それは指きりに似ていて
元旦に引くおみくじのように
瞬間的な高揚感に近い
謎というほど難しくはなく
誰でも同じように持っているのに
ひとつとして同じものはない

君と僕に ....
私は今日も人を羨んでいます。
そして同じように
人に苛立ちを感じています。
それは昨日も同じでした。
だからきっと明日も同じになるのでしょう。

そ ....
言葉が足りな過ぎても、多過ぎても、
どちらにしても傷つけてしまう
伝わっているのか気になって
伝わり過ぎてしまっていないかも気になって

調度良い と感じるまでの ....
相変わらず定まった向きで沈む
僕を含めた人々の群れが
溺れもせずに器用に進む
東京では何処も見慣れた世界

誰かの痕跡が消えていること ....
誰かを振り向かせる力が
備わっていない
不用意に聞こえて来る
子供の泣き声や
小鳥のさえずりにも
存在は名ばかりで意地悪なほど

手が届かないからこそ ....
あじさいの群れる香りが
疎ましい
あなたの腕に顔を埋めてみても
昨日までの今日は
曲がった心の先で
口の端を上げて笑ってる

謝るだけで叶うのならば
艶のあ ....
どうしてと聞かれることが苦手で
常に受け入れてきた。

他人を先頭に持ってきてしまう癖が
いつの間にか本能となって
軟体動物のように私の隣で呼吸し ....
ベクトル、それは常に上昇志向
謂れもない理想像
彼らは僕の嫌悪を気付くはずもない
何故なら僕はこれほどまでに微笑んでいるのだ

この世の不条理ってものは
綺麗な心であればあるほど
 ....
必死に考えても、
結論なんてものはある程度決まっている
それは無力であり、重力でもある

こんにちは
そうやって
どうやっても人は生きていく

誰だって上手く笑ったり泣いたり出 ....
今日も薄い空だねぇ
胡坐をかいて
完熟トマトと解禁発泡酒
流行の塩麹よりやっぱりウェスティンホテルの
オニオンドレッシング

目を閉じる
遠くで聞こえる
ボールがバ ....
薄汚い五日市街道沿いの喫茶店
張り付きの所在を確かめるように
室外と室内の温度差をなぞる

生き甲斐を忘れてしまうと
途端に人は年齢差を失うもので
将棋について熱く語り合う ....
産婦人科の待合室で
好奇の目で私を見たあの夫婦
神様
憎しみなんてものは一瞬で生まれる

泣きはらした私を
男に振られでもしたかと
皆は思っただろう

高円寺南口の隅で
ク ....
自分の好きなものを求めてみようという行為は
決してあなたの全てと繋がらない
おそらくそれは不一致というもので
私はただ茫然としてしまうかもしれない
恐れを知らな ....
高円寺の古着屋にある個性という押し売りを
彼女は愉快そうに手に取って
その幾何額模様の可能性を私の太ももに押し当てる

ありとあらゆる自信をくれる
それが次の日に意味を成 ....
“昨日は確かにあった僕の可能性が
今日にはなくなってしまっているのは何故か“
そんな疑問に辿りついた時、僕は30を超えていた
おそらく優に超えている楽観は
今や脅威の何ものでもないこと ....
今、私の目の前に存在するネジを巻いたら
昨日西永福の駅で私に舌打ちをした中年と
再び会えるのだろうか。

もしそれが叶うのであれば
私は迷うことなくネジを巻いて
その中 ....
誰かの思いは料理に似てる と
鼻の大きな料理研究家は
さも世界なんてもんは
片手鍋ほどの大きさだと
言わんばかりに胸を前に出した

調理される側の僕ら人間は
どうやって殺されるんだろ ....
人差し指だけそっと僕にくれる約束
どちらにも向かない視線
彼方から明後日を探す方法
夢のない本当、夢がある嘘
一度だけ電話をする六日後
誰にも言えないことを誰にも言わずにする ....
洒落にならない暇を
モラトリアムなんて仮定で
窮屈という態度は
煙草で憂さを晴らすように
それらしい野蛮なリズムで
「何にもなれない」とだらけた男を
片手で空を仰ぐように
い ....
地面が腫れるから
迷子になって
肝心な時に尻込みするから
奇妙な洋服を着ていても
目立てない

