ずいぶんと
人生を過ごしてきたぼく
花吹雪が舞う
本通りを歩いていると
ぼくは
いきなり
わかってしまった
ぼくは
自分が
わからない


長い間
生かされてきたぼく
 ....
空から
一日の例外もなく
焼夷弾が降り注ぐ
逃げ惑う人々をあざ笑う
隙間のない炎


瓦礫の下
胸から上だけの彼女
宝物を抱えるように
両手の中に
泣きじゃくる赤ん坊

 ....
パターン化された世界は
変革をもたらすことなく
時間だけが
その存在を主張する


情報の荒波が
踊る人形をからめとり
電源を入れると
TVから
文明が切り売りされる

 ....
明日はもっといい日なのかも
そう思うだけで
いつでも手足が伴わない
口に含んだガムのように
出しかけた言葉を飲み込んでしまう
おまえが向かい合う日常は
おまえの心の中に
恐怖と嫌悪し ....
精神もデジタル
行動もデジタル
構成物質もデジタル
存在理由もデジタル
形而上学的にもデジタル
弁証法哲学でもデジタル
体内回帰もデジタル
延髄に溶け込むデジタル
自らを意味付 ....
得るために失い
失うために得る


もうずいぶんと
たくさん失ってきたんだろう
踏みしめた足跡の数
抱えきれない犯した罪


何を手にするのが
一番よいのか
考える間もなく ....
ゆらゆら
立ち上る陽炎の中
近くにいるはずなのに
手を伸ばした刹那
遠ざかってしまう


あなたって
逃げ水みたい


いつもいつも
必死に追うのは私


でもね
 ....
ガラスのコップ
飲み物を入れるためのもの


注がれる液体に
おまえは愛情をこめるのか


でも
おれは
缶から直接
おいしくいただくのだ


おれにはコップなんて必要ない ....
さびしいなぁ


冷えた布団が
温くなっても
オレの心は


さびしいなぁ


寒空の下
きみは
木枯らしを抱いて
眠るのだろう


さびしいなぁ
きみが
熱心に何かのぞきこんでる
気になって
一緒にしゃがんでみる
綿帽子かぶったたんぽぽが
風にまかせて種を飛ばす
みつばちが花のまわりで円舞曲を踊る
アリ達が整然と行進する

 ....
わかるよ
言いたいことがあるのは
わかるよ
言っておかないとって思うのは


でも
身振り手振りが大きいばかりで
おまえの言葉は聞こえない
何か言うと
舌が痺れて
発音が ....
十代の憂鬱は倦怠を呼び起こし
おれに苦行を強いた
時がすべてを解決するはずなのに
おれは今でも退屈してる
呪詛の言葉を唱え頭を振り乱す
おまえは悪魔か堕天使か
目撃者はその存在理由 ....
やぁ
気分はどう?
今日はあいにくの晴天
きみの門出にはふさわしくない
これからも永遠が続くんだ
ぼくらは誤解してた
壊れないものなんてないんだ


きみは引き金を引いた
 ....
きみとの距離を
1ミリでも近づけたくて
挨拶しているというのに
きみも同じように
何か言葉をかけてきて
互いの声が
次第に大きく張り上げられ
結局
何一つお互いのことが
伝わ ....
今日、私はとうとう
生まれてきてしまいました
体を守るための
覆面やボディスーツもなく
己の身一つで
生まれてきてしまいました


日一日過ぎるごとに
私の体に小さな傷が
   ....
脳裏に焼き付いた赤色が
少年時代の嫌な思い出みたいで
振り払えなくて
いらいら


生きてることを証明しようと
自分のまわりに
種をまきちらす


切り落とした腕から
おれ ....
漆黒の闇を
手探りで進むように
もがき苦しむきみを見ることさえ
もう
今のぼくには堪えがたい苦痛なのだ


きみは
ぼくの気持ちなんてお構いなしに
ぼくのまわりに現れては
その ....
気まぐれに
財布の中に余っている
一円玉を
四角い箱の中に
ごみを捨てるように投げ込む
世界を救出したヒーローのように
小銭の無機質な響きを
慈悲深い顔に刻み込むおまえ


