しなければならない事
それは
靴底を磨り減らす事
それは
足跡を固める事
それは
書簡を認める事
先に潜む物を
胸の奥深く捕らえよう
週末には
ビー ....
冬でも雪が降らない
そんな暖かい僕の家でも
おまえは寒そうに
ストーブの前で丸くなる
背筋に稲妻の閃光が走るような
艶光りするおまえの
ビロードを思わせる黒い体毛
思わず ....
十四の夏
ぼくは夢を持つ一人の少年だった
校舎裏で友達と集まって
互いの夢を語り合う時間が
たまらなく濃密で楽しかった
その時ぼくは
自分の持つ可能性が現実だと
強く信じていた
....
僕の目の前で
新しい太陽が産声を上げる
またこの土地で
新しい一年が無事に始まることが嬉しい
昨日
ボーリングしていた井戸から
やっと水が溢れてきたよ
新鮮な真水を
無 ....
血脈の流れに溺れ
乱れた遺伝子を撒き散らす
肥大化したショウジョウバエが
汚水の中でもがき苦しむ
昨日の世界は憂鬱で
今日の生命は窮屈で
鈴なりの行列が続く
焼け付くよう ....
おまえらの常識だとか
おまえらの真実だとか
おれにとっては
こども銀行発行のお札と同じさ
長く生きてきたことを
素晴らしいことのように語り
身につけた経験が
人間全体の真理であるかの ....
子供の頃
遊び疲れた僕をおんぶして
家に帰る母親の
大きくて広い背中
悪いことをした僕に
容赦なく
平手打ちを食らわせた母親の
大きくて強い手のひら
大人になって
一 ....
明日の生命、明日の世界
明日の生命、明日の世界
明日の生命、明日の世界
忘却が生み出す自動小銃!
明日の生命、明日の世界
明日の生命、明日の世界
明日の生命、明日の世界
....
自分の周囲で起こる物事に
興味のアンテナを向けようとしない
それがおまえの言う自由
だが
気にかけようがかけまいが
おまえのすぐ後ろで
おまえの自由を食いつぶす
なにがが蠢いてい ....
春になると
桜の木の下で舞い上がる花びらを見ながら
ぼくに笑いかけるきみ
小川のせせらぎを聴きながら
無邪気に冷たい水をすくいあげるきみ
教壇の目の前に座って
熱心に授業を受けるき ....
オレの言葉に意味はない
オレの思想に深みはない
何か考えている
フリしてるだけさ
一日が終わる頃には
クソして寝るだけ
それだけ
全くそれだけさ
行間からは
....
積み上がるイメージに
おれは抗うことが出来ず
足場を崩され
やがて
立ち尽くすことしか出来なくなる
発せられたSOSは
水際で屈折して
裏返ったまま他人の元へ
....
社会に囲われる
彼らの狂気が
血祭りに上げるのは
本当は
気に食わないヤツではなく
その向こうに
蜃気楼のように映る
押し付けられた
見せ掛けの平等主義
ナイ ....
日の丸の赤い色は
おれの鮮血?
燃えさかる太陽?
灼熱地獄?
違うな
あの色は
おれが無意味な戦いで
命を落とした時
おれのために泣いてくれる
親友の ....
ぼくには右腕がない
好きなシチューを食べるのに
不便で仕方がない
ぼくには左足がない
好きなサッカーが出来なくて
歯がゆくてじっとしていられない
ぼくには光がない
....
しゃぼん玉が弾ける
思い出せない昔の夢だ
もう
差し延べられる手は白く塗装された
僕のために建てられた記念碑
絡め合うカラダ
メンソール味のキス
きみの口から漏れる
甘 ....
真夜中目が覚めると
隣にいるあなたがいない
どうしたのかしら
そう思って階段を下りていくと
リビングから弱々しい明かり
覗いてみると
テーブルの上に水割り
そして
暗い表情のあ ....
前を向け
足を上げろ
走り出せ
強要される俺
うずくまり
何かを待ってる俺
首根っこを捕まれて
無理矢理立たされる俺
前に進むことだけを
命令される俺
....
街に雨が降りしきる
人影もない寂れた風景を
ぼくは飽きもせず眺めてる
となりには
ぼくの彼女が
寝息を立てている
彼女の横顔は
とても穏やかで
つい
腕時計を描きたくなる
....
吐き出した
投げられた
言刃の鋭利さに
切り刻まれ
恐れおののく
何を傷つけるの
それでも
悲しみや怒りは
擦り減ることもない
多すぎる傷を
抱えた ....
若かった頃僕らは
いつも僕の部屋で
無駄話をしながら
雑誌を読みながら
やがて訪れる未来を
熱にうなされるがまま
夜が明けるまで
語り合っていた
若かった頃僕らは
ど ....
社会生活に適応する
そんな頃もあった
思考の中に埋没して
心の片隅にすら残らない
ここにいるのは
たった一人なのか
悲観的観測
誰もそばにいない
血を流すのは
オレ一人
....
落ち着いて考えるために
一杯の水が欲しい
築き上げた二人の関係が
目の前で崩れ落ちていくのに
ぼくはまだ戸惑っている
どうすればいいか
なんて悠長なことを考えている
手が ....
リノリウムの壁
見えない満天の星を眺め
手の届かない彼女のことを考えた
最後に会った日
彼女は家に帰る途中で
ひどく暑かったことを覚えている
笑わない彼女
瞳の奥 ....
明るい陽光が
地平線に飲み込まれていく
闇に覆われた夜の帳を
月の光が照らし出す
それは
どこまでいこうと
いつまでたとうと
彼の物ではなく
彼は浮かび上がった道化者に ....
湾岸線を流した
波止場の灯りが目に痛かった
自分がみじめになるから
泣くのはいやだった
かわりに
アクセルを踏み込んで
ちぎれるようなスピードに
エクスタシーを求めた
....
墓石の上で寝そべってると
神々の光が肌を焼く
彼女はいい人
君たちが思うよりずっと
僕なんかよりもずっと
でも
彼女は死ななければならない
僕が身代わりになればよかったのか
....
あなたはあなたでいい
あなたしか持っていないものを
大切にしよう
子供の頃からそう教えられて
ぼくは育った
ぼくがぼくである理由は
ぼくの中にある
何かが大切なものだから
そう ....
十年後
きみは覚えていないだろうね
ぼくがこの腕の中に
ありったけの愛情を詰め込んで
きみを抱きしめていた
寒い冬の夜のこと
いつまでも続くはずだった道程が
突然消えて見えなくな ....
ジョニー・ジョナサンは創作好きで
自分の思想に微妙な味付けを施して
テーブルの上に神妙に差し出す
一風変わった方法論に
人々は関心を示し
快哉と感嘆の声をあげる
ジョニー・ジョナサ ....
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