神様、今日も平和な一日でした





嘘を付く
駅から少し外れた道端で
たまごを並べて座り込む少女に
声をかけるものは無く


産み落とされて
孵ることの難しさを
感じながら

帰路

理解されないまま
ひとつずつ
落とし ....
高架の上を幾つもの魂が
赤い光を灯らせて
帰るべき場所へ向う


高架の下では
ダンボールの中でちいさな魂が
仲間に入れてくれと
か細い声で歌い続ける

弱く

さらに ....
アスファルトの上を

一匹の蟻が

一匹の蟻だったモノを 

引き摺って行く




 突然の
    雨










     は、上が ....
夜半から降り出した雨は

追いつけなかった枕を飲み込み

昨日までの湿度は

情に包まれた朝に変わる



取り付いた島には

虫たちの生活は無く

子供たちが響きあいなが ....
職場で黙々と仕事に励む

ふと気が付くと誰もいない

みんなどこへ行ったんだろう



サイレンが鳴っている

煙に包まれている

僕は取り残されたみたいだ



 ....
空を泳ぐイワシに憧れて

いつか空を

そう想い続けてメダカは死んだ


夕暮れ時、縁側に

雨を告げる風が吹いて
毎日、毎日ケーキを作る

おとといはマコトくん

  マコトくんは今年で小学5年生
  去年まではお母さんと一緒に来ていたのに今年はお父さんと

きのうはフミさん

  毎年、旦那さ ....
幾つもの川を

行ったり来たり

流されて

雑多な護岸を掴むこともせず

幾つもの川を

行ったり来たり
青空の下、作品が並べられている
授賞式に集まった名優たち、やはり洋モノにはかなわない
何種類もの香りに鼻がおかしくなりそうだ

彼の作品が並べられている
彼は空の青さに気づかない

 ....
一回の裏が終わって夏終わる 日陰に生きていた

何も言わずに
川沿いで
花を育てながら
待っていた

一年ぶりに川の向こう
清らかに
静かにたたずむ
あなたを見つけた


やっと逢えたね


 ....
僕は恵まれている

休みの日には必ず

遠くの町まで遊びに行けば
行った先にだけ 

雨が降ってくれる

きっと誰かが仕掛けを作って

僕に恵みを

与えてくれているのだ ....
だんらん中に電話が鳴った
君があわてて受話器を掴む
こわばった顔が一気に緩む
娘が私立の幼稚園に
合格したとの連絡だった

待ちに待った吉報に
君が小躍りしてるから
僕も負けじとブレイ ....
(一)


膨大な知識と情報のひとかけらを

カバンに入れる

新たな道が開けた瞬間である





(二)


ここにいない誰かへ

向けられた魂は

ここで ....
おい坊主、饅頭食うか?

おじちゃんだぁれ?
知らない人にモノもらっちゃだめだって
母ちゃんが言ってたよ

そうか、残念だなぁ
こんなにスベスベしてるのになぁ

スベスベしてるの ....
未来への道を歩いている

時々、過去へ向かって歩いてみるけれど

自転の速さに負けてしまう


何とか逆らってやりたいと立ち止まってみても

やっぱり未来へ進んでしまう


諦 ....
だだっぴろい海の上

たれさがる旗


こんな日は

昼寝でもするか

なぁ、野郎ども


たれさがる旗

だだっぴろい海の上
カランカラン

乾いた音を立てて
転がってきたものは
骨だった
中は空洞になっている

拾い上げ中を覗きこむと
そこには子供の僕がいて
頬を腫らせて泣きじゃくっていた

そこ ....
深刻な顔で

アナウンサーが原稿を読んでいる

車が正面衝突したらしい

   反対車線に飛び出し・・・

事故現場が映し出される

   運転していた男性と・・・

最後の言 ....
明日は燃えないゴミの日だから

人をまとめて

玄関に置いておく


翌朝

人はバラバラになっていた

どうも統率に欠けている

これでは回収してもらえない


結局 ....
青白く照らされた

黒い水の入った水槽に

恍惚を沈めた



すぐに浮かんできた



酸素が足りないみたいだ
望遠鏡で
月を覗いたら

傷が付いていた


のは

望遠鏡の方で


月は今でも

美しく欠けていて
「ピーマンって美味しいよね」
              って
君が笑った

「うん」
僕も笑って
そう答えたけれど

あれは

目標であって


僕は
嘘が嫌い

 ....
あとら(54)
タイトル カテゴリ Point 日付
一日の終わりに自由詩3*04/10/26 23:09
たまご自由詩4*04/10/25 20:09
「送り火ピアニシモ」自由詩6*04/8/17 22:06
美しき日々自由詩6*04/8/3 21:33
午後、水飲み場で自由詩3*04/8/2 23:25
非常口自由詩3*04/7/26 21:16
メダカ風鈴と縁側自由詩2*04/7/14 13:42
ケーキの休日自由詩304/7/7 14:52
ホームセンター自由詩0*04/7/6 20:06
流れて自由詩3*04/6/16 20:09
夏のこと川柳2*04/6/16 20:07
私が産まれた日の、花と花言葉。自由詩5*04/6/5 21:42
「雨細工の町」自由詩2*04/5/28 20:14
ダンス・ダンス・ダンス自由詩804/5/22 23:14
本屋にて 二篇自由詩2*04/5/18 18:28
スベスベマンジュウガニ饅頭自由詩3*04/5/14 20:47
そのスピードで自由詩1104/5/12 12:30
上海された自由詩1*04/5/4 22:24
空の骨自由詩3*04/4/24 21:06
複雑自由詩404/4/23 18:48
人ごみ自由詩7*04/4/21 23:03
アクアリウム自由詩2*04/4/16 21:26
月で満ちて自由詩1204/4/14 15:06
自由詩7*04/4/8 22:42

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