救済の船がやってくる
金色の雲をかきわけて
街並みも石畳も全て黄色に変えて
建物も水も全て眩しく光りながら 黄色になって
僕の街にも救済の船がやってくる
月の無い夜を瞳一杯に潤ませて ....
新鮮な墨が降り注ぎ
今日も新しい夜になる
昔の夢も 昨日の夢も
すべて洗い流されて
路傍の黒に宿って眠る
瞼の裏の死神が子守唄を歌い
今日の夢が昨日を殺す
旧い世界が死んで
....
目線の先の空に暖色の廊下が浮かんでいる
夕時を回った薄暗闇の淡い夜には
不思議なほど似つかわしげな灯りの配列が伸びている
窓に映る背後の景色を
私はぼんやりと座りながら眺めていた
い ....
世界の王を殺す旅に出よう。
彼の玉座は誰も知らぬ。
蝿の大隊を導いて
馬鹿の王を殺す旅に出るのだ。
旅の支度を整えよう。
全ての者に別れは済ませたか。
捨てて行く物は決まったか。
....
空見上げ 意味無き色に ほだされるまま
迷うと知りつつ 思慮を手放す
飼い鳥に つつかれた手に 悔いながら
やり直せても 繰り返すはず
春の陽と 紛いはすれど 秋の風
....
神経逆巻く 暗い森の中
よどみなく青い海に隔絶された受精卵の中
静かな島が一つ
空は遠く碧く
砂浜の上には一匹の蛙
割れない壁に幾度も撃ち突け
痛んだ拳の鐘音が
森を駆け抜け ゼ ....
滴るような影が覆う
窓ガラスにも無数の痕跡を残しながら
実体の無い掌が感覚を撫でていく
階段の暗がりは質量を増し
無音
外は雨
彼は目を閉じたまま
静かに耳をそばだてた
バナナのタバコ バナナのタバコ
バナナのタバコを吸ってごらん
ポップでキュートな甘い味
ピンクのイルカが見えたでしょう
泳ぎ続けるのもいいけれど
時にはイルカの背に乗って
揺られていてもい ....
金魚はきっと世界を弾丸に替える目を持っているでしょう。
静止しているか光速の平行移動で過ぎ去る世界しか、彼にはわからない。
一心に水を蹴るのは、少しでも世界を動かすため。
動く世界を渇望している ....
暗い窓の外に雪が降る
雪の色は灯りに映えて色を返す
窓を隔ててそれは揺らめきながら私の前を過ぎ
消えていく
落ちたかどうかはわからない
地面は窓の枠から遥か遠く離れたずっと下
きっと私 ....
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