くるくるくるりと
来ぬ人の心
ころころころりと
待ち焦がれ剥き剥き

彼恋焦がれ桂剥き
料理利用して篭絡しよう
そうしようそうよ
そうしそうよ

つつつつポとガスの火をつけて
お ....
君の声が好き 君の顔が好きというひとは
沢山いるだろうけれど 
君が一生懸命だから好きだと言ってくれるひとは
あなたしかいなかった

僕の手にしているものと 僕が抱えているものを
遠巻きに ....
スノビスムの撃鉄を起こし
シャルル・ド・ゴールに降り立った
着陸までは青空だった
雲の上だから当然だ

愛やその他の悪意を捨てて
身一つで旅に出るならば
そのような悪意から逃れられず
 ....
タールに浸した翼を
バサバサと音を立てて
羽ばたこうとしている
悲しみはついに水源に至る

さるご婦人から頂いた
ラヴェンダーの香水を
春先に洗面所で誤って
落として割ってしまって
 ....
クロード・レヴィ・ストロースが死んで
これから年末にかけて新聞や雑誌では
彼の特集が次々と組まれるだろう
僕は彼が生きていたことのほうが驚きだった 百歳

個別の事象より遠く隔てられた視点か ....
ぺったんこのくつで
そぞろ歩き探す秋
秋はもう冬になっていて
柿の実が映える空が遠い水色

引き裂かれてトーン耳がつんとして
音を聞かなくなった私は今も
色彩と香りに教えられて
こんな ....
脳の半球をヘミスフィアと呼ぶ
地球のミニアチュールであり
おそらく宇宙を丸いと考える
発想の端緒はそこから

階段は上り降りるものであり
僕たちはどちらかへ進む
階段の先にたくさんの扉
 ....
明け方にこころ ざわつく
人の死があったのだと
匂いで分かる
電話が鳴るずっと前に

昼過ぎに喪服を取り出す
やりかけの仕事を放り出し
昔その方からいただいた
手紙を探してみる

 ....
静謐と漢字で書くと
二文字目で迷い
うす曇りの午後に
うーんと声を出してしまう

来週の今頃はいったい
何をしているかしらと
手帳をめくっていると
もう残りページが少なく

こうし ....
見るともなしに見る
未練は粘性が高く
みるみる涙満ちて
私 目を離すことが出来ない

除雪車みたいに音を立てて
花びらのように軽やかに
逃げる隙もなく広々と
または鋭くステープル

 ....
きれいごとをいってはだめ
その場しのぎに嘘をついてはだめ
あなたが迷うその振幅は
増幅されて私に伝わるから

靴を履いてあがってはだめ
靴を脱ぎっぱなしにしてはだめ
体はきれいにしておか ....
旅先でたびたび
行方不明になる僕のこころ
旅先でたびたび
あて先不明になる僕のこころ

一度は「二度と」と考えて
その場所を去りました
三度四度と回数を重ねては
きっともう離れられない ....
水際でことばが
平静を失うのよ
あなたは底が見えず
私は落ち着きがない

 ヴェールを被った朝の町で
 薄い薄い水色を眺めていました
 静かにとても静かに涙が零れて
 次第に呼吸が苦し ....
side A
ふゆの朝は
空気が澄み
題名がない
そのせいで

すれ違う人
配達する人
散歩する犬
徘徊する人

みな一様に
言葉を求め
言葉を探し

気がつくと
別々 ....
オレンジの皮をむいて
水平線のことを考える
世界が丸いことの隠喩
果実が丸いという現象

恋人が好んだマーラー
引越しのときに紛失し
あれから探しているが
どうしてもアナログは

 ....
鳥たちは彼方より
不吉な報せ嘴に
たずさえ飛び来る
死の匂い羽根に含んで

闇が白んでいく都心の
明けの空に深いインディゴの
融解してゆくさまひたひたと
薄気味悪く清澄に

二重国 ....
いきているのか
しんでいるのか
わからないまま
湖水の上を歩く

光はもう見えず
声ももう聴かぬ
私の肌を通して
水面に気泡立つ

温度は寂しさで
あなたは弱くて
困った人だけ ....
あたしには他人が何を考えて生きているか
本当のところ分かっていないけれど
たぶん全員が自分と同じように悲しんだり
うれしくて涙を流したりするんだろう

抱きしめられるように花ひらく
泣きな ....
丁寧に折りたたまれてぼくの声は
秋の海の波打ち際
街路が冷たい空気に抱きすくめられる前に
こころを回収するために僕は駅へ向かった

