これ以上登場人物が増えるのを僕は望まない。
そして、これから僕を含む何人かが壇上を去ったとしても、おそらく代わりの誰かはやってこないだろう。
だから、今から話す男については、ひとつの比喩と考え ....
 駅前のカフェでサリンジャーの短編小説を読んでいた。ブラインド越しでも西日がきつく、窓を背にする席を選ばなかったことを後悔した。木製のイスも座り心地はよくはない。空調も若干効きすぎている。要するに .... 世界は人間なしで始まったし、人間なしで終わるだろう

        ーーークロード レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』より



「4年に一回、すっごく泣きたくなる年がくるの。」
「 ....
 君が東京につく頃までには、この手紙を書き終えたい。そして君が東京を去るときまでには、この手紙が君の下宿先のポストに入っているようにもしたい。難しくはないんだ。余計なことは書かず、必要最低限だけを .... I want the toys of other boys
I want a knife and a gun and things
But Mom and Dad will not give  ....
「人類は未だかつて宇宙で妊娠したことはないんだよ。」
「へえ。」大した興味もないという感じで、彼女はインスタントのブラックコーヒーに口を付ける。宇宙というにはあまりにも薄く、そして濁りすぎたその ....
モーパッサンの短編に『口髭』というのがあって、口髭にある種のフェティッシュを感じる女性が延々と口髭愛を手紙にしたためているという作品なんだけれど、その手紙の結びにある、「最後に――口髭万歳!」という部 .... 頭脳は過去の記録の博物館でもなければ、現在のがらくた置き場でもない。
将来の問題についての研究所なのだ。
                ――トーマス・ブラー
 

「いいかい、アルチュ ....
大統領は
ホットミルクを飲み干すと
彗星と流れ星を乗り継いで行った



酒屋で星と殴り合ったあと
ニューヨークの熱帯夜にうんざりして
男は摩天楼から雪を降らせた
カラカ ....
三島由紀夫の『金閣寺』を読んで、『金閣寺』を燃やしたくなった。
京都の鹿苑寺金閣ではない。三島由紀夫の『金閣寺』を燃やしたくなったのだ。文庫サイズの少し厚いその本を、一昨日街のブックセンターで購 ....
架空の国の話をする。

その国(仮にA国とする)はもとより存在しないことはおろか、むしろ僕の頭の中で自由に形を変える。例えばあるときは広大な海原にぽつんと浮かぶ島国であったりする。僕はアイリッ ....
KY=「気にしちゃダメだよ。妬いてるだけなんだから」
KY=「腰が痛い」「ヤリ過ぎだ」
KY=「今年の流行の曲は?」「ヤナーチェックのシンフォニエッタ」
KY=「経済的に困窮してるんだよ」「やる ....
良質なノイズの海に身を投げ出し、波に逆らうことなく流され、海水を肺一杯に飲み込むと、自分が細かな細胞ひとつひとつの集合体であることが感じられる。脳に酸素が行き渡らなくなり、意識が遠のいていく。それ ....
robart(13)
タイトル カテゴリ Point 日付
唾と蜜ーー参考資料⑦散文(批評 ...010/2/8 18:58
透明で無害な煙草、倍速で行われる会話、無目的的な快速電車散文(批評 ...110/1/9 2:46
冬の博物館の前で散文(批評 ...110/1/9 2:45
消印のない手紙——参考資料⑥散文(批評 ...110/1/7 2:13
365分の1としてのクリスマス、あるいは本のカバーについて散文(批評 ...209/12/26 0:19
宇宙というインストゥルメンタル、あるいは逆再生された無音散文(批評 ...009/12/9 12:07
口髭で人はノロけられるのか散文(批評 ...109/12/5 23:10
冬の博物館の前で(Another Side)散文(批評 ...009/12/4 3:10
東洋のアルケミストの構想ノートから読み取れたもの(順不同)自由詩209/12/3 1:50
どこかにあるかもしれないもうひとつ別の7月4日散文(批評 ...109/12/2 1:10
架空の国と、マクドナルドでゆっくりと立ち上るタバコの煙散文(批評 ...209/12/1 16:18
KYあれこれ自由詩109/12/1 0:05
即興——improvisation自由詩209/11/28 0:03

Home
0.11sec.