{引用=
月火水木金土日という文字盤を廻る生活
気にし始めるとろくなことがない
肺に空気は足りてるかとか
舌の位置とか
コーヒーマグの螺旋階段をくだりながら
溶けてゆく乳成分についてとか
 ....
{引用=
生ける命を、一つでも、
愛でられるなら、まだ、
生きていられる、私に、

愛されてくれてありがとう。
{引用=
どんな歓楽街よりも
ありふれた町の公園が
きみの四角い部屋が

どんな美食よりも
炊きたての白ごはんが
つめたい水が

どんな芸術よりも
赤子のようなキャンバスが
無言 ....
{引用=
雨ふる夜更け
テレビを消した後の静寂
凪ぐ海辺
心拍数
きゅうに予定の空いた休日
おかけになった電話は、
電波の届かない場所にあるか、
電源が入っていないため、かかりません。 ....
{引用=

こ と ば も 絵 も
余 白 が あ る ほ う が す き だ

な の に
自 分 で え が く と き に は
つ い ぎゅうぎゅうにつめこみ た が る


 ....
{引用=
今にも 椅子を蹴ろうとしている足に
今にも 手摺を離そうとしている指に
閉じかけた瞳に 途切れそうな意識に

長い説教が響くか
巧い喩えはとどくか?


溺れながら謎かけを ....
{引用=
しかくい部屋でまあるくなって
薄い毛布と土曜日にくるまって
お昼まで眠ります、わたしたち

(そう。いつもなら)

{ルビ昨晩=きのう}は忘れたかなしみを
不意にみつけてしま ....
{引用=
人体なんてものは
ただの
いっぽんの管と
つめたい椅子の上

炭水化物や窒素や湯が沸するのを待つ七分間や
この壱拾円玉やアイベツリクや若年性痴呆や
通過してく、それぞれの…… ....
{引用=
よけいなものは吹き飛ばして
だいじなものだけ
のこればいい

溢れかえる主張には
ほとほと飽いてしまって
あなたが思っているよりも
実はわたし、身軽です
指図なら要らないの ....
{引用=
その不在については
まだ追求しないで欲しいんだ
空箱を隅隅まで覗き見て
何も入っていないのか、なんて
わざわざ言わなくてもいいじゃないか

責めているんじゃないと言うけれど
 ....
{引用=
麻酔の切れた
風見鶏は
錆びついた羽で
取り戻したくて
逆回りを始める
けれど
優秀な風見鶏は
一度たりとも
選択肢を誤ったことは
なかったので
わからなかった
西な ....
{引用=
ここに硝子の器があります

珈琲を、{ルビ淹=い}れました
それは「食器」になりました

水とメダカを、入れました
それは「水槽」になりました

百合を一輪、挿しました
 ....
亜久津歩(12)
タイトル カテゴリ Point 日付
理想の味噌漬け自由詩310/12/7 18:01
やわらかな未練携帯写真+ ...4*10/4/14 17:50
簡潔な好意自由詩4*10/4/14 10:22
白、ノットイコール、無自由詩4*10/4/13 18:51
こころのよはく自由詩3*10/4/9 18:39
まっすぐ言う自由詩3*10/4/8 10:58
ろくすっぽ形にならなかった、へんなの自由詩4+*09/8/29 11:40
産 道自由詩3*09/4/20 18:57
ある風のつよい朝自由詩5*09/4/16 13:54
瘡蓋のとれたヒフのよな自由詩2*09/3/16 11:47
彼は空を飛びたかった自由詩21*09/3/11 19:00
手品の妙自由詩6*09/3/11 16:58

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