いつもの と片手を挙げる
少しだけ非日常の感覚も
見慣れた頃には ....
恋人の片隅で私は
命を紡いでいたのだろうか
知らぬ間に
さみしいとはまた違う所に
引っ越してきてしまった

「マイルドセブン、1カート下さい」
ツタヤへ行って旧作を1週間 ....
浜辺に残った砂山のように
簡単に作られ忘れ去られる。
崩されもせずに置いていかれるから
さよならのない別れは
一度の悲しみでは済まされない。
食べているのに
どうして可愛いなんて言えるの

捨てているのに
どうして美味しいなんて言えるの

広大な現実と非現実に
うちのめされて

笑って
泣いて
忙しいね

僕は ....
月曜に目が覚めて
一日の終わりは週末に来る
燃えないゴミを捨てて
三日前に拾ったのは
熊なのか犬なのか
分からないキーホルダー
キラキラ揺らしながら
電話越しのあなたは
急ぎ足の青 ....
知らない場所で
知らない涙があった

そんなことは 見えないだけで
誰もが悲しまない日
なんて
ありえないはずなのに

知らない場所で
知らない涙があった

知らない人が泣く ....
帳尻の合わない偶然に
喜べないのは当然
時効を信じながら
罪を犯すような
不確かな世界神話

目を細めようにも
ほっと出来ない垣根に
邪魔された隣人との
奇妙な空間は
 ....
サボテンの棘に刺さって
蝶が死んでいる
蜜もないあなたに
求められるだけで満足している
わたしのように 滑稽
あの花のように
ただ雨に打たれる事が
あの花のように
静かに忍び耐える事が
許し難いことのように
そこに一筋の
情けなさを思うから

今もなお
欠点を無我に隠す
思いの果てない ....
たいして可愛くもない子が
短いスカートを履いて
とても楽しそうに
グッチをぶら下げて歩く
そちらのお嬢さんは
何色のガムを食べているの

夢がある場所は池袋
杉並で子供を産んで
 ....
蹴り上げて時間が回っても
世界が始まるリズムしか
いつも聞こえやしないから
戦争が始まる前日は
どんな色をしていたかなんて
誰も気にも留めずに

今思うことを明日も思った ....
中山 マキ(90)
タイトル カテゴリ Point 日付
言葉に足し算するおまじない自由詩212/8/3 16:58
ある程度必死に生きているので自由詩112/7/26 17:41
あなたを補える場所自由詩112/7/2 14:51
滑走自由詩412/6/27 16:29
拝啓 どなた様自由詩112/6/20 17:39
後悔が滲んで失われるまでに自由詩212/6/18 12:06
雨音自由詩312/6/15 12:59
不条理な愛は、時として愉快自由詩012/6/2 18:04
ひとしきり泣く自由詩112/3/17 20:48
おんこちしん自由詩112/3/9 18:07
きっと私は一生報われない場所で生きて行く自由詩312/3/5 10:33
涙が出ないという、ただそれだけのこと自由詩3*12/3/2 17:14
てまりうた自由詩1*12/2/24 14:18
高円寺ラプソディ自由詩5*12/2/23 14:04
僕らの昨日の可能性自由詩1+*12/2/22 13:49
それは繰り返すことの美しさに似ていた自由詩7*12/2/21 11:35
生と死の、あるいは性と肢自由詩011/11/22 18:44
いつもよりずっと一人ぼっち自由詩211/5/28 16:44
染色体自由詩111/5/15 21:19
ちょうどいいものを知っている自由詩211/4/10 14:39
自由詩211/3/27 18:46
砂山のひと自由詩111/3/26 1:17
ジレンマ自由詩111/3/24 23:04
枝折 (しおり)自由詩111/3/22 23:15
知らない人が泣いている自由詩211/3/21 15:00
奥にある緑自由詩011/3/5 18:28
バタフライ キス自由詩311/2/27 20:00
自由詩311/2/26 19:24
空中庭園自由詩311/2/16 1:20
その晴れない空に自由詩211/2/11 7:51

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