えこなと別れるときはいつも
私はまた、えこなに会えることを確信している
それはとても漠然とした理由だから
説明するのはとても難しい
私の中でえこなはとても大きな存在だけれど
私がえこなと過ご ....
閉じたまぶたの裏側
流行のカフェ
野球場
交差点
カーテンを開けて見た窓枠の景色
ピースサインの谷間
病院の待合室
えこなはいつも、私を待ち伏せるかの様にそこにいた
えこなはそ ....
私がえこなに出会ったのは18の冬だった
牛乳を初めて飲んだのよりは後のことだった
えこなは黄色いかばんを肩から提げていた
中から500mlの紙パック容器を取り出し
水をここに入れてくれない ....
マミが笑って ユウコが溶けて
窓からの日差しで
宙に舞っているわたぼこりがよく見えた
溶けたというのは
消えたとか 死んだという意味ではなく
とても細かく分散され
地球に散らばったとい ....
たわし二十歳 竹ざおの思い出をどうにかして
夜になると また青くて白い森の少女の姿 わたしたち
これから先もずっとエンドレス円 重い肩にはのしかかる
涙のあとの肌ざわ
りがいいときにかぎっ ....
両の手で耳を塞いで
これまでにない大声で私は
叫びながらしゃがんだ
いつからいつまでが子供で
いつから私たちは大人になる
心残りは山ほどある
だけど進まなきゃならない
いつだって ....
部屋の明かりに夏忘れの虫が誘われてくる。お前たちが帰るであろう場所を、私は何年も前に見てきたよ。お前たちにとって遥か遥かの先祖の時代に。
「いい湯加減だよ」
指が畳のへりをなぞって、座布団の埃に一 ....
その日、私の日記には。私が愛してやまない人物の名前を書き綴った。
どうしたって手に入らない物は沢山ある。それをわかった上で思う。決して、諦めてきたわけではないと。独りで立ち上がってやっと見えるものは ....
手を取っていたい。デジタルカメラ。
辺りに希望はなく、真夜中の別れみたいな数分。
私ともう1人は、知っている場所を教えあった。1本道、誰かが待っている事もない。決して、何処へも繋がっていないから、 ....
打点の高い告白は、そのまま私の心になった。
「わすれるもんかいな」
叔母は笑っていた。
庭先には叔母の植えた抱えきれないくらいの花が。牡千幸のむせるような香り。柿の木。知ってる。夏休みが ....
注意深く見ていると、その姉妹は医者と口論をしている。
自分たちが何のために生きているのか、なぜ生まれてきたのか。赤レンガのその小屋は、私の記憶を巻き戻し、砂嵐の映像の中にふと懐かしい姿が映る。聞こえ ....
だって だって
だって知ってますか
知らないですよ普通に
普通に考えて
わからないから
普通に考えてわからないなら
普通じゃなく考えたらいいって思ったんですけど
普通じゃない ....
tasu助けてくださいと言った。声を振り絞ると聞こえるのは絶え間なく揺らぐ記憶の中で何かを誘導しようとしている集団、その中心人物に手錠をし私たちはつかの間の眠りにつく。感情が感情を呼び起こし、極々瞬間 ....
夏休みの宿題にいっさい手をつけず、
始業式がきても提出しなかったとする。
その場合、宿題をほったらかして
夏の間は毎日遊んだり怠けたりしてるわけだけど
でもずっと気がかりではあるわけ、宿題 ....
急に生えてきた
混乱した
3日くらい寝てない
急すぎた
何の前触れもなく
取れない
街へ出かけた
そこのびっくりしてる奴
その気持ち
よくわかるぜ
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