飛沫が冷たく飛び回る、橙から深い青に変わっていくグラデーションの下で。
静かに流れ続ける。僕と彼女の存在する痕跡が、透明な潮鳴りによって覆われていく。


海へ行こう、と言ったのは ....
ありったけの花を降らせて
撒き散らす、ふわふわとお菓子、きらきらしている!世界!
スカートスカート、それは紺色、
混じりけの無い白の脚が告げる残酷、
薄桃色の悪魔

つまらないものには ....
小さな電子機器から流れ来る森
かちり、何度でも再生する、
それは永遠を手に入れた場所
奥へと、駆けていって

・・・緑のグラデーションが倒れる

数字の中で生まれた鳥と水の声
 ....
午後にいきなり降りだした冷たい雨の中に
溶けて混じって落ちてくる、真理
言葉を操作することに飽いた人々は
不可視の世界に絶対の存在を求めようとする

ここで啓示、

空白を生きる ....
――――沈黙する夢。


限りなさを湛えた少女、その細く白い腕に鴉の黒い爪が食い込む。
笑顔の下にある宇宙、あるいは転落死。
完了の合図が鳴らないので、ここはいつまでも連 ....
しぐさやことばの切れ端を
拾いあつめてはにぎりしめた
あおく、すきとおる幸福が
ちいさく開いた距離を彩る
隙間さえ埋めようとするかのように

きっと知らなくても生きていけた
 ....
どろりと濁った沈黙は
息苦しい熱を孕んでいる
ぽつりぽつりと見えるのは
白々しい墓標の群れ

太陽の乱反射が突き刺さる
コンクリートがぶすぶすと音を立てる
それは悲鳴に似ていた
 ....
まただ、

瞳がすでに記憶している風景の、光の加減と影の伸び方。
上から重ねてぴったりと線と線が重なるみたいに同じ、私が私の半分を置いている場所。
流れていく。喧騒のさなかを私はす ....
夕暮れがばら撒く痛みも
些細な光がもたらす明日も
孤独の身では掬いきれない
一人ぼっちの私の上では
何もかもが多すぎる

抱えきれないそれらを
隣で分けて支えるために
人は生き ....
乾いた草が舌の上を這い
取り出せずに残ったものが
息を潜めてうずくまる
理解している
彼らはやがてそこで死ぬ

指先にこの身体を切り開くちからがあったなら
腐敗を免れたかもしれな ....
降り注ぐ彩度に飼い殺される

彼らは非道く鋭く
私の呼吸を奪っていく

刺さる、沸騰する空気の上に
墓標だけが白々しい

沈黙が朽ちる
本能だけが蹂躙し、何も残らない
ゆえ(11)
タイトル カテゴリ Point 日付
彼女の海自由詩4*11/9/30 19:31
ガール、ガール自由詩4*11/6/27 18:52
電子/の森自由詩111/6/27 18:35
覚醒する前に自由詩2*11/6/27 18:34
逃げたい自由詩3*11/6/26 12:11
祈り自由詩2*11/6/26 12:09
墓標自由詩3*11/6/25 21:51
ある一瞬について自由詩3*11/6/24 18:33
ふたりで自由詩0*11/6/24 18:22
残滓自由詩3*11/6/24 18:21
楽園の外自由詩2+*11/6/23 13:40

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