ちている
あくびする野良猫
市場で物売りが媚を売る
温い風にひるがえっては落ちる、安宿のカーテン
音もなく
....
真白な 事象 そのゆえに かれをあいしたのは だれ。
向日葵の咲き誇る夏であったが為に、彼の葬儀は凍り付いた二酸化炭素の煙が目に沁みた。
青ざめ強ばる腐食の膚をやんわり押せば戻らずに留ま ....
0.05sec.