あなたから
ことばがとどき
かえしうた

あなたから
詩集が届き
ひもといて
活字の黒と
余白に酔える

あなたから
おもいがとどき
詩を書いて
おもいつおもえ
おもわれし ....
ようするに孤独をかこつているだけなのかな、と
画面に向かって彼は思っていた
こんなにも沢山人がいるのに
隔絶されたように感じるとは

それから時間を使うのがとても下手になって
これをしよう ....
ちいさくせかいがふるえ
てにとるべきわずかな水
ブルーはブルーによって
侵食されていく果敢なさ

声と言葉と三色の悲しみ
ピッチカートで奏でてる
光沢は世界とすれ違う度
美しすぎる晴雨 ....
春に分別のない私は
たいせつなものを うしなったそうです

分別のない私はそのことが
自分でもよくわかっていないみたいです

私はそのことが悲しいことを
人づてにきいて悲しいなあと思って ....
あ、あれえ???
所謂ニートの定義を見ると
しっかり当てはまっている
いつのまに、こんなことに

職業は読書探偵
書物に沈潜して時代精神の
裏側に隠された謎を解くが
読書探偵は依頼がな ....
揮発性の高いエチカ
不文律が陽を遮ると
最後には人柄で勝負
僕がもっとも不得意とすることじゃないか

曇りガラス越しにカラス
硬い羽を打ちつけて
絶望する暇があれば希望せよという
僕の ....
届かない自分は
理想の自分の姿を
うまく描くことができず
うずくまる流星群の夜

見晴らしのよい丘で
花の香りにさそわれて
砂利道を革靴で
そぞろ歩いていたのでした

海が見える公 ....
影 影 影 そこら一面に
影 死の影 目も開けられないくらい
影 死の影 恐怖に満ちて
トロイア戦争が続く

翼ある言葉を届けようと
オリュンポスの峰を駆け下りる
神々 そのいざこざの
 ....
Distance to nowhere
瞬いて ちらついて 未来垣間見る
爪先立ち 背伸び それでも前向き
She is calling from here now

風にとかれて過去はばら ....
はなさきみだれてのにはるのかぜ
ふるふるとそよぐこのはのかなでるおと
こころふるえてみずうみのうえてをやすめ
きんいろとぎんいろとそしてほんのすこしきいろも

星が流れるたびに涙光り
路面 ....
尋常ではない色彩感覚の中で
戯れ歌い泣きなぐさめられる小さな箱の中の宇宙
まばらに直立不動のバルチテリウムを眺めていると
まだまだ化石にはなれないなあ、と安堵したり悔しい

個人的な体験にす ....
センセイも昔はガクセイだったから
センセイのセンセイがいる

センセイは今もガクセイだから
センセイのセンセイがいる

センセイは他のセンセイに
アドバイスをもらったりするので
センセ ....
{引用=
(She was once here. So was I.)


あなたがすきなのに
あなたがいなくなって
あたしはくうはくのなかで
あなたの残像を追う

あなたはせんさ ....
夜はとめどなく凍り続け 
ミニカーで走る高速道路は閑散としている
星間トンネルを抜けるころには
シリウスが輝きを失って氷の塊が無数に路面を舞っていた

冷え切った心を包むのはアーガイルのセー ....
恋人はまぶしい午後の光に
パウダースノーとなって朽ちた
彼女を運んで行った同じ風が
僕の窓際にサルビアの香りを連れてきた

季節がめぐって僕は知らない場所に行き着いて
生活はいつの間にか地 ....
戦争が終わって30年以上が過ぎていた
僕は焼かれる家並みを目にしなかった
悲惨な出来事は枚挙に暇がないが
カタルシスは自殺率の高さに反映していた

殺した人も殺された人も痛みはそれぞれに負い ....
過去未来形でわだかまっていく
後悔の連鎖反応は
僕の肩越しに風が
運んできたものだった

まなざしは魔法を持っているので
今は瞳を閉じ何も目にすることなく
嵐をやり過ごすようにそっと
 ....
この肉体が僕の名で呼ばれている不思議
思うが侭に動かし
あるいは歌い 
横たえ

歯の並びにさえ
造化の神の丹念な
作業のあとを見ることが出来るのだから
この精密さには祝福が与えられて ....
その男 草木に眉を顰めて
かつて在りし栄耀の痕跡を追う
肉を刺し骨を切るのが鉄であり
火を燃やし町を興すのが鉄であった

酸素は力強かった
たゆむことなく働いた
人と動物だけが
幾度と ....
正しい答えを選ばなければ
君は名前を失うだろう
詩を書こうなんていうのだから
さぞかし自信があるんだろう?

