雲がひとつもなくて
それほど冴えた青い空でもなくて
見た目に限れば陽差しは豊かで暖かげで
旅客機が白く高く遠く横切って
潤いと熱を瞬時に外気に奪われて
瞬きで新しく熱い涙を滲ませ
覗き ....
鉄塔に雨が降る
手馴れた笑顔で許して終わらせ
ひそかに持ち帰る湿ったフィルター
高圧線に変電設備 乾いて固まる絶縁体
継ぎ目で疼く火花とノイズ 青白い
鉄塔に雨が降る 何度でも雨 ....
陽が傾いて人と犬とが門を出る
車道を渡り 松の防風林を抜けて
赤い不思議な岩の砂浜まで約3分
リードをはずすのももどかしく
湿った砂を蹴って飛び出すあなたの体は
与えられた狭い世界を受け入れ ....
0.06sec.