午前10時30分
一日に一便きりのフェリーが入港する
家々から 軽トラで トラクターで 人々が集まる
友人を見送る人々
来客を迎える人々
俄かに活気点いた港
ぼくは 人々をフォークリフ ....
彼の部屋にあるティシューは やわらかい
アレルギー性鼻炎
花粉症
年中 くしゅん くしゅんしては
豪快に鼻を噛む 彼

大王製紙エリエールのローションティシュー
他の類似商品では駄目だ
 ....
窓の木枠に青色のペンキ
オンボロの家は銀河鉄道になって
向かいの家は星になった

色あせた畳に青色のペンキ
ぼくの部屋は海に変わって
波の上を歩いていた

打ち捨てられた大八車
忘れ ....
ヤッサン あんたも旅人やろう

あー なんかちゃうな

旅人ちゃうんか

俺の場合は 放浪やねん

旅人と放浪って なにがちゃうねん

旅人は目的が終わったら 帰るやろ
俺らは  ....
ぼくの帰るところは
暖かい布団ではない
母親の下でもない

ぼくの帰るところは
喧騒に車が行きかい
スモッグが舞う
アスファルトの上

躯に染み付いたワッパ稼業
絶えず体を揺さぶる ....
いつもの部屋
いつものベッド
眼鏡がない
昨日 海に落としたからだ

山を掛けるエンジン音
コオコオと風の音
メーターで60キロ足らずを確認する
微かな灯り
その表情はわからない
 ....
ラジオ体操の帰り
虹が見えた

堤防に登ったら
岬の向こうに 虹があった

診療所の前で振り返ると
堤防のこちらがわに 虹はある

おや
虹がついて来る

発電所の上で見ると
大すけ兄ちゃんちの横の畑 ....
きみがくれた コーヒーカップ
なにげなく書かれたコトバ
「虹のむこうには うれしさがいっぱい」

なにかちがう
そうおもったぼくは へそ曲がりかな

このコトバを書いたひとは きっとかなしい
だって  ....
ある晩、友人を呼んで、呑ン方をした。
小鉢をいくらかと、おでんも拵えて良い気分で酔っ払う。
私は、飲むのは好きだが酒には弱い。
その晩も、夜半が見えれば愈々眠たくなってきて、座椅子で眠っていたこ ....
君を失って 宙ぶらりんになったぼくの想い
誰か受け止めて呉れまいか

寝坊介の君は嫌いだ

外はもう明るんで
右腕には パジャマの君
腕はとっくに痺れてしまい
君に気付かれ ....
カップラーメンをご存知ですか

そう あのカップラーメンです

私ならね コンビニに入れば
「いらっしゃい」と微笑む店員に会釈で応え
まず 再沸騰ボタンをピッとやる
そして 店内を順繰り ....
ぼくは 忘れることが出来ない
腰に染み付いた ヂーゼルエンジンの鼓動
ラジアルタイヤの ノイズ
ぼくは 忘れることはないだろう

無闇とワッパを握っては
只管テールランプを追い
朝日 ....
『神戸』

何も伝えていなかった。
だって、彼女は喜ばないかも知れないし、ここの所は電話を掛けてもメールを送っても応答がない。

走りなれた国道2号線。
昨夜の雨が洗った空気。
春色の空 ....
お日様が番屋ヶ峰の後ろに帰ると
空まで水がいっぱいになった

蒼い浜辺
小さな花が 黄色く光っている

舫を放たれた漁船が
上に 下に
あるものは沖に
あるものは山に 泳いでいく ....
何を釣っているんですかって
そんなこと聞かれたって 困るんですよ
あたしゃ 何も釣ってはいないのだから

いや 
釣れないからって
卑屈になっている訳じゃないんですよ
悪く想わんといてく ....
風がブルーのカーテンを剥いだのか
レース越しの日差しに焼け出され 目を覚ます
昨日のセックスの余韻か
或いは 太陽の所為かわからないが
じっとりと汗をかいている

隣りで君は 裸のまま眠っ ....
電線の向こうの 屋根の向こうに
夕陽が沈む
新聞配達のエンジン音が
近づいて また遠ざかる

五日が過ぎた

君への想い
郵便の小父さんに託した僕は
卑怯だったのかも知 ....
兄貴への手紙

兄貴。
ご無沙汰しました。
そっちの皆なは、達者にしているでしょうか。
組に迷惑をかけた末、浜を去って、人を心配する筋合いでもねぇのかも知れませんが、家族と思って過ごした皆な ....
南風が吹く夜は 木戸が震える
通りの向こうの 防波堤の向こうから
波音が聞こえる

一人では広すぎる部屋
蛍光灯は 行き渡らない
障子の穴から 壁の隙間から
夜が覗いている

黙った ....
君に電話をかけるのは簡単だ
『8』、『コール』の順にプッシュする
それだけ

いつか 君が好きだと言った8
君と知り合い
業務主任は8から1に出世した

あの頃の二人が
毎日 何を話 ....
あなたは 私の舟に乗り合わせた

黒髪を潮風に任せ
ペンタックスのディジタル一眼レフを 波間に向ける

あなたは 私を羨ましいと云う

潮風に身を任せ
北の海も 南の海も 旅ができ ....
アマメ庵(51)
タイトル カテゴリ Point 日付
口永良部島本村港散文(批評 ...5*10/8/11 12:33
ティシュー自由詩210/8/8 22:09
青色のペンキ自由詩110/7/28 18:19
旅人と放浪自由詩010/7/27 14:49
ワッパ稼業自由詩110/7/27 14:43
ぼくは何も見えない自由詩010/7/27 14:36
虹の付け根携帯写真+ ...110/7/21 7:25
コーヒーカップ携帯写真+ ...210/6/2 7:27
散文(批評 ...3+*10/5/13 7:08
ベッド自由詩210/4/19 7:26
カップラーメン自由詩310/4/13 12:37
元トラックドライバーの苦悩自由詩010/4/13 0:03
『神戸』エッセイ6500字散文(批評 ...310/4/5 6:32
バク自由詩010/3/15 6:51
堤防にて自由詩010/2/25 8:18
休日の情景自由詩110/2/24 19:13
ラブレター自由詩210/2/21 19:22
兄貴への手紙散文(批評 ...110/2/18 19:43
無題自由詩110/2/11 20:11
短縮8自由詩310/2/7 12:34
ある舟員の話自由詩810/2/5 6:32

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