ここは平らなマムシの背骨で
掃き清められた黒い山脈
水の流れる音ばかりが
 ....
side A
--
夏みかんの色彩
まばらに宇宙は羽毛に反射して
僕たちのミクロは誰かのマクロ
ヴォルテールだって苦笑してる

夏みかんの潮騒
冬になっても春になってもここで
あなた ....
固い地面を蹴って足早に
バス停へと向かう襟元に
僕が贈ったマフラーが
暖かい空気を孕んでいる

声も手紙も届かない
それほど遠い場所に立って
あなたがどうしているかを
こんなにも気にし ....
疲れてしまった
身体をあたためて
きずつけられた
プライドを修復する

神様はいるのかいないのか
どちらにしても僕たちに
都合よく現れるスーパーヒーローではない
だからといって感謝は忘 ....
そろそろおしまい
長引いた旅も
そろそろおしまい
さようならの時間

かなわぬことばかり
不満ばかりが堆積した
こころの泥に別れを告げて
おやすみを言う時間

矢印のように鳥の影
 ....
道の果てで懐かしい人にであう
最後にお会いしたのは
いつだったかしらね
おひさしぶりと 言い合って

最後の日から随分たち
身体を持たないことに慣れ
ずっと薄く微笑をしながら
ああ こ ....
結晶する 耳元を過ぎる速い風
二人から 切り離されていく運命
共有した 時間が遠ざかっていくと
無理して 笑っていたのかと疑心暗鬼

光のさす場所を突き止めて
香りの漂う源を追い求めて
 ....
寝入りばな
夜の船に乗って
黒く澄む空を
たゆたっていた

静謐なガラスの船は
住むもののない水底の
果てない深さを
ギラリギラリと見せた

こわいよと口に出す
まだ眠りに落ちて ....
季節は甘いにおいをさせて
生きた痕跡を残していく
死は果実の着地とともに
再生の希望を託す

もし声が種子のように
どこかで芽を出すのならば
それは共振する
土壌の中がいい

次第 ....
街路樹に寄り添って
まばたきを我慢すると
色々なことが見えてくる
見えていたのに見なかったもの

園芸店の軒先で
ペチュニアがビニールの容器に
無造作に投げ込まれて
冬の曇天を眺めてい ....
好きな花束ねて 花束作ろう
好きな花束ねて あの子に贈ろう
迷いの白と気負いの赤を
一緒に束ねて あの子に贈ろう

波に打たれて もう涙も流せぬ
そんな人の 心を暖める花束
大切な誰かに ....
瀬崎 虎彦(381)
タイトル カテゴリ Point 日付
あなたから自由詩209/12/17 1:33
彼と彼女のこと自由詩309/12/16 1:57
悲劇的自由詩309/12/15 1:42
そろそろ寝る時間です自由詩5*09/12/14 1:49
職業は読書探偵自由詩309/12/14 1:14
不徳のいたすところです自由詩509/12/13 0:24
またひとつ楔を打ち込んだのでした自由詩109/12/13 0:17
feather自由詩009/12/12 16:45
Calling これが君の天職だって聞こえてくる自由詩209/12/11 20:37
 さようならとさようならの隙間自由詩609/12/11 11:03
こんなにきれいなマドリード自由詩209/12/10 21:01
センセイのセンセイ[group]自由詩8*09/12/8 13:27
クロマティック・ラヴ・アフェア(ガーベラの花束を手に立ち尽く ...自由詩709/12/6 23:24
逃げるように二人自由詩609/12/6 0:44
教室に向かって歩いていく[group]自由詩409/12/5 16:29
The Beautiful Experience自由詩209/12/5 13:28
おやすみなさいという自由詩509/12/3 0:21
骨の上で逡巡する自由詩409/12/2 17:29
鉄と春秋自由詩209/12/2 17:24
ここは平らなマムシの背骨自由詩309/12/1 18:03
Ridges of December自由詩409/12/1 1:27
固い地面を蹴って自由詩209/12/1 0:55
もうおしまいにしたいと自由詩209/11/30 1:17
矢印のように鳥の影自由詩209/11/29 22:31
ああ ここは春の公園のよう自由詩309/11/29 20:50
愛されなかったひとのためのソナタ自由詩509/11/28 23:48
眠りによせて自由詩409/11/28 21:34
朝のシンフォニィが奏でられる自由詩209/11/28 19:42
見えていたのに見なかったもの自由詩609/11/26 15:22
花束自由詩4*09/11/26 0:50

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