{引用=


……結局

そんなものはなかったのだと

あなたはため息をついた

底冷えのする10月

炎で焼かれたような歳月が朽ち果て

それが桟橋のように見えるとき

 ....
{引用=
おぉ
黒い服に身を包み
大げさな声でぺちゃくちゃとしゃべり
鳥の血よりも鳥の
モモ肉を好み
トウガラシの種を庭に植えては
庭の土を更新
し続ける者よ
お前たちのあざ笑った
 ....
{引用=


記憶は生きていない
記憶は動かない

ので

それは生命を超越し
古い古い地層に
固定されている

こことは違う時間では
時間は
固定されている

ここと ....
{引用=
壊れてしまった
停留所で
細々と
息を潜めていた

寒さで
空気が張り詰めていた
吐く息が
白くなって
白くなった

僕らが想像していたよりも早く
バスは出てしまっ ....
{引用=
具体的な何かを求めすぎだ、と
その男がしゃべった
だが具体的な何かとは、本当は、何だろうか
彼の頭の上を空気が流れていた、雲も、
その雲は、
我々の吐き出した煙だったかもしれ ....
{引用=
照準を定められて
打ち出されていく……
日々
同じ筒に入れられ
あの遠い高台へと
打ち込まれていく
体中に砂が詰まっている
目が見えない
視界が充血している

人魚たち ....
{引用=
唐突な出張でもないのに久しぶりに
夕暮れの新神戸駅に一人
立っていた
こじ開けられたまぶたのような
雲の向こうに
夕陽がぎらり
虹は見えない
天使も見えない

救命器具を ....
息が詰まるほどの
狭苦しい都心のバーで
ビートルズを延々と
聞き流しながら
炭酸で割った
スピリッツを飲む

気心の知れた
大学からの友人と3人

「疲れたね」
「煤けたね」
 ....
{引用=
体積土から
掘り出した
熱を持たない小鳥
かつて生えていた羽
骨のような形
突き出して愛し
摩擦して
励まし
静かな森にだけいた
生きにくい獣

水晶で出来た舟の材質 ....
{引用=
月が星を
睨んでいるうちはよかった
警告は三声で描かれ
そのために海が割れた

稚拙な頭が
季節から流れ込む空気を食らう
お椀の中に肉声を閉じこめ
黒人霊歌のようにして ....
空にすすけた泥が
まっくろになって
僕とあの娘にふる
この街は
薄汚れた街さ
煤をすすって生きてる

珈琲一杯分の
幸せを
喉に流し込み
反復する
時間と
運動をする
機械み ....
{引用=
邪悪な双子が
僕の部屋にやってきて言った
「ねぇワルツを踊りましょうよ」
かわいらしいスカートの裾をもちあげ
優雅にお辞儀
僕は
二人とワルツを踊った
邪悪な双子は
にこに ....
{引用=
窓の向こうの海の
歌声が聞こえる
「さようなら。ありがとう。たのしかったよ」
いつも同じような
終わりの匂いを含ませた
詩をメロディーに携えて
窓の向こうの海の
歌声が聞 ....
{引用=


またここに来てしまった

まだここにいない

接続される

胸が急に
うずくように
切なくなる

痛くなる、
とは区別された
切なくなる

それが
 ....
窓をじっと眺めていたら
動物が走りすぎてゆくのが見えた
まずはじめは弱い動物
次には強い動物が
僕が見ている目の前で、弱い動物は追い付かれ
足の骨を突き出したかっこうで殺されて食われてしまう ....
{引用=
中途半端な気持ちで
ハウ・ドゥー・ユー・フィール?
と問えば
こぶしがかえってきた

涙が流れ出る夏
涙があふれる夏

みんなからだがおかしい
脳のどこかもおかしい
 ....
{引用=
夜の鉄塔に
不意に生える街
怯える目を
置き去りにして
黒々と
増える

天辺から
樹が生えたかと思うと
それも鉄の塊
夜が音を立てて吼えた
音にならなかった
だが ....
{引用=
君が呼吸を整えて
眠りながら
安物のCDプレイヤーの
スリープ機能で
ジャニス・イアンを
流している間
僕は僕の部屋で
下手な歌を爪弾いている

あ、
ああ、
あああ ....
コンクリートが濡れていた
僕は朝からの買い物でせわしなく移動していた
掌で抱えた袋には
甘い匂いのストロベリーがたくさん入っていた
老婆が向こうの道路で
子供の手を引いていた
子供は小さす ....
{引用=
夜と夜を縫い合わせて
足を組み替えて
電車のシートで眠った
体中の
軟骨に混じりこんだ鈍器が
ゆっくりと再整備されるような気がした
嘘っぱちばかり
書かれた雑誌が
僕の頭の ....
{引用=

