今朝
ドアを開けたら
外は鳩の海
寝ぼけまなこだったので
いちどドアを閉めて
もういちど開けたら
はいもとどおり
ほらねやっぱり
そんなこと ....
ごめんね
そんなふうに
わらってあげられない
せめてどこかに
やさしいことばが落ちていたら いいけれど
鏡のリイザ
すきまの国で
暴れん坊の大嵐
携えているものは
櫛とゴーカート
ほかにはすこしの
誠意とパンくず
鏡のリイザ
浮き目の闇で
....
ちりめんじゃことピーマンの炒めものなんか
べつに好きじゃなかった
ただ
次が欲しかったから
幸せの形に
なんとなく
近づけるような気がしてた ....
世界をはじめて見つめた日に
小さい私は 天井を見ていた
空は青く
日差しは美しく
途方もなく 広い
窓の外
けれども私は
膝を抱えて
壁を睨んで ....
積雪33センチ
暗くて 深くて 果てしなかった
日々の分量
自分の重さ
怖くて 遠くて まぶしかった
三千年の日々に
のさばらせた腕を
そこらじゅうに伸ばして
あれもこれもと おかわりをした
過ちは井戸のなかで
面立ちは人の顔で
言葉だけを 亡くして
....
最期の窓に
しがみついたのは明け方でした
白々ともせず
空は夜に 漂っていました
こぼれていった 麦茶が目に痛く
はじまりの合図を聞いたのでした
冷たい枠を蹴って
....
しんしんと
凍っていく 魚の目を見ていた
切り取られた時間に
付け焼き刃の答えをあてがって
彼等は満足したろうか
語るもののなく
そこに在るだけで
嘘にも宝石 ....
雨の日、
すべりだいで、
世界のはんぶんを洗い流した
もうはんぶんを
ランドセルに入れたままで
けんけんぱをしながら
あの日の顛末を見ていた
ほとばしる水しぶき
暮れかかる ガーゴイル
けんけんぱをしながら
あたしはどこまでも無敵だった
孤独なガゼルみたいに
....
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