忘れられた休日に
ひとりコタツでPCに触れる

くそうクシャミが出るから
ティッシュで鼻をかむ。

寂しい3月なんて嫌だった。
携帯電話がつながっても、会えないなんて。

今しか ....
黒いソックスを穿いて
指定された紺色のカーディガンの上に、黒のブレザーを羽織った。
今日も学校に行かなくては
何の為に、卒業する為に。
制服を着ると体が微かに緊張感を保ち
胸を真っ直ぐに張ろ ....
彼はこちらを見てずっと笑っているだけだった。私が彼に持つ印象はそれだけだった。
時々意味も無く小声で名前を呼ぶのだ、いつも彼は仲間と一緒になって。
学校の中でも外でたまたますれ違った時も、私に対し ....
僕は、死を待つ訳ではないから 宿題をしようと思った。 寒いから 鍋に水張り温めた

湯気が立ち登る前に 火を止めて

都合のいい熱さを手で底に注ぐ

粘着し、離れることを繰り返して

ほら、と壁に呟くようにする。
熱くなった頬に導かれて
引かれて 繋がって
吐く白い息の裏側で 背中を押すのは掌。
12月の寒い風が
人の渦から生まれた熱気や摩擦が
ただ単に、この熱くなった頬の原因であれば
もういっそこ ....
憎しみは人に感謝することを知らない。

憎しみは一人歩きをする

憎しみは自己中とエゴの塊だ

憎しみのことを人は非難する

憎しみは憎しみとして悲しんで笑う

憎しみは終わらない ....
ずっと低いところで、流れの勢いがない所で 悔しさも報うこともない中で 君ら二人とけてしまえばいい 溺れるように生まれたから、同じように人の中に混ざってった。
 出来れば静かに生まれて 厳かなままで目を閉じたいのに。
 こんなにぐっすりと眠ったのは久しぶりなのか、もしかして
  初めてなのか ....
明日ニュースで高校生が自殺したと流れたら
それは僕のことだと思っていいから
自分らしく満足に笑えない太った子を見つけたら
それは僕だと思っていいから
破裂しきれないなら
いっそ赤の横断歩道を ....
体の感覚が損なわれていく。

チョークが落ちる瞬間の、
落ちて砕けたそこで 白い粉が
床の上で印になる。
教室の誰かが蹴りつけた
床や壁と同じになった私が
かすかに揺れつつも
プリ ....
がたがたの地面の上で小さく微笑む。

どうしたら綺麗に私らしく笑えますか。

胸を張って笑える人になりたい、それが今の私の願い。

お腹の中に悲しいことが響いてもいいから。
「線引き」


教科書に、

黄色のマーカーで線引き。

ある瞬間のための、

不幸にならないように、

焦らずにいたいから、

サッと伏線を引く。
気だるさに押されて足を進めた。
雪が降った道路は
ひとに轢かれ続けたから、
淀んで色を見出せなくなっている

震えた子供は一人では帰れない
しかし一人きりでも歩かなければ家には着け ....
受けた悪意を憎しみで返してはフモウだ、と
そう言われても、この手は随分前から汚れていたんだよ。

笑われたら怒って
陰湿なことにはそれを返すし、
周りのみんなと
同じように汚れていたんだよ ....
温めては、作った白い膜を 棒でかき混ぜて破っていた。
ゆるゆるとした所で飽和を繰り返して
痛みと終わりが来ないようにした。

それが今までの私で、もし
変わらなければいけないのなら

ひ ....
その空はいつも、
混じりけのない深い夜の暗闇で

白くて大きい雲を抜ければ
てっぺんのいちばんいちばん高い場所に
小さな黄色く輝く月が見えた。
あれは中々良い色をしてて
出来れば自分のも ....
降り出した雨で
黒い道路がいっせいに音を立てて
激しく破裂した。
アスファルトの色が、
より深い黒に染められていく。
落ちることしか出来ないのに
精一杯、地面を蹴り上げて跳ねたが ....
体育館の掃除は楽で

床を雑巾で拭いて、トイレの紙を補充したりする。
やる事が無くなったら
人と目が合わないように、視線の網をかわして
立ちんぼで時間をつぶせばよかった。

何度も何度も ....
廊下にある
黒板消しのクリーナーの台に
花も水も入ってない空っぽの
白い花びんがある。

生徒たちがふざけ合い、走り回るからそのせいで
花びんにぶつかるか、ぶつからないか
そんな状況をハ ....
無数の声が、言葉が
手のひらが、指先が
情報のかたまりになって
突き抜ける風のように押し寄せる。
いつも。
その中で、握りたいもの
握ることが許されるもの
もっとも、線の細い私は
一人 ....
身体を綺麗に取り繕うのは、骨が折れる。
昔より太ったのは、コンビニで働いていたからだと思う。並んでいる不健康で高カロリーの食品が目に入ると、
日本史の授業、
カゼで教室には二人だけ
先生はつじつまを合わせるために話しかける。
私はそれに乗っかっていく

言葉がやり取りされる中で、
「飴玉」なんだと思った。
止まってべたべたしす ....
卒業する少し前だったか
閉ざした教室で
熱が頬を濡らした。
あの自分が翻ったような感覚

あの言葉の羅列が
3年間の中で
唯一私が修了したもの

また、
泣いてもいいから
私は誰 ....
日に焼けた肌には
あせもで何度も引っ掻いた部分がある。

かさぶたを作っては剥がしていく事を繰り返したそれは
白い斑点のようになって、小麦色の腕の中、目立っていた
その周りには皮膚が ....
山岸美香(55)
タイトル カテゴリ Point 日付
3月自由詩011/3/27 11:08
制服を脱ぐとき自由詩6*11/3/1 23:19
終点自由詩311/2/1 21:15
待つ自由詩210/12/23 16:49
張る冬自由詩210/12/19 14:38
発熱自由詩3*10/12/11 21:27
エゴ自由詩1*10/12/5 16:44
借家にて自由詩210/11/27 20:21
泡沫自由詩010/11/20 10:54
夜明けに向かう自由詩1*10/11/8 23:49
学生②自由詩310/11/6 0:37
自由詩3*10/10/15 19:27
線引き自由詩410/7/26 12:28
雪道自由詩310/7/10 10:56
生きるカタチ自由詩5*10/6/14 0:43
混ぜる自由詩3*10/5/27 16:12
月まで昇る自由詩1*10/5/26 19:34
自由詩5*10/5/11 0:20
体育館の掃除自由詩110/4/18 21:08
花びん自由詩3*10/3/27 21:40
琴線自由詩3*10/3/15 0:53
いしのみち自由詩3*10/2/22 22:24
転がされる自由詩2*10/2/17 20:03
自由詩1*10/1/29 21:38
皮膚自由詩2*10/1/25 22:40

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