沈黙の雪をふみしめて
おしゃべりな日々をあるこう
ポケットにしまった色んなかたちを
そのときどきで見せてあげる
ぽんと弾けた、
紙ふぶきをのっけた空の向こうで
いまごろ君は泣いているかな
 ....
年がら年中ことばを弄ぶには
シャツの数が足りない
きみだってそのはちみつ味のキャンディで
うちくだきたい距離があるんだろう

不健康そうなエンジンのおとを聞きながら
注意深くみちばたの草を ....
気付いたらさらさらだったみたいで、ねえ
浸透するメロディー単音の
ぼくは砂になっちゃったから
はなしかけないでちょうだい、ベイビィ

耳元にもってこられても困る
許容できないんだってば
 ....
三回書いて全部消した
ブラックコーヒーを持って
電車に乗りたいとおもう
ビビディバビディブー、唱えて
もたれて寝たふりしているだけ

ねえ、だまっているうちに
ぼくにたまった時間が熱を出 ....
ぼくはうそをついている
たいしたものでもない
だから君はベンチに煙草を
頭突きさせながら
そうやんなあ
とか、言う

蒼くなってゆく背景を
公園のせまさが増幅させる
桜が桜色にみえて ....
つむじがふたつある頭を
持ち運びながらぼくは午後を生きはじめる
彼女が泣いていたよ
きみの顔がおもいだせないぼく

きみが縄に手をかけたとき
世界は曇りすぎていたかい
ねえ彼女も彼女とき ....
目覚めてすぐの寝床
うまくこきゅうができなかった
神様をおそれているので
朝をけなしたりはしない

死んでしまったこどものために
ぼくは一生回転しつづける
人形ではないので
たまには目 ....
ハピネスは泣き虫だ
怒ったようにドアをしめる
ハピネスによって輝かされる希望は
二束三文
融通のきく子供なハピネス

薄すぎるカルピスをストローに溜めては
椅子のうえで体育座りのハピ ....
停滞気味の睡眠欲を尻目に
ねこの声がききたいなあとおもう
あんまり飲み込みすぎているこのごろの月に
だらだらと自己申告しつづけている

どこで誰がいなくなったのかもしらずに
歩道橋にぽつぽ ....
呆然とくつばこを見つめてから
オレンジの靴をとりだす
未だにそれはしっかりと
買いかえる気も失せるくらいしっかりとしてる
まいった

嘘の心をもたない少女
そんなのはだれももってないさ、 ....
知らないはずのない街でつぶやいて
信号がいちいちぼくをおしとどめる
かろうじて左手はまだ
ながそでの中で嘆く程度だ
ぼくを知っているきみならこんなこと
そんなことと言うんだろう
漂いか ....
真夜中、どうしようもない文をきみに贈って
遂にどうしようもなくなった
靴下一枚ぶんだけあたたかい非常階段で
かどっこの感触を親指でたしかめる
しんどいなあ
でも息はできる

やっぱり拡張 ....
ふくらむエネルギー、幽霊世界で
「僕は悲しみがなくてはやってゆけない」というメール
高慢になることを遠くかんじてしまったぼく
きみにはぼくを悲しませるちからがあるよ
とても黒くろ黒くろ黒くろ黒 ....
商店街の出口で今宵にくるまれた
生真面目なぼくらのバイバイを見届けてほしい
静まったシャッターのおくにはきっと
用意がしてあるんだよ
いつかするさよならのための

あたたまってさめた空 ....
すっかり深夜になった
僕は赤外線にうつるほどの体温だけで
あるこうとおもう
電気の音が重くてめまぐるしい
ほんとに

コンセントのぬけた部屋で
おおいと呼んでみても
きこえないんだ ....
あったかくなったとおもったのに
きょうの朝もひみつみたいにひんやりとして
ねむい
重たいあたまをひきずる

あの人と会うようじがあるんだわ
埋まりすぎることのないページ
シャーペンの ....
この時期ありがちな滞った美しさを切り裂け
オレンジを手に入れた飛行機ぐもは空のなかで最強だ
低くちかい真綿みたいな空
そんなのをいっぺんで音楽にさせることができる

距離あるね
自 ....
すこぶる逆だった
逆でした
逆だったのは
コンタクトレンズだったもよう
なんか変だとおもったんだ

冷えたゆうべのカボチャコロッケ
彼は常識人であるらしく皿のうえで微動だにしません
 ....
湯水のようにつかってやれよ
せめてものつぐないさ ときみは意味がわからないままで
ふくれあがるレシートの束をおぼつかない足取りで
たどっては
たどっては



街や贋物の街や本物の ....
がりがりにやせてしまった焦げ茶みおろして
ひっかかった青緑を考えるとしようよ
誰かの父親は誰かの息子であったのだし
あの信号はきっと恥ずかしくてあかくなるにちがいない
きっとそうだよ

 ....
蛇腹ペットボトルの麦茶を所望します
自分でつぎます
ああまだきょうはきのうにならないんだなあ

おもむろにあなたはすそをなおす
躍起になって頬の赤みとたたかいたい
たたかいあいたい
 ....
五番六番あたしの足は八番目くらいだと思った
それは駄目だってことじゃない
あの人の連絡先を教えてもらうのを忘れた
あたしはあの人の苗字を知っているんだと思われる

信号待ちの烏丸通りをゆきす ....
わたしにはおかあさんがいます
おとうさんもいます
いもうとも
おじいちゃんも
おばあちゃんだって
ともだちはたくさんではないけどしっかり
しりあいとよべるひともそこここにゆびさすことができ ....
船田 仰(83)
タイトル カテゴリ Point 日付
デイズ自由詩304/4/26 22:34
17自由詩904/4/24 11:56
断絶自由詩104/4/20 0:33
回送自由詩504/4/17 19:26
うそをつくひと自由詩604/4/11 16:42
ぼくはきみをしらなかった自由詩504/4/6 13:58
神様のピアノ自由詩704/4/3 13:00
ハピネス自由詩804/3/31 21:14
月のこり自由詩404/3/27 7:24
朝とオレンジ自由詩5*04/3/25 23:44
この街自由詩004/3/23 22:20
虹から自由詩204/3/22 17:11
アンテナ自由詩4*04/3/20 14:32
おやすみの日は自由詩204/3/17 23:24
今日の背中自由詩404/3/16 0:03
ねがい自由詩2*04/3/14 12:39
小世界自由詩404/3/10 21:14
ぼくの憂鬱自由詩5*04/3/8 14:57
非眠症自由詩304/3/6 21:38
早春未詩・独白304/3/3 20:15
たてでもよこでもあたし三次元ガール自由詩004/3/1 0:02
新しいまぶた自由詩2*04/2/28 23:11
なみうつ むね未詩・独白5*04/2/24 22:28

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