真新しい衣をまとい
力強く咲き誇れば
華やか、と喜ばれる

あの日の私は
傲慢だ、と
責められたのに

一週間で飽きた衣を
はらはらと脱ぎ捨てれば
はかない、と褒められる

今 ....
金曜日の帰り道
電車の中吊りに目をやって
いつものように呟いた
やっぱり僕らしく
暮らしていたいよ正直に

文句ばかりの足跡を
右の中指で弾いて
恐る恐る口にする

ハ ....
20時ちょうどの羽田発
頭上のモニターに映る
地上を無秩序に走る光の帯
良くも悪くも
ヒトノイトナミ。
なによりも、
僕を探すキミが
寒くありませんように

機内の灯りが落ちた ....
ディーバの死を
CNNのアナウンサーが
大げさに繰り返す
なんでクスリの所為って
言わないの。

ほら
リフレインしてるのは
馬鹿みたいに流行った歌の
高音のサビ、それから
あ ....
夜空の雲の切れ間に
黄色い月が光る
何も期待せずに
視界に留めておこう

秋の四畳半
ささくれた畳が
ちょっと冷たいね

厚い雲が滑って来て
月の顔を覆うから
 ....
六月に運ばれてきたその娘を
誰からともなく
Juneジュネ、と呼んでいた
体育の授業中に倒れたそうで
ブルーのジャージの上から
医者の武骨な手が
ポンプのように胸を押す
イチ、ニィ、サン ....
おや
朝の電車に 赤いランドセルふたり
姉妹かな,
ホームに残った母親に 手を振っている

柔らかな両手が動く
声にならない 唇の動きと一緒に
よどんだ空気を切りながら
僕 ....
あなたのお墓が山の上だから
息がきれてしまう
ちょっとご無沙汰していました

ほら、こんな所に
空中に割れる彼岸花
男でも女でもなく
オモイデを守っている

見下ろせば海の中 ....
カスミさん
会うたびに「はじめまして」と言いますね
記憶を保てないあなたは
世俗の煩わしさに悩むこともないのでしょう
私とは違う 栗色の瞳は
何を追っているのでしょうか

カ ....
いつものエスカレーター
朝の陽の中、目の前で
細い髪が揺れる
思わず手を伸ばして
触れてしまいそうになる

記憶が輪廻する
九月最初の日
通勤客の人の波
蓮の花のように ....
終わったのだ、
叫べば 誰かが振り返る時代は。
日常の退屈の端境期で
それに気づいた不幸

俺は愚民だ
お題目のように 繰り返す
俺は愚民だ
他人様の 気を引きたくて
 ....
悲しいことがあったなら 
みんなで分けてしまおう 
誰かが潰れてしまうと 
また悲しくなるから 

今日のあなたの役割は 
喉が涸れるまで
泣き尽くすこと 
それだけで十分 

そ ....
八月の空ku-
夏の終わりの空ku-
あなたの眼の中に
嘘は見えない

八月の空ku-
夏の終わりの空ku-
夜の雨に濡れた
蜘蛛の巣がほら、
朝の陽を受けて
銀色に ....
石ばかりの街に
ひとしきりの、 雨
刈り上げた項を
さぁと風に撫でられて
今を知る

そんな雨のような
人と紡いだ記憶に
支えられながら
僕は在る

小さな苦し ....
今年も祭りの踊りの中に
夏の終わりが見えてきました
実はね、
隣りにいる人じゃなく
隣りにいた人に
僕はキモチを揺らしています

だから、いいじゃない
今の自分を嘆かなくても  ....
ギュッとどこかに押し込んだ
ぬるい昔の恋を
こっそり取り出したみたら
まだ賞味期限前
少し苦いけれど
少し酸っぱいけれど
それでも
あの頃の二人が好き

暑さに揺れる街の上 ....
駅のホーム
立つ場所を昨日と変えて
七月の日差しを避けてみた
イキカタヲ、カエテミマショウカ
そう思った日
身体の中でボタンが押された

