意味も知らない四十九日
できれば輪に入らずに
木陰に座ってたい
そしたらタバコを吸いに
きみも出てくるでしょ?
戦いの跡さ 箒星から怪獣群が飛来する五百数年前
世界で誰も恋をしてない一秒が
11時38分23秒に訪れる
日本時間で今日
眠れないから針を投げる
夜がナマズみたいに口を開けてる

忘れた頃に届いた手紙
still love you.なんて
文末に軽く添えやがって
こっちは本気だったのっ!

白くなった ....
閉じた窓をあけて
ほらみて半月
スターバースト

愛はないと
すべてあきらめて
エメラルドの帳が降りて

私が泣いたのは
誰かを見つけたかったからで
誰かに見つけてほしかったか ....
ひとつの、無限の神様たちがクジを曳いて
行き先を割り当てるの
きみはジェーン、あなたはトッド、あの子はエーゲ海、絨毯、松の実、石の影

人類最後の嘘って何だと思う?
命? 神様? うーん ....
少女は座る
コンクリートのひび割れ

髪を揺らす
残響がささやく

優しくすり減った骨を
胸に抱く

ごめんね
もう運んであげられないみたい

静かな光

紙の地図 ....
空気は暖かい
そして重い

死なない程度に手をつなぎ
死神と桜の道を歩く

路肩駐車。点滅信号
誰かの笑い声が遠ざかってく

腕がないおもちゃを拾う
灰衣の裾で風が舞う

 ....
ひとひらの灰
切れそうな電線で赤い鴉が鳴く
あれを訳してみて
意味のない歌のようです
そう

また歩き出す
瓦礫の橋で合成肉を齧る
この川を渡るのですか?
てんとう虫がとまる
 ....
一音ずつ弾くあなたと
一語ずつ書くわたし
電球が一つ
果てみたいな夜

肩が触れる
燃え尽きたみたいに
落ちる
目を閉じて雨音に耳を傾けてる
庭先には菜の花と幽霊

生まれたばかりの春風が
私たちを経由する
指の痛みで目がさめた
握り込んだ爪が刺さって痕が深い
まだ夢を憶えてる
フリーマーケットでマスキングテープを買った
店主が困っていたので裁縫道具をあげた
家に帰るとパーティがもう始まって ....
眼鏡を無くしたので苦手なコンタクトを付ける
燃えた街を空から見渡す
uberで行くつもりだったけれど父が迎えに来た
半休を取ったらしいありがたや
これホワイトデーだってお母さんから
おお ....
空港の本屋でファイブスター物語を買って
エスカレータを降りる
甘いホットチョコレートを飲みながら
雨に濡れる機体を眺める
カップを捨てるついでにストレッチして
夢中になっても気付けるよう ....
古城裏手の搬入路から
石段越しに海が見えた
逆影のように
夕日が登ってくる様がお気に入りで
飽きることなく見つめてた
牛の骨が好物で
ブタクサを噛むとくしゃみをする
彼の名はジャッカ ....
少女が石を拾う
気まぐれの戦利品じゃないことは
知ってる

ループが繰り返しではなく
死と再生の渦であることも

かつて人類の到達点は
地球を太陽にすることだった

あらゆるも ....
悲しいことがあったなら
目を閉じて数を数えなさい
ひとつ。1歳の出来事
ふたつ。2歳の出来事
そんな風に思い浮かべながら
自分の一つ先の歳まで

人や運命を憎みたくなったら
海を憎 ....
冒頭に流れる陽気なラジオ
今年一年を振り返ってる

あてもなく車を走らせながら
あなたとの結末を思い出してる

ねえ、気付いたかい?
クレジットの旋律が物語全体と同じなんだ

側 ....
燃えるものがなくなると炎は消えた
それから数万年
水も酸素もない高温状態が続いた
やがてシェルターから出てきたのは
天使と悪魔だった
彼らは魔法のような力で地上を再現し始めた

地下 ....
母は人間で父は鬼だった

私と兄は半分ずつの鬼だった
理由もなく殺され
重ねて竹林に埋められた

だからあの子は竹から生まれた
あの子は人間だった

兄を吸い取り鬼となった私は
 ....
飛び続ける

眼下で燃える海
着陸できる空港はなく
明日には燃料も尽きる
混乱したオートパイロットが機首を上げて
成層圏を目指そうとしてる

凍ったフロントガラスを冷めたコーヒーで ....
しばらく忘れていたけれど
文字を書くのが楽しい

もう言葉に意味なんてなくて
ただの手遊びだけど

紙とペンさえあれば生きていける
なんて自慢げに話しながら
必死にしがみついてたあ ....
ドラッグであいつは死んだ
馬鹿な奴だ
ガレージの地下室なんて
夢で語り合ったのは
カリブの豪邸だったのに
母親を残して
どういうつもりなんだ
こんなことがあっていいのか
親父がクソ ....
亡くなった母子の墓石に
死者が手を合わせてる
縁者ではなく旅の途中の
襤褸をまとった枯れ木の姿
幼い頃から私は
ガラクタ集めが趣味の父に連れられ
世界中を回った
楽しいことなんてなかった
とは言えないけど
概ねひどい生活だった

カステポー空港からバスを乗り継ぎ
見覚えのない ....
儚公草の咲く丘に
ドラゴンの渦がある

魔術師らはそれぞれの王を唆し
その強力なポータルに軍を送った

壊滅的なその愚行の中で
皮肉にも勇者が生まれた
彼らは竜を支配し空を駆り
 ....
午前の仕事を終え
ベランダで煙草に火を点ける
あの子は朝食を食べずに
あの人の車で旅立ったろう
待合室には午後の客
インテリアは
東洋風のセッションに合わせてある
あと半日がんばろう ....
旅立ちの朝
部屋が狭く感じる
キッチンテーブルに朝食
元気でね。仕事に行ってきます。と
母の書き置き
父の形見のシビックで裏通りを抜け
橋を渡り街を出る

ロサリオパークに車を停め ....
夏の夜に、光がきて
太陽に映らない日々を照らす

六畳一間のアパート
村で最初に踊りだしたアリス
88階の屋上で
銃口をこめかみに当てるきみ
絵画の土砂降り

実現する未来も
 ....
休日をずらして
やっと合わせた午後
あいにくの大雨
濡れた芝にパンプスが沈む
イギリス庭園
柔らかい土にシャベルを刺し
そっと薔薇の首を手折り落とす
あの人はハサミ
彼はチェーンソ ....
mizunomadoka(570)
タイトル カテゴリ Point 日付
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