彼は一人きりで土の中で六年待ちました
生まれた時、彼は目が見えませんでした
目が見えるようになったのは彼が五歳の時
暗い土の中で、何も見えませんでした
それから今まで何も変わりません
....
あたしの目の前で「あ゛ー」と叫ぶアホ面女
あたしゃそれがむしょうに腹立つんだよ
あんたらを涼ませるためのあたしだってのにさ
あたしが必死こいて回してるの知らないんだろ?
あたし ....
さあ、台所にあるきらりと煌めく光りものを手に取りましょう
それで思いきりあの人の胸を一刺し
それかあの人の首をめがけて一突き
あるいは手首の動脈を狙って一切り
たったそれだけのこと
....
ざぁざぁ
それは大雨の日のこと
大きな木にてるてる坊主が
ぎしっぎしっ
太い枝をしならせるてるてる坊主
私よりも大きいてるてる坊主
くるくる
横風にてるてる坊主は煽られ
てる ....
俺は死んでしまったのだ
死者の言葉は生者には届かない
世界が違うから
世界は平行に広がっていて
二つの世界は交わることはない
俺が何を言っても彼らは答えない
そうここには ....
闇夜に赤い何かが舞う
凝らしてみると それは{ルビ天道虫=てんとうむし}
赤に斑点の喪失を携え おまえは飛ぶ
何を求めておまえは飛ぶのか
失われた赤を求めて おまえは ....
やればできる そう思っていた
でも何もやらずに 幾年が過ぎ
俺は "やれた" のだろうか?
求める問いは 深い時の中に埋もれた
今はもう 何かを ....
「私の部屋には本の海があるの」
それは青くて透き通る綺麗な海で
触るととっても冷たかった
浜辺に腰かけて海を見る
彼女は僕を海に誘う
少し勇気を出して飛び込む僕
中はもっと綺麗だ ....
あなたにとっての光って なぁに?
そう あなたを照らし出してくれる それ
道を示してくれる 光
キリスト?
池田さん?
お釈迦様?
まぁどれだって ....
「あたい映画家になるの!夢は大きく目指せ海外」
夢見て高校を飛び出した桂木さん
窓の外から走り出す桂木さんが見えた
野を越え
山を越え
たくさん街を通り過ぎ
野を越え
山を越え
....
「気持ち悪い」 「おまえなんて死んでしまえばいいんだ」 「お前の葬式で俺は笑うよ」
そう言ってくれたらよかったのに
いえ、そんな言葉が欲しかった
いっそのこと引き裂いてくだされば…… ....
いつかの日のこと
その時あたしは中学生だか高校生で
ブラックコーヒーを飲んでみたのです
その黒さはブラックホールのようでした
(ブラックホール 見たことないですけど)
とても苦くて砂糖とミル ....
貴方の小指は運命を匂わせ
貴方の薬指は証を嵌めて
貴方の中指は私を慰めて
貴方の人差指は罪を弾劾した
タン タラン タラララン
私の心で弾いたこの調べ
あなたに届いてますか?
愛したことを忘れましょう
女神様は言いました
私は従うことしかできません
だって女神様は絶対ですから
女神様と過ごした日々
とっても楽しかったけど
ちょっと悲しいこともあって
でも ....
六月に雨が降る きっと降るよ
君の言葉は正しくて六月には雨が
どしゃぶりの雨でもう君の声は聞こえない、聞こえない
雨のせいだね 朝起きても君がいない
雨はまだ降っていて部屋の中は湿っぽい
....
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