帰属という幻想 という言葉がどこからか耳にすべり込み
どこへ帰ればよいのか見分けがつかない



そうじゃねえ、そうじゃねえよ 昔聞いた叔父の呟き
彼岸へ逝きついたこの言葉が肋骨の一番 ....
猫がおおきなあくびをする
顎がはずれそうにあかい口を開いて閉じる
猫のかわりににゃあと鳴く
誰もいない
誰もいない部屋
猫の王子はニシンが食べたい
まるまる太って卵を抱いた
母さんニシン

卵のコクと
つぶつぶの食感が
たまらんのだにゃー

グルメな王子の
育ち盛りの貪欲さ
残酷ですか?

スー ....
何者かの足音が君の耳に届いている
君は空耳だと思う

不安な風が頬に触れる
君は錯覚だと思う


ある日子どもが水に落ち
誰も気づかない
最後の吐息が泡となり
水面でかすかな破裂音 ....
午前三時
世界は暗い
冷え切った部屋の中で
彼らは

午前四時
未だ闇が地上を覆う
毛布にくるまった
彼らは

月は赤く
少しずつ
地上から遠のいていく
眠れない子供らがそれ ....
Million mirrors(5)
タイトル カテゴリ Point 日付
For a season自由詩1*10/7/8 21:54
午 欠伸自由詩0*10/6/22 17:02
願いよ叶え自由詩1*10/5/27 14:07
何者かの足音が自由詩2*10/5/25 12:11
Embryo自由詩1*10/5/24 16:57

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