月よ
落ちてしまえ
星よ
砕けてしまえ
雨よ
激しく降り続け
空ほどの広がりも持てぬ俺は
こんなにも小さい
幾ら言葉にすがろうとも、まま ....
カゴの中の鳥が
可哀想だとは限らない
そこで満足するものも居るのだから
そこから見える空がどこまでも続く
そんな事実を知らずとも
力いっぱい羽ばたき飛ばずとも ....
一筋の細い光が降り出した
ゆっくりと途中途中
途切れつつ降りて行く
又、別の光が降り出した
一筋、二筋
光は紐のようにも思え
垂れ下がっているようにも見 ....
ここが私の居る場所
天国ではないが天国を思い描かせる景色がある
地獄でもないが地獄を覚らせる場所がある
汚辱と言えば皆、汚辱
歓喜と言えば全て歓喜
何も言わず ....
強い光の中では
目が眩んで見えなくなる
暗闇の中じゃ
己ずと知れたこと
そんな程度の視野から見るものを
どうして信ずる事が出来る
全てを見る事の出来ぬ目 ....
夢を超えろ
幻想を超えろ
遠き雷の震えより
山を裂き
川を砕く
古(いにしえ)の言葉あり
お前を打つ
俺を刺す
世界を奪え
大地 ....
我独り
古城の主
両刃の剣に
映える月の光
石段の途中より振り返り
細め見る闇の森
我が世界の清らかさよ
訪うものは
夜の温もりに適う音 ....
たかだか2m足らずの器の中から覗いているもんだから
何時まで経っても小せェまんまだ
手前ェの心に託したものを仕上げれば
空間も
時間も
飛び越えることが出来る ....
叫べ
ありったけの声をあげて
叫べ
腹の中を叩き出せ
これが生命だ
この生命を虚空へと放つ
闇よ目覚めよ
叫べ
もっと叫べ
暗 ....
五月五日、銭湯は菖蒲湯になる
端午の節句ではあっても
ガキより年寄りの方がずっと多い
それでも今日に限っては
子供のような顔つきに見えるから気持ちの問題か
彼ら ....
土を踏み
緑匂い立つ
樹々の中を歩く
見上げれば枝の幾つも重なる隙間から
晴れ渡る空がある
歩けども歩けども
果ての無い場所であれば、どれ程楽しいだろう ....
高台には屋敷が立ち並び
たっぷりとした敷地の中に
余裕ある構えの家
庭も広く松、竹、欅と
幾つもの樹木を植え
その敷地を俗世と断ち切るべく
高い壁がとり ....
下見れば地べたがある
見上げれば大空が広がる
後はオマエ自身だ
生まれ死ぬまで
そこにオマエがいる
夏が散る
一つの夢が消えたように
色褪せたプラスティックが
いとも簡単に砕けるように
夕暮から
降り出した雨滴の一つ一つが
時の定めにより
夏 ....
飛べ
高く 高く
遠く 遠く
何処までも
何時までも
未来へ
その先へ
飛び行け
静かに座っていると
窓から心地よい風が入り
部屋の隅々を通り抜けて行く
日は部屋に満ちたと思えば
陰に染めたり
その変化は絶えず移り行く
耳に届くは
....
小さな下らぬものが
寄り集まってデカくなったとしても
それがどれ程の力となるのか
下らぬものは所詮下らぬ
力と言ってもついぞ散漫になるばかりである
最初からデカ ....
スキムミルクは
生命を蝕(むしば)む夢
月の満ち欠け
平伏(ひれふ)するオマエ
魚じゃねェか
飛び跳ねたのは
2000ccの洞穴
また消えた
....
「夏が逝ってしまう…」
ジム・モリスンは歌い
そして彼も逝ってしまった
私は逝けないと同時に
何処にも行けない
思いは飛び立つが
私は此処にとどまる
....
ビルの間に光る雷(いかずち)を
線路脇のすえた場所から
小便と浮浪の徒の
臭いに包まれ眺める
汗まみれのTシャツに
作業ズボンの私
人の浮き沈み
....
夏の太陽と
共に歩めたあの日々は
何処へ行ってしまったのだろう
秋が深まりゆくにつれ
逝ける夏を惜しむぐらいにしか
今は出来なくなった
私は
太 ....
生も、死も、それほど大した意味はない
【存在】すること
過去も未来もなく、ひたすら“今”に在ること
その“中”に居ること
その真実、その尊厳を然と見よ
ともすれ ....
開けるんだ
閉じてはいけない
次も開けるんだ
その次も開けるんだ
閉じてしまっては
我々は何かの為を捜さなくては生きていけない
さぁ、その閉じられようと ....
朝日の中
過去も未来も無く
大気は喜びに満ち
夕焼けに澱(よど)みない
生命のあり方を知る
清らかなる手をして
心に触れようと
誰もが望むが
....
夢の泣き跡
草乱るる
花は散り退き
声枯れる
閑かさは汚辱の中ではらみ
愚かさに白痴の笑いを誘う
飛んだのは確か昨日
その場所で何度も貪り喰った ....
火の衣をまとった
お前が現れ
何もかも焼き尽くす
手に取った仏像さえも
灰に変え
何喰わぬ顔で
「聖なるものなど何処にある」と
叫び続ける
寂しくとも
悲しくとも
背筋を伸ばし
顎(あご)を引き
奥歯を噛み締めて
ゆっくりと歩め
国境には
別に線など引かれてはいない
インドとネパールには
ただ歓迎のゲートがあった
トルコとギリシャには
白くほこり立つ
コンクリートの橋があった
....
戸惑いや不安が無くなるに従い
この体もそれ程必要とはしなくなる
歩み行くにつれ
私は森となる
風の声
川の声
鳥の声
途絶える事なく
一 ....
風と風の合間に生き
雲と雲の隙間に
自由への憧れを見出す
我は旅人
行き着く場所など何処にも無い
それでも
旅そのものを求め
手をひろげ
....
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