非連続の存在であるということは単なる思い込みであった
咳き込むように喉を鳴らす音が妙に良く響いていた
近い音と遠くから鳴っている音の区別がつかない
たばこの充満した室内で怒りを露わにする老女の瞳 ....
あの覚めた感覚は味わいたく無い、心が高振らず醜い自画像でも見ているような気分を数時間過ごすのは全く詰まらない それより昼過ぎた後、空気が沈み出し未完成の音楽流れる まだ正気に戻っていない頭に少し風が入 ....
女は3ヶ月の子供がいるわ、と話し始めた
薄暗い室内灯が小さな女の顔を照らしていたせいか幼く思われた
主人とは別居しているの、と私が返事をする間も無く続けた
どこか一点を見つめながら暗誦するように ....
彼は目を瞑り眠ってばかり
メディスンは身体の中で溶け出している
写真は表情を映し出すことはない
言葉は膜に覆われて卵のように落ちる
呼吸は幾分長く、しかし音は聞こえないようだ
ラジオから音楽 ....
ある犬がアルペジオを踏んで海の記憶のなかで眠る
鉄面皮から温かい血が飛び上がり赤く染まった両手を見る
小さな白痴のように路地裏で踊る
手から砂がこぼれ落ちる時を見ている
祈りと ....
浮かび上がる
限り無い 私という誰か
そいつは とどまることができない
永遠の繰り返し 間断なき 不確かさ
導かれたのは 絶望ではない いつもの腐った風景
もし あなたの ....
身を動きもせず 見続けている 浮かぶ月
歩くのを辞めれば
聞こえてくるだろう
彼女の歌声が
痛みや苦しみ そんなものは
はじめから 知らなかった
はじめから ....
水面に浮かんだ 反響する光
閉ざされた 闇の中 語る人は消えた
横たわっているのは 君の姿
引き金に 指を添えて
さまよう言葉 指揮者の合図
凍りついた 泡沫 ....
あなたの夜に入り込んで 眠り続ける
腐敗した 薔薇の花を 投げ入れた 失われた影に
安らかな苦痛と 砂漠への愛を
目の前が 次第に 赤く染まっていく
何度となく 惑ろんで ....
あなたの夜に入り込んで眠り続けている
腐敗した花を投げ入れた
失われた影に
安らかな苦痛と 砂漠への愛を
目の前が 次第に赤く染まっていく
けしの花が僕を引き寄せる ....
われらの上を通り過ぎるのではないだろうか
人々は音楽のように 無感覚に眠りこけている
そうして 人々は踊り狂っている
白い肌に 包まれて
その様子に 私は横になって
....
衰弱した 花に 無数の歌声が
生かされた 僕は 君に 何度でも
導かれた 息をのむ 一瞬に
君は海 ぼくは ただ溺れている
喜びに 射抜かれて
解放への 糸口 ....
僕はここにいない
彼はここにいない
何者も語らず、何者でもない
深い不安に満ちた 絶えざる消失に
切り刻まれた空
溶け出した瞬間に
関わりを遠ざけて
....
確かな肌は 赤い壁から生まれ
離れられない 触ることはできない
特別な言葉は簡単に見ることができる
話すことができない人にとって
真珠貝で穴を空けて
待つことなど
あなたは ....
君は浮上するために
身体に無数を纏ったんだ
離した右手は植物に委ねて
音楽は再生機から
言葉は私
私以外の音楽から
穴から そこらかしこから
あなたは雲が解体していく様子を
繰り返される波の間で見ている
男の衰弱した手先のような雲の運動を
あなたは ....
私から言葉は生まれない
私は言葉を話す人を見ている
彼らから言葉は生まれていない
言葉は多分溢れているが、一人あるいはクジラが
膝を折り、飲み込んだ 一声に いっせいのせでね
....
唇はめくれて少し開かれている
樹液のように滲みでてくる声
膨らんだ身体 去勢された歌い手が
硝子玉のような瞳で 君を連れていく
震える 震えた心臓に銃器をあてがい
解放されたはずの わたしは ....
私はもう一度自省する
この不安に辿り着いたなら、そこから逸脱するのではなく
きっと留まる やっと訪れた静寂 わたし以外のあらゆるものが
思考し、私を通して思考してる
ほら あな ....
語られた台詞は
ため息の泡立つ場所のものだった
笛が口から溢れて
音楽はきっと鳴らされた
大いなる歌は帰らない
記録された言葉が
私の足元を祝福が照らして
私を導いた 私が集まった
....
読むのは億劫だ。なにか話してよ
時は満ちた、海のように
嘘と幻 限りある幻 遠ざかる人 どこからも出て行ける 時間が あった
好き勝手に歌いだした。コントロールされたプログラムの理想を超え ....
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