 ....
もう、ずいぶんと長い間
きみの顔を見つめている
意識なんてしてなかったのに
気が付くと
きみは
 僕の心に踏み込んでくる
  鋭いナイフを突き付けて


これは愛?
呼んで ....
朝早く目覚める
窓を開けると
太陽が焼けるほど近い
 今日、世界をつかめる気がする


気持ちの奥で
眠り続けてたものが
手が届くほど近く
 今日、世界をつかめる気がする
 ....
堤防を歩いた
日差しを受けた
明るい水面が
僕にウインク


ここで新しく始めよう


堤防を歩いた
心地よい微風
足下を見ると
ひび割れたコンクリート


写真 ....
茜色に包まれる公園
母親たちの呼ぶ声
「またね」と
口々に
みんなばらばらになる


ぼくだけが一人
とぼとぼと家路につく


夕暮れ時は逢魔が時
いつもより大きい夕陽が
 ....
静寂が森の中にしみわたる
そびえ立つ針葉樹が
月の顔色を隠してしまう
オレは一人
さまようでもなく
叫ぶでもなく
ただ、自らの意識を
低く、低く、低く、
目線から逃れるように
 ....
ぼくは
昨日打ち捨てられたベニヤ板と
同じく
名前がない


ぼくは
明日踏みにじられる雑草と
同じく
名前がない


名前がない
ということは
別に
それほど大きな ....
胸に穴が開いて
赤い血液が夥しく
剥き出しの荒野に一人
青白い顔のおれ


こんな夜には
きみのぬくもりが欲しかった


代わりに
空から降る雪が
殺害された死体の怨念みた ....
やっかいなことが起きそうだ
家の中には権力者がいて
近所には強盗がいて
街に出るとペテン師がいる
全く油断ならない世の中
なのに
今、僕の心は満ち足りている
ブレイクを読み
サブラ ....
ぼくが煙草に火を点ける
同じように
きみも煙草に火を点ける
たちこめる匂い
ぼくの吐き出した煙が
きみのものと微妙に交わりあう
それはぼくらの心
ぼくらの気持ち


煙のよ ....
ライ麦畑が茜に染まり
盗賊の大地は安息を迎える
小屋に引き上げ
ふと
破れ裂けた手袋を見つめる
実りの季節に煙る
新しい生命の予感は
鼻腔に優しく
土深く埋葬された
五年前の思いを刹 ....
おはよう
僕がわかるかい?
今日はいい天気だ
気分がよければ
一緒に散歩しよう


流れゆく季節を
肌で感じる
見上げると
久しぶりに雲一つない
澄み切った青空


 ....
生きてる
つもり
呼吸してる
はず


働いて
働いて
自分を切り売り


なりたいものになりたい
やりたいことをやりたい
毎日毎日
繰り返してたら
気がつくと
自由が ....
寒雪(466)
タイトル カテゴリ Point 日付
わからない自由詩110/3/14 10:19
荒地自由詩010/3/13 20:58
Killing Joke自由詩010/3/13 8:03
無機質な自由詩010/3/12 20:54
Digital自由詩010/3/12 6:23
毒針自由詩010/3/11 16:02
逃げ水自由詩010/3/10 19:42
コップ自由詩010/3/10 9:31
さびしいなぁ自由詩210/3/9 7:42
目線自由詩310/3/7 21:59
Old Fashioned自由詩010/3/7 9:24
Serve The Servant自由詩110/3/6 21:00
Here We Come自由詩010/3/6 8:56
Message From自由詩010/3/5 18:56
生誕自由詩010/3/5 8:44
Have A Nice Dream自由詩110/3/4 7:43
復活祭自由詩110/3/3 11:16
Pretender自由詩110/3/3 0:12
Called "Love?"自由詩010/3/2 11:01
Catch The World自由詩010/3/1 17:28
Alternative自由詩310/3/1 6:52
黄昏自由詩110/2/27 20:32
Low自由詩110/2/27 9:42
ぼくについて自由詩010/2/26 8:39
ツンドラ自由詩010/2/25 10:00
満ち足りた心自由詩310/2/24 10:37
Joint Two Smokes自由詩210/2/23 20:56
In The Rye自由詩110/2/23 8:04
Good Mourning自由詩110/2/22 9:27
うしろ手自由詩210/2/21 20:15

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