一枚、二枚と雲母をはがし
石の欠片で絵を描いた
砕け散っては舞い上がり
藍に溶けてゆく粉塵は
何処かに漂うはずなのに
空の青だけ眼に痛い
三枚、しまいに雲母をはがし
....
後ろ向きに立っている
明日を背にして昨日と向き合っている
バックミラーに映る明日は砂の嵐のように
映像を映し出すこともなくただ砂塵を巻き上げている
地球は太陽の周りを回る
自らも周りなが ....
日本のあちらこちらから道祖神が姿を消しているという話を聞いたのは
ある飲み会の席でのことだった。
道祖神は男女1対のものが多いらしいのだが、乱開発やら区画整理やらで引き離され
壊されたり、遠 ....
どこからともなく”ブーーーン”という音がフェードインしてきたかと思ったら
突然”バチっ”という雷鳴にも似た爆音をさせて
地球のブレイカーが落ちたんだってさ。
あの日から
昼は果てしなく明る ....
その初老の運転手さんはとても話し好きな様子で、乗り込んで車が走り出すやいなや、すぐに私に話しかけてきた。
人と話をする気分ではなく、私はそのテンションに少々辟易としたりしたのだが、感じの良い運転 ....
どんなに世間を知っていて
言葉で恐怖を並べても
きみ言う”へいき!”にかなわない
どんなに世界を調べてて
理屈で知識を並べても
きみ言う”なんで?”にかなわない
どんな ....
何十年か生きてきた
誰からも好かれてて
友達もたくさんいる
どこへ行っても視線を集めて
なにをやっても素早く注目させ
強い意志を全面に押し出し
弱い部分をちょっとだけ見せて
外向けの ....
すきですきでたまらないもんだから
ちかづきすぎてこわしてしまったんだって
でもすきですきでたまらないもんだから
こわしたところにしるしをのこしてきたんだって
おうさまはなんにも ....
我らは正義だ 世の安定を望んでいる
我らは全てを統治する 世の人々を解放する
自由という名の希望を携えて
ほら、あなたを見守り救ってあげることができるさ
そっと、そおっと
そっと、そ ....
昨晩は寝ようと思い床につくもなかなか寝付けず。
起き出してきては、どうしたもんかと考えていた。
ほてった頬を冷ますのに、私にはあの冷えた空気がしばし必要だったのかもしれない。
窓から外 ....
雪だ、雪が降っている
真夜中に降り続く しんしん降りてくる
雪降る夜はワクワクする
台風の朝のように心が躍る
そして今日とは違う明日の景色を待つ
窓に張り付く淡白い結晶を眺 ....
ただいま おかえり
今日は給食おかわりしたよ
そう言いながらニコニコ笑う
愛しい笑顔を抱きしめた
ただいま おかえり
今日はクジラ山に登ったよ
そう言いながらニコニコ笑う
....
躁々晴れようが 鬱々伏せようが
めそめそ泣こうが にやにや笑おうが
佇んでようが 微えんでようが
鬼住んでようが 邪が住んでようが
いつかわたしも しぬるんだ
そうかわたしも し ....
LIVEとは、つまり
生きるということであり
生きるとは、つまり
食べるということであり
食べるとは、つまり
殺すということであり
殺すなら、つまり
殺されるかもしれないぞと ....
我らは数珠を繋ぐように
今日まで生き存えた
なぜならば我らはヤンバルに抱かれていた
ヤンバルクイナの啼く夜
我らの未来は
明るくはないが消えはしない
なぜならば我らはヤンバルに抱かれて ....
垂乳根の母の 子の名を呼ぶ声
いとあわれな夕焼け
げにはかなきこの世に
鳥舞い花は咲く
風散り海は啼く
垂乳根の父の {ルビ娘=こ}を求むる声
明け暮れて日をあげず
ちはやぶる神のよ ....
自由な世界を泳ぐ君 鋼の心を持っている
君はいつでも籠の外
自由な世界を妬む僕 鋼の鎧を持っている
僕は未だに籠の中
かごめかごめ 籠の外の君は
僕の瞳にどう映る?
かごめかごめ 籠の ....
ひとり
ひとりより ふたり
ふたりより さんにん
さんにんより よにん
よにんより いっぱい
でもやっぱり ひとり
ここはもう駄目? 旅の支度するんだね
住み慣れた街をまた離れてゆくんだね
見慣れた景色 愛すべき仲間達
もう二度と会うこともないかも
会うこともあるかも
さよなら
冬が行き春が来て 命 ....
笑う笑う 彼ら笑う
我が子の手足をバリバリと
食らう母親擁護して
笑う笑う 彼ら笑う
餌食らうだけの物言わぬ
片端にされた子らを見て
笑う笑う 彼ら笑う
善意の行い ....
徘徊する夜の街
徘徊する昼の海
徘徊する人の波
徘徊する花の色
垂れ下がる頼みの綱
成り下がる生き物からモノ
飛び上がる魚の群れ
立ち上がるレゾンデートル
誰か俺を抱いてくれな ....
東の空はすでに白々と
断末魔の星屑 儚い光
やがて朱に交われば明けの海
入り江にかすむ靄 侵食の色
島に夜明けがまた今日も来るたび
緩やかに繰り返す日々
日常の光 営みの光
家捨 ....
実に面倒臭い生き物です
ミルクともヨォグルトともつかぬ雲が
蒼白い画用紙にもっさりと乗っかっているだけの空
針の匂いの突き刺さる景色はただ想像するだけで
心は常に深淵に投げ込まれてしまう ....
茜に黒のシルエット
三角屋根の向こうには
遙かな世界があるのかな?
茜に星が増えてきて
せっかく覚えた”黒猫のタンゴ”
揺れる輪舞で忘れるのかな?
むくれた僕の手を引いて
繋いで ....
まずまずな君
まだまだな僕
引けをとらない君
髭を生やした僕
噛みつきたかった君
髪伸ばしたかった僕
足手まといだと罵る君
手足ばたつかせ泣いている僕
....
天下分け目のボスポラス
西と東は住み別れ
前人未到のガラパゴス
種がついてる土踏まず
分別臭い喜望峰
白と黒とに彩られ
線が引かれたエクアドル
熱い思いも何のそ ....
誰が好きですか?
誰かを愛してますか?
愛している人に何をしてあげられますか?
自分ばかりを見ていて欲しいと思っていないですか?
きれいごとで片付けますか?
きっと役に立つと思ってますか ....
貴女の雫の溜まった沼に
私の身体を投げ入れた
赤い月夜の酔う晩に
蒼い夜露に濡れる葦
貴女の雫の溜まった沼は
澄んだ水色 月明かり
藍より深く沈む我が身の
淡い心は宵の口
貴女 ....
オヤジノオナカにまたがって
灰色の沼を見下した
鯰が3匹泳いでた
あれは家族と泳ぐさま
オヤジノオナカにまたがって
赤色の空を見下した
水母が13落ちてくる
あれは下僕 ....
隠れた月、光と闇
一つに混ざり合う時
何処にあるか、何もないか
それも定かでない夜
海も枯れて、土地も絶えて
新しい世界の主
唯密かに、舞い戻るは
輪廻が委ねた箱船
沈む夕日、 ....
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