うしろが気になりますか
踏まれてしまった背中など、見ないでおきましょう
臨むところが何処であれ、たどり着く場所は悩ましげなものばかりです
そんなに怯えずとも
暗く独占された空でさえ、明日 ....
 
はるか、とおくからみおろすあおいめを
すこしばかりおびえて ゆるされたせなかにうけいれる
ああ、なんというここちのよいつみなのでしょう

はいいろのつめたさをのりこえ たどりついたさきで ....
 
少女は母から声を買う
伝わる振動、いのちの震え
脈拍のスタートライン

少女は悪人から色を買う
白い両手は極彩色
転がる視界 万華鏡のなか

少女は夜から夢を買う
無音 ....
 
よあけの窓より 行き来するひとびとは
雪よりけわしく
雨よりゆるやかな化粧師
よるの窓のように
反射するではなく
向かい合うでもなく
透明に塗られた、大気のうえを 行き来する
やさ ....
 
空より吊された揺り篭
引き寄せられるのは
夜道に迷いし蝶か
光を求める蛾か
向かう先から見つめる僕には羽がない

白い光は横たわる意識を見下ろし
佇む木々より静かな息遣いを 明らか ....
ほそい喉から、くらい胃へ
くらい胃から、からっぽの湖にほとばしる閃光
さかなたちの皮膚はただれて
潤える草花は焼かれていく
けむりは静かにたちのぼる

聞こえるか、曇りにおびえる青空よ ....
 
あらゆる見世物のなかから、至純をえらびとること
からだにはしる一筋のひびは容赦なくぼくに転移する
からだをいろどる極彩色はしずかににじみだす

こよいも手探り 虚をもてあそび
墨がなが ....
 
夜を吸わないでいると 朝を吐きだせないので
重いまぶたをつりあげて 寂漠のけむりを一本 くわえています

やぶれた羽根 まだ鳴き止まない
みえないおもりを突き刺して
透明な視界のうらが ....
 
なんだか今日は空が暗い
重い瞼に押しだされて 夜におちる
無意識に傷つける白いゆめのなかへではなく
心地よくまとわりつく寂寥とともに
やさしいねむりはいつもそばにある

しずかな裏切 ....
 
ひとりぶんの棺桶
そこに闇はうまれず すこしばかりの それでもたしかなひかりが 吊されている

夜があしたに沈むころ
ぼくは蓋をあけなければならない
燦燦と照りつけるほとぼりに
狂喜 ....
 
海のように
とおくに流れる風をさらってきたりはしないけど

湖のように
ずっとおなじそらを映しつづけるわけでもない

川のように
あふれたものが自由になるぐらいがちょうどいいね
 ....
 
まるいあかりって
ぼくの檻を揺り起こすぐらいのやさしさしかない
だってほら 一枚ガラスの向こう側はもう寝静まっている

やわらかなひかりに背を向ける
それは 朝も 昼だっておなじこと
 ....
 
踏み付けてやりたい、この臆病な息遣いを
土のまないたに寝かせて
10本の指で隠しただけの双眸を
なまぬるい血を寄せあつめただけの心臓を
どうせくくりつけられた調理台から逃げることなんて  ....
 
はるか明日をながれてゆく、あいまいなけむり
大きなくろい灰につつまれてしまって 見えないけど

あたらしいめざめを待っている
無数の とじられた視界のとなりで
あたらしいものがめざめる ....
 
ひからびた雨は ふたたび雲にとらわれるのをおそれている
底のない青い穴 弱りきった栄養はもう 吸いつくされた

顔をふせ 膝をかかえて 冷めた今日にうずくまる
部屋の片隅で
こぼれた風 ....
 
横たわるゆめの続き
ざわめく空は重い種を地上へ 降り落としていく

それは
一閃のいかずちのように
雨を伝って 土を踏む

うららかな川の流れがとまる
おだやかな海のまんなかは  ....
 
それでも星は羽ばたいて
ぼくを夜のそらへ 浮かび上がらせる
雲間からのぞく 朝のつぼみ
いずれは押し寄せる光のざんがいから
隠れているのに
 
四帰(17)
タイトル カテゴリ Point 日付
もぬけの殻自由詩212/3/10 0:23
まほら自由詩212/3/6 22:15
生き買い自由詩112/3/4 22:17
仮粧自由詩412/3/1 0:22
鍵のない牢獄自由詩1*12/2/21 2:47
にごり自由詩011/11/9 3:25
ツカミ自由詩111/11/5 5:46
零と壱自由詩111/10/6 20:23
星のおとずれ自由詩111/9/24 0:55
ねむりの箱自由詩211/9/11 2:50
青のように自由詩411/9/10 20:50
水の檻自由詩411/9/8 20:12
四季渡り自由詩211/9/6 23:39
払暁自由詩311/9/5 20:37
雨のち自由詩311/9/5 4:06
寄生木自由詩111/9/1 2:15
ひかりのかげ自由詩311/8/28 20:38

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