いのちを一つください
袋も一枚お願いします

かさかさと
すれ違う子供の心
歩道橋のてっぺんで遊ぶ
右の子は右を向いて
左の子は左を向いて
目を閉じたままでお話してる
雨が降ったから ....
君に似合う髪飾りの
どこを直してあげられるだろう
手を加える必要が無いならば
僕は何の為に

だからかかとで踏み潰した
窓の外で誰かの洗濯物が
風を受けて棚引いていた
肩に山羊を乗せたまま
二十年前の話をする

うん
ははは

積もる話が山になって
彼女が微笑むと花が咲いた
水に流した思い出が魚になって
彼女が流した川を泳ぐ

ため息の後ろに
 ....
四時まで待ったが
はじめから約束がなかった
時間をかけて支度する
下駄箱の奥からつっかけを拾い
着物の背を引っ張った

すべり台、砂場、飛び台
どれと選ぶ意欲はなく
薄闇にとけた鉄棒に ....
ドと
ミと
ファが
雪と一緒に降り出した

見上げた頬に
ドが落ちて
懐かしい匂いがする

ふるさとの無人駅で貰った
ミルク味の飴玉
柔らかくて甘い

右手を差し出すと
ミ ....
戦争が始まると
幸せを歌う歌を
聞かなくなった

風車を握った子供が
風の海を泳いでいた
からからと鳴る羽根が
日の光をかき乱す
冷えた大気を押し退けて
踏切に杯を掲げ
冬鳥のオー ....
砂丘の砂を詰めた小瓶を
土産に貰った
投げ捨てたコートを着込み
土曜に帰ろうと思った

空き缶に庭の土を詰めて
小さな海が生まれた
カエルが小石の消波堤をよじ登って
地平線にさよならを ....
彼女が下から二つ目の棚に花を置くのは
それを彼に見せたくて

組んだ足を頻繁に入れ替える癖や
言葉に詰まると口を覆う癖や
使い古された言葉を並び替えて
繋ぎ合わせただけでしかない
と嘆く ....
かぐ(8)
タイトル カテゴリ Point 日付
レジ袋自由詩212/4/17 22:47
白日自由詩012/3/7 1:58
仔山羊座自由詩212/2/16 3:58
埋没自由詩012/2/14 16:07
ファ自由詩212/2/10 2:15
鈍色自由詩211/12/18 4:29
帰路自由詩211/12/16 8:52
洗濯自由詩109/11/3 23:25

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