大きな力に
選ばれるのを待っている ....
空ku-に描け、と云われ
空ku-を見つめてきた
結局何も描けず
人の群に
逃げ込んできただけだ、 俺はね。

急に来たよ
凄い夕立だ
埃っぽい私鉄電車の駅前なのに
思 ....
夜の鏡が
教えてくれる
私の「在り方」なんて
誰も教えてはくれないのです

エネルギーをください
エネルギーをください
エネルギーをください
無表情に求めています

鏡の前で ....
ヒトには
ふたつの種が存在する事を知った
無茶が出来るヒト
無茶が出来ないヒト

俺は
自分が無茶が出来ないヒトたることを
毎朝のように嘆き
この歳になって
後悔する ....
苦しい時に
会う
苦しさは
楽にはならない
でも、会う

会わなければと
勝手に 思う

たわいのない話をし
別れた後に
あいつにも
ひょっとして
苦しい午後 ....
いつものように
祝辞が始まる
この宴に集う者たちが
退屈を共有する合図となる

今日の見せ物たる事を
志願した新郎新婦は
体の向きすら
自分達では決められない
結婚すれば  ....
朝8時
上りホームの
通勤客の群れの中に
白いポロシャツの男を見た

ねえ
あの年廻りには
毎晩の馬鹿騒ぎ
また
戻りたいとは
思わないけれど

朝8時
下りホームに
電車 ....
雨がね
連れてくるのは
少し暗いブラウンの街
濡れた街。

若さの絶頂を過ぎた女は
傘をさすのにも
疲れてて
灰色のブラウスの
濡れた肩、濡れた胸。

髪の薄くな ....
背中が痛いのは
ベッドがぼろだからね
じっとしてても
いつもどこかが痛いのに。

水のような顔をして
向き合いながらも
本当のキモチは
言葉にしないで
夜の黒い粉の間に
 ....
安っぽいラジオから
哀しげなファドが流れて
甘ったるい洋酒が手元にあれば
アイムサティスファイド

おじさんだから、
このファドに抱かれて
この時に留まる。

もしかしたら  ....
自分は 待つ男。
攻める事は無く
ただ待つのだ
この風景の一部に同化して
時がうつるのを
ただ待つのだ

自分は 武器を持たない。
攻められた時には
ただ待つのだ
 ....
外国に行けない僕は
英字新聞を持って
どこの駅前にでもある店で
値段の安いブレンドを啜っている

外国に行けない僕は
百貨店の一階をわざとゆっくり歩いて
強い香水の匂いを
 ....
オシエテクダサイ

親が金持ちじゃないと
シアワセになれませんか

背が高くないと
シアワセになれませんか

体力がないと
シアワセになれませんか

結婚して子供をつくらないと
 ....
僕らはよわっちくて
久しぶりの
悲しみ攻撃に
ぼろぼろになっちまった

だけど
からっぽになった所に
いつのまにかじわじわと
ゆるいキモチが
染み出てきていて
たぶんそれが
僕ら ....
御笠川マコト(61)
タイトル カテゴリ Point 日付
チェリー自由詩312/4/8 22:52
呪文自由詩312/4/5 23:08
夜間飛行自由詩212/3/24 23:50
ソウル・ナイト自由詩512/2/13 23:19
月と四畳半自由詩311/11/12 22:47
ジュネのため息自由詩311/11/4 23:38
沈黙するお喋り自由詩911/10/6 23:30
彼岸花自由詩211/9/24 22:17
カスミの空自由詩411/9/14 22:57
視線自由詩211/9/11 17:13
Crying Man!自由詩111/8/30 23:26
あなたの役割自由詩111/8/23 22:20
去りゆく空ku-に自由詩111/8/18 22:33
八月の雨自由詩211/8/15 14:52
キラキラ自由詩011/8/10 23:16
夏の意識自由詩111/7/29 23:21
イキカタヲ、カエテミマショウカ自由詩111/7/18 22:24
七月の空ku-自由詩211/7/13 23:29
七月の鏡自由詩111/7/8 23:17
無茶が出来ないヒトが叫ぶ自由詩111/7/6 23:33
トモダチの薬効自由詩311/7/3 19:30
宴に座る、シニカルに自由詩111/6/30 23:29
ただ、胸がきゅっとしただけ自由詩011/6/23 23:06
濡れた肩、濡れた胸自由詩211/6/17 23:00
肩甲骨の夜自由詩011/6/16 22:59
このファドに抱かれて自由詩511/6/9 23:10
待つ男自由詩011/6/3 23:15
外国に行けない僕自由詩211/5/27 22:50
オシエテクダサイ自由詩011/5/20 23:24
僕らはよわっちくて自由詩211/5/12 23:30

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 
0.33sec.