今、なんとなく、デル・シャノンがハンク・ウィリアムスを歌ったレコードを聴いている。
だからタイトルは曲名のもじりだ。
意味は特にない。
でも気分は、怖いほどに共通している… ....
君は取り違えてしまった
なぜなら
「そのときをきちんと見ていなかった」
からだ
君とは
僕のこと
僕は知らなかった
あの頃何が出来たのか
あの頃なぜそうだったのか
あの頃と今がどう違 ....
君は複数存在し
それゆえに
ちらちらと
人は見かける
それはつまり
人にとって
日常性の隙間に
はめ込まれた君を
認識できているという
ことだ

{引用=





 ....
雪もないのに
足が滑って
しりもちをついたら
青い空が
広がっていた

青い空の下では
誰もが幸せだなんて
とんでもない嘘だけど
そう思い込むほうが
幸せになれるかもしれない

 ....
静かな暖かい
春の夜には
背筋が寒くなるぐらい
柔らかい気持ちになる
僕は生きていて、
空気を吸っているのだと
有機物と有機物が
結合して
うまく生命が続いていると

生暖かい
 ....
{引用=
お化け煙突の話をしようとすると
いつも決まって
口がこわばる
上手く話せるかどうかが
わからなくなって
話す気力が失せてしまう

その日は女のほうから
「ほら、あそこにいつ ....
おぉ
私の懐かしい
ふるさとよ
お前は私とは
違うな
お前のほとんどを
大阪が
奪ってしまった
私が
目を閉じれば
まぶたに映るのは
違う青空だ
私ののど仏に
刺さった小骨は ....
{引用=
それがそこにあり
僕たちは離れて行き
そして
範囲を指定する

土砂崩れに
身を任せるわけにも
行かず

僕は
回転する椅子の上に座り
懐かしい風景を思い出し
 ....
{引用=
真ん中にテレポートしてくる
定めのない標準
チルチルミチルの
御伽噺はおしまい
窓が開いて
犬の鳴き声が聴こえる
どんなことをしても
償うだろうと
「記憶」が告げる
場所 ....
{引用=

6月の雨が
まだどこかに残っていて
それが7月の終わりになっても
降り注いでいる
一月以上寝かせたからだろう
いらないものがたくさん混じってる
人間の気持ちに置き換えたら
 ....
真島正人(148)
タイトル カテゴリ Point 日付
あなたが求めたモノクロームの断絶自由詩4*10/10/29 0:58
おぉ私の瞳を赦し給え自由詩5*10/10/27 0:36
記憶は生命ではないので自由詩5*10/10/23 1:53
死者はもう行ってしまったよ自由詩7*10/10/12 0:27
共有自由詩3+*10/10/11 22:56
メディウム 2自由詩3*10/10/11 22:35
夕暮れに似合う歌自由詩4*10/10/7 1:19
狭苦しいバー自由詩3*10/10/5 0:39
交換することの喜びに震えて自由詩3*10/10/3 0:54
稚拙さの選択自由詩4*10/9/29 11:38
夜の粉もすすけた泥自由詩4*10/9/27 15:40
邪悪な双子自由詩2*10/9/21 9:04
窓の向こうの海自由詩3*10/9/20 13:58
メディウム自由詩1*10/9/19 3:00
かがり火自由詩1*10/9/14 1:52
みんな、おしまい。自由詩7*10/9/4 13:42
酸化した街自由詩5*10/9/3 1:23
君が眠りながらジャニスイアンを聞いている間自由詩010/9/2 8:07
天使ちゃん1回100円自由詩5*10/8/29 23:47
うそっぱちぶっくす自由詩2*10/8/25 2:09
渋谷HMV閉店に寄せて〜ロングゴーン&ロンサムブルー散文(批評 ...6*10/8/23 2:20
話はそれからだ!自由詩1*10/8/22 3:03
君は日常に潜んでいる自由詩3*10/8/17 2:10
青空自由詩2*10/8/13 11:23
よそおい自由詩3*10/8/9 6:56
お化け煙突とボロアパート自由詩5*10/8/7 10:50
京都自由詩0*10/8/7 3:01
普通の話自由詩2*10/8/6 3:07
印紙自由詩2*10/7/28 3:17
雨の残りもの自由詩9*10/7/28 0:56

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