急に君に繋がらなくなったから
ぼくは電気を点けられなかった

4月になったらダチュラを植えようと思っていることを
伝えようと思っていたんだ

ガラスケースの中にしまっていた
ぼくたちの交 ....
胎児が
私の胎盤の上で
静かに発狂する

どんな夢を見ていたの

胎児と同じ夢を見て
脳漿がミルクのように
流れた

眼球が零れて落ちた
鼻は溶けて崩れた
外耳は鋭利に折りたた ....
もう
だいじょうぶ
なのか

おもって
もう
はがしきって
しまった
から
ひろって
また
つけなくちゃ

こんなに
ながく
はなれてる
なんて
どうやって
あさ ....
きみは何色で
ぼくは何色だったんだろう

透明になっちゃったのは
きみではなくてぼくだったのかな

ひとつになりたくてもなれなかったの

きみはひっしじゃなかったかもしれないけど
ぼ ....
左耳から右耳を目指して
針金が進んでゆく

脳の内部がちりちりと痛んでいるから
ぼくはお砂糖をかけました

甘くなった脳みそは
外側から溶けちゃって
甘い汁が耳から垂れた

きらき ....
浴室の隅に転がっていたのは
父親の親指でした

切り落としたのは
たしか
ぼくです

浴室の空気は
薬物にまみれた粒子で満ちて
記憶は赤く爛れている

浴槽からは温かなお湯が溢れ ....
とうめいの糸くずが飛んでいる

水はつぶを形成して
表層にとどまっている

空室のマグネットは斜めに付いて
皆は声を張り上げる

彼女はごりごり言っている
彼女もごりごり言っている
 ....
顔が腐って捨てられた
祖母の兄の本妻は
とても綺麗な人でした

玄関脇の小さな和室
鏡台に掛けられた紅いちりめんと
隠れるように置かれた三味線

庭に無花果の実がなっていた
蜻蛉の翅 ....
物は壊れて

人は死ぬ

手に入れたくない

手に入れなければ失わない

失いたくない

だから

何もいらない

いい子のふりをして

にこにこ笑って ....
ほんとの太陽は青いので
空は青く見えるんです
白い雲は白くって
甘い香りがするんです

ぼくたちは水辺を歩いて
大きな門へ着きました
ぼくの手は離されて
小さな階段をあが ....
体液だと思ったそれは水銀のようでした
どうりで息苦しいはずですが
それならそれで仕方ない

ベランダを支える木材は
空気をふんだんに孕んでる

ぼくがぼくでいることを
認識 ....
白い顔の女の人が錯乱している

赤い唇で錯乱している

ぼくは可哀相にと思って

少し離れた場所から見ていたんです



目が合ってはいけないから

ぼくはぼくの眼球 ....
夕餉に何を食べたいのかと
祖母が聞いた

鳥の死骸が食べたいと答えた
いくつかの植物の死骸を添えた
鳥の死骸を食べたいと答えた

父親がもずの雛を拾ってきた
巣から落ちて可 ....
これはひとつの実験です

「ほんとう」はいつだって遠くにあるんです
あまりにも遠くにあるものだから
ないのと同じことなんです

痛んだ内臓を内包するぼくは
腐臭が周囲に漏れてい ....
だれかだれかだれか



叫んでいる時の

だれか の範囲は

どこからどこまでなのかを考えています


だれか

ぼくを

ぎゅっとして下さい

 ....
のんで

ゆるんで

わらって

ひとりで泣くんだ



助けてぼくはここにいるの

待っていろというなら

待っているよ

でもぼくが

痛いくら ....
何をしていいかわからない土曜日。


今日を消費した先には、何をしていいかわからない日曜日がやって来る。
探すのは大変だったけれど

探そうと思えば結構探せたりして

ぼくは

真夜中に眺めては

羨望して

嘔吐していた

もし願いが叶うなら

ぼくが鈍器を用意 ....
はな(18)
タイトル カテゴリ Point 日付
ダチュラ自由詩310/10/6 22:54
胎児自由詩010/10/4 23:05
いみ自由詩210/10/3 20:27
とうめい自由詩210/10/3 11:56
針金自由詩110/10/3 9:16
父親の親指自由詩0+10/10/2 8:28
とうめいの糸くず自由詩310/10/2 8:26
腐る自由詩010/10/2 8:25
ものはこわれてひとはしぬ自由詩209/9/21 11:35
呼吸自由詩309/9/21 11:34
水銀自由詩109/9/21 11:34
白い顔の女自由詩209/9/20 9:45
自由詩009/9/20 9:44
実験自由詩109/9/20 9:37
範囲自由詩109/9/6 10:47
自由詩109/9/6 10:42
土曜日自由詩109/9/6 10:37
さがしもの自由詩209/2/28 13:35

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