音がいつまでも鳴り止まない海
音声もまたエネルギなのだ
 ....
不安はカーテン越しに忍び寄り
心の弱さを暴露するからきらい
道々でこれからの進み行きを
一緒に考えてくれる人がほしい

答えははじめから決まっている
心は望む方向へしか向かわない
それで ....
華やかに君は笑っていて
フリルをひらひらさせて
僕の心にスタッカートを打ち込んで
ターンテーブルの上で踊り続けて

あでやかに君は笑っていて
レモンの香りをふり撒いて
夕闇にピッチカート ....
繭の中身を確かめに
ヴェランダからするんと
カーテンを伝って降り
君の夢へ移動する

月無き夜のこと
君の小さな体に
無数に穿たれた
秘密の森のこと

心に生い茂る銀色の
すすき ....
hearken to the wind of will

曇り空の下にひろがる
見慣れた世界に雨が落ちる頃
君は花のように風に髪を梳いた

言い訳ばかり机の上に
積み上げてつまんない大人 ....
愛 礎 笑顔 思い出 デリカシー
シーツ 月 器量 歌 愉しみ 
水面 モノクロ ロールシャッハ 羽 寝息
君 耳 耳たぶ ブラウス 好き

希望 嘘 素数 ウミウシ シンデレラ
ランパル ....
枯葉のカサカサ鳴る音を聴き、傘の雫を払いながら、古くから家にある毛布を思い出していたんだけど、もう何度も引越しを重ねてしまったので、そんな毛布があるはずもないのに不思議なこと、と思って照れた。多分雨の .... おなかが空いてパニックになった
夕陽が不気味に背中を追ってくる
こういうときなんだ誰からも
愛されていないとわかるのは

こどものときからそうだったんだ
証人は僕しかいないけれど
自分は ....
群青色の空の下であなたは自転車を押していく
わたしの歩幅を気にしながらゆっくりと歩いてくれる
オリオン座の見えるころに出会ったのに
まだ一度も喧嘩らしい喧嘩をしたことがない
わたしがとても傷つ ....
らせんを描きながら
わたしとあなたは
おちていくのですね
だれにもよびとめられることなく

口を吸い合っておたがいの
すべてが分かったような
錯覚におちていくのですね
右手に左手を結び ....
コンスタントにつくり続けることは、難しい。それはよく分かっているのだけれど、でもコンスタントにつくり続けることは、望ましい、と思う。それが出来て、はじめて、という。

詩人といって、名刺を刷ったり ....
決着がついて未来 豊饒に
流れる水のそばで 邪気なく
手を濡らし髪に陽光を受けて
ほどけるように午後が訪れる

カーテン越しの陽光は
床の上に零れて広がる
そこに一匹の黒い金魚
やわら ....
瀬崎 虎彦(381)
タイトル カテゴリ Point 日付
桂剥きハルシネーション自由詩2*09/11/9 23:27
YOU自由詩4*09/11/8 22:40
この街を好きにはならないと自由詩509/11/8 21:26
自由の二等辺三角形自由詩609/11/7 18:38
ベテルギウスが流れる(クロード・レヴィ・ストロースに)自由詩209/11/7 13:10
女だってそう自由詩109/11/7 1:54
ATMOSPHERE AT THE MOST FEARFUL ...自由詩209/11/6 16:06
のに自由詩309/11/6 3:24
うす曇りの午後に自由詩2*09/11/6 0:42
泣き声でステープル自由詩109/11/4 21:15
アンプリファイア自由詩509/11/4 16:43
つなぎ止めるために書いている自由詩3*09/11/3 23:31
世界が明日消えてしまう自由詩509/11/3 13:41
ふゆの朝は自由詩309/11/3 6:41
中間試験[group]自由詩309/11/2 12:57
二重国籍の悲しみ自由詩4*09/11/1 22:45
月夜自由詩609/11/1 15:57
冬の大三角に見守られて自由詩5*09/11/1 1:50
少し海を見て電車で帰った自由詩6*09/10/31 15:09
道々で自由詩209/10/30 23:09
この心臓では自由詩2*09/10/30 23:08
月鳴夜自由詩17*09/9/2 0:08
hearken to the wind of will自由詩709/9/2 0:00
cymbidium自由詩2*09/9/1 15:37
今日、鶏のシチュー散文(批評 ...5*09/8/31 22:36
かえりみち自由詩10*09/8/31 16:49
希望のフォーナ、絶望のフローラ自由詩7*09/8/31 9:10
わたしがいなくなってもあなたがそこにいる自由詩6*09/8/30 22:29
絶望のフローラ、希望のフォーナ散文(批評 ...409/8/29 23:43
決着がついて未来自由詩209/8/29 23:39

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