厳しい借金の取立てに耐え切れなくなった男は死ぬことにした。崖の上で靴をそろえる。ふと右手を見ると、同じように靴をそろえている男がいた。目が合った瞬間、ふたりは理解した。つらかったですね。それももう終 ....  ホワイトアウト。別に、遭難した仲間を探しに来たわけではない。美那子と初めての外泊に新潟のホテルを選んだ。深夜の露天風呂に浸かる彼女を覗いてやろうと、タオル一枚腰に巻いて岩場を乗り越えた。あとひとつ岩 ....  ハマグリは濡れた唇で亀を誘う。亀は最深部を見てやろうと、ハマグリの口の中へ頭を突っ込む。深く、首の根元まで。ハマグリは潮を吹き出す。亀は力の限り、ぐいぐいと首を伸ばす。たまらずハマグリが亀の首を強く ....  少女連続暴行殺人事件の犯人。彼は色つき眼鏡をかけて白い杖をつき、人通りの多い駅を歩く。声をかけてきた親切な少女に案内を頼む。順路に人気のない路地を指定するが、目の見えない人だと思われているのであやし .... 入社三ヵ月で五度の遅刻。次はクビだといわれていたが、会社近くの駅についたのは出勤時刻五分前だった。改札へと急ぐ廊下の隅に、うずくまる老婦人を見つけた。見過ごせなかった。駅長室まで送り、会社へ走った。 ....  推理小説家の大島は、スランプに陥っていた。四百以上の作品を書き、殺しのネタはとうに尽きていた。締め切りをひかえ、ホテルで執筆する予定だったが、隣室から聞こえる声に邪魔されていた。女は獣のように吼える ....  バイト先の女の子に告白したら、あっけなくふられた。その夜、貯金をすべておろしてタクシーに乗った。とにかく北へ向ってくれ。戸惑う運転手に事情を話すと、彼も今日女にふられたのだという。女の悪口に花を咲か ....  小学五年生だった息子が、いじめを苦に自殺した。私たち夫婦は互いに責め合った。離婚して五年。気持ちの整理がついたころ、佳奈と出会った。彼女も離婚をしていて、前の夫の連れ子を育てていた。高校一年生だそう ....  昌幸は、体育館の倉庫でサンドバッグになっていた。浜崎たちが、かわるがわる昌幸の腹を殴る。誰のパンチで涙を流すかを競っているのだ。毎日のように行われるゲーム。今日は松本のパンチで涙が出た。浜崎と森本が ....  むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃がドンブラコ、ドンブラ ....  暗い廊下の角を曲がると女がいた。その距離三メートル。同時に銃口を向け合った。俺と同じく黒のライダースーツを身につけている。彼女もスパイか。すこしでも動けば引き金を引くだろう。こちらも同じだ。互いに動 ....  足の親指のつめは独特のにおいがする。すみっこを指先で持ち上げて、その指をにおう。やみつきになる。だからつめが反っている。そこをかむのが好きだ。入浴時にしっかりと洗い、下着をはいたのち、足を口元に引き ....  見覚えのある風景だ。体育館の裏。ポケットには呼び出しの手紙。セーラー服の彼女があらわれた。不安そうな顔で僕を見る。なぜだろう、この申し出を断った気がする。もちろんOKだ。そのあと同じ大学に合格。就職 ....  五十年、いつも妻がリードしてくれた。付き合いだすきっかけを作ったのは彼女。プロポーズもそうだ。子育ても任せてしまった。不甲斐ない夫だったろう。それでも私の顔を立ててくれた。その妻が、布団に横たわって ....  乗っていた飛行機がハイジャックされた。乗客はパラシュートを背に落とされた。多くの人が海に叩きつけられた。空を飛べたのは私を含めて数人だった。この島に降り立ったのは私と美加だけだった。調べたところ無人 ....  全身から汗がふき出している。一人きりのサウナに気分を良くして、すでに十分が過ぎていた。限界だ。腰を上げかけたとき、彼らが入ってきた。どの背中にもきれいな刺青が見えた。私は静かに腰を下ろした。でも、本 .... ジジと巻く カメラの持ち主 ババァなり 自己申請した冬休みがあけて、2ヶ月ぶりに仕事へ復帰。
声を出して客を誘導することしばし。
喉に何かが詰まっているような感覚をおぼえた。

部屋にこもっていた2ヶ月。
本当に、誰とも口をきかな ....
三歩下がってついてくわ
結婚当初は言ったけど
今ではグースカ寝てばかり
そんな妻との三十年
一念発起の大掃除
パパッと片付け お父さん
はりきる手を止め 見てみれば
寝ころんだママのお母さん
城之崎二手次郎(50)
タイトル カテゴリ Point 日付
散文(批評 ...1304/6/18 15:02
散文(批評 ...204/6/17 18:38
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散文(批評 ...204/6/1 22:38
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