この世界ではないところに
ときどきあらわれては消え
ばかな冗談を言ったりしている
でも本当は一ばんさみしいのだ
はなし相手もいない
ながいながい昼が
いつものようにコーヒーをのむと
もう ....
かつてあったというその映画館は
なんとなく美的イメージをもっていて
しばらくの沈黙を
みんなに与えた
よぶ声のない
うちゅうみたいに
ただただぼくは
えがかれることのない非在を散歩した
◎
ある日
目がさめると、ぼくがぼくの部屋の窓辺から
こっちを見ていた。
やあ―窓辺のぼくがそういうと
ぼくはぼく自身に血が注がれるのを感じた
ぼくはぼくと朝食を食べた
皿の上にブ ....
実家の犬はなぜかパンジーの花をたべる
母ががんばって作った庭の中から
なぜかパンジーをみつけてきては
いつも食べている
そのことを青木ちゃんに話したら
青木ちゃんは笑っていたが
彼女に ....
手を洗って でかけよう
東小金井にある森さんの家に
靴をぬいで家にあがったら
マリファナ茶をのんで
空色のハンカチを洗たくする
でもその日は結局
ぼくは一人で部屋にいた
....
"森"のはなしをしよう
実家の裏側にある
"森"のはなし
"森"はプラスチックと金属でできていた
"森" ....
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