僕は 海のそばに住むことにした
十月の浜は ひとけがない
足跡もなくて 夏よりきれい
海の家は ほったらかしで
風鈴がやたら 鳴っている
冷たい風に ゆれる
ガラスの音で 空気 ....
ガラスの向こうで雨は
規則的に降り続いていた
ベランダの花を
静かにたたいていたのは
儚さに惹かれた空の
答えのない 問いかけだったのだろう
いくつも落ちてくる雨粒
空から僕 ....
秋の日の 白い光は 死のごとく
「おかえり」の なき身に響く 五時の鐘
夕闇に 迷う言葉が 沈んでく
碧空を 裂いて美し 白い凧
暮れる夏 散った桜を 思い出す
葉の影に 隠れ取られぬ なすひとつ
広場の端まで届く大声を出せ
ボリュームを上げろ
それでもまっすぐ伝えられない
鏡の像のように 歪んだまま
空を漂うカプセルレター
望遠鏡から顔を上げて
何を見てるんだ
高い所から ....
はじめはみんな ちいさくて
とてもかるい
うまれたばかりのとき
目をつぶって あけたら
きえているんじゃないかと
きっとそれくらい
十年、二十年と生きるうちに
....
新しい日
未来は浮かんでこない
過去はまた遠ざかって
一人戸惑っている
悪い予感
いつもより夜が濃くて
ぎこちなさが肌に触れる
半分の月
変わることはない
変わらないもの 変 ....
獣のように吠えられたら
どんなに素敵だろう
誰もいない夜の森の中で
空気を荒く切り裂き
全てなぎ倒したい
どこにもいけない
なにもわからない
さみしい
たすけて
そん ....
誰と同じでもいい
私はただ私になりたい。
大きくも小さくも偽らない
今の私になりたい。
遠くのあなたに
私自身に
私が私とわかるように
夜明けの光に
笑顔で答えられるように ....
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