三角子猫二人乗りの皮肉
貴男の発車音
―ピストルが泣いている―
撃て私を
空海の喉に溺れ死ぬのは
束の間
真夏の灯火
それは初恋
....
私に青が混じっているなら
何色でもいい
それは
荒れ狂う夜の海だったか
静かすぎる夜空だったか
それだけ
教えてくれよ
本当は水をよく含んでいたことくらい
あなたにもよ ....
雨が降りだすと
空って灰色から白に変わるんだなあって
ふと発覚したんだ
また友達とのお喋りに夢中で
学校に置き忘れてきた白い傘を思い出すくらいで
あとはなにも思い浮かばなかった
....
隣ん家の白い猫が鳴いている
早朝五時に朝ごはんをねだって
起き抜けのご主人様の足元を
くるくると尻尾を巻き付けては
あのグレーの瞳で上目っ面気どっているのかもしれない
どうもその声に少し ....
天気雨で起きた朝寝坊の日曜日 カーテンを翻している風
ごきげんな空模様に思わず あくびをした
モノクロの虹をおもいだして くちずさむ唄
夢見がちなあの子はありったけの想いで あ ....
かなしいことを口にしたら雲が風任せにすばやく流れていた
ミネストローネのスープ色をして
逆上がりの途中でぐるんとかき混ぜてみた
急いで脱ぎ捨てた夏の終わりは
ドットが三つ歯切れの悪い調 ....
あの深紅の風には
乗れませんでしょうか?
わたくしは夕空に
問いかけるところでした
時間がたなびくのを
この目が確かに
みとどけていたのでした
ピアノの白い鍵盤の上を
光のくちづけが降りかかり ....
リーン リン
リーン リン
星達が銀色のベルを
ほんのり微笑みながら
揺すり始めましたのは
真夜中3時頃のことでした
星旅をしに来る人々を
快く招きます
遥かとおい頭上から
見上げる人々すべてに ....
足音だけを削るように 影は スクリーンの向こう側だった
うたうような 雨が 溢れてた
ポツリ しずくが廻る 頭上のメリーゴーラウンド
風は 無口で みあげていた
純粋の意味を ....
ふと
白い屋上で見えた風船のいろとりどりが 胸に散らばった
わたしのこころが 無数の風船なら 空でゆめをばら撒くんだろう
ばら撒いたゆめはどこかでだれかに食べられる 仄かな奇跡を贈 ....
忘却の城そこに幾千の鳥がみえた
ハスキーボイスの列車の合図がよなよな光っている
あてのない景色に空白の深呼吸が漫ろにわすれさられても
息を飲むようなリグレットに寝汗がとめどなく流れる 青 ....
涙は跳ねてイルカになる
そして旅に出るんだって
浴槽のなかで
そう思っていたこと
未だ信じている
真夜中に飛んでいる
飛行機の音を聞きながら
ふと思ったこと
きみのいない世界っ ....
赤い風が黙ってうなずく ここだよって
ながい眠りから覚めたんだろう くすぐったい寝顔からさ
焦げたパンは云うんだ あの空に喰いついてごらんよって
ターコイズ零れ落ちるね
赤い風が私の気 ....
カーヴを曲がりきれないままタイヤを思わず擦り減らしてしまった
真夜中の夏は 透明な明方に消えてったのさ
万華鏡の世界は浮かれっぱなし ワルツは終わらない
いらついた銀の太陽を あの子 打ち鳴ら ....
眼鏡の奥でながれた涙
ワイパーで弾かれた雨の粒
砂漠に咲く花
とどきそうでとどかないキャラバン
真っ黒に染めた羽根
低い位置で飛んでいる鳥の角度
あのトンネルを潜れば吹いて ....
些か眠りの底を掬い上げて 見あげる空には、白いワンピースのお空がふあんふあんとしています
その白いひだをどなたか、見ませんでしたか?
しずかに落着したあおみどりのことりを知りませんか ....
削り落っことした青いひかりの先を歩いていた
背筋をぴんと伸ばした野良猫も野良犬もみんな連れてってさ
錆びた戦闘機からマーガレットが咲いているのを見たのさ
そよ風に誘われるがまま泪はいつ ....
気取らない
月のハンモック
紫のペチュニアの花
そんな夜に
黒い硝子の靴は
何処かしらと
少女は思う
銀色の森を見たかい?
なめらかな手触りの葉を
一枚取ったら
あの子に手 ....
無口な果実は震えた声でこう云う
「果てで殺して」
泥の味が地べたに横たわっている部屋の空気
ベッドに寝そべったあなたはこう云う
「憎くって仕方ないんだ」
生憎愛想のないわたしはもうち ....
あなたは私の白い首を優しくそれは優しく包み込む。
かあ弱い憎しみや恐怖で
碧く細い枝先のような血管が浮き出た両腕静かに伸ばしたと思えば僅かに怯えた力強さで絞めようとして
些か戸惑うのですその漆黒 ....
夜風 わたしの葉脈まで冷やすのかしら
目がさめちゃった午前二時半に キャロットは甘い月の形をしているわ
ぺしゃんこ わたしの心臓 野良猫の肉球みたいにふやけている
月明かりが
充満 ....
よわよわしいこの体温は
しずかに一瞬でいいよ
おもいだしてくれたらいいの
寄りかかる風に目をとじて
木々の葉のざわめきは
あの甘い時間がゆっくり
おとずれるようなそんな
胸騒ぎみたい ....
線香花火の煙の匂いと
遠く遠くで垂直に昇れば
散らばって消える花火音は
静まり返る部屋で眠ってた私を
呼び覚まそうとするから
林檎色のワンピースを着て
底の低いミュールを焦りな ....
そこは儚い
青い微熱 うつぶせの日記
ぼくの息づかいったら こんなにも 儚い
三つめの春が 言葉もなしに やって来るってね
だれもしらないよ
宇宙の ....
月を揺すりながら宇宙の
中空散歩の夜が落ちてきて
ショートスカートをするり
とくぐりぬける箒星の尾っぽで
果てまで飛んで行けたらなと
思うのはなぜなんだろう
かすかに星の砂を
片手 ....
雨水ではしゃぐ雀を見ていた 水浸しになった朝はコラールで起きる 割れやすいグラスになった気分だ
一昨日、わたしの青い庭にルルという野良猫がやって来た 随分と眠たそうな目をしている黄色い猫だ
毎朝、 ....
真夜中3時の夜風をスプーンで掬う 鳥の意識のように白い
力つきた鼠になって 虹色の夜をまだ信じているんだろう
かすかに触れる月の落ちる音が
僕をいっそう奮い立たせては
深い微睡みの湖に映 ....
時間少女は宇宙浴槽のなかでうたた寝
水浸しの朝はシャンパン雨のなか
ブーツに子猫がいて可愛がっている
見