鳥は
空を飛べるのに
なぜ鳴いているのか
あんなに苦しそうに

だれかを追いかけていて
だれかに追われていて
鳴いているのか 鳥よ

わたしだって同じ
こんなにも求めている
それ ....
もうしわけないけれど
傘を盗みました
あれほどのどしゃぶりでは
わたしは帰れない
青いベンチに寄りかかる
紳士傘の手に
浮気をしました

電車から降りると
どうやら雨を通過したようで ....
ギリシャという国の
ある島では
女が 女を
いつくしんでいたという

緑ひしめく小さな島よ
木々が父で
砂浜が母ならば
そんな愛をゆるしてくれるのだろう

いいえ ゆるされない愛な ....
さけびたい夜がある
こころだけ からだの外 飛び出して
駆けていきそうな夜が
悲しみの居場所がわかったら
走り出して どんな痛みも
受けとめてみせるよ ほんとうさ

さけびたい この声が ....
森が
あれほどさわがしかったのを
夜はいっしゅんにしてねむらせる
あの懐のひろさ
そよ風のてのひらが降りてきて

いいんだよ
だいじょうぶ だよ

ひとりひとりの木々に
そういって ....
夢と夜にはさまれて
わたしは窓辺に眼をあげる

星を盗みたいと思った
屋根裏部屋が暗いので
星をひとつ盗んで
枕元の光にしたかった

星を盗みたいと思った
女の指先が寂しいので
星 ....
歌川 至誠(6)
タイトル カテゴリ Point 日付
なき声自由詩409/7/4 11:31
紳士傘自由詩109/6/14 7:37
自然自由詩209/6/11 8:38
みぎて自由詩109/6/7 0:20
果実の番号自由詩509/5/31 20:40
星を盗む人自由詩4*09/5/30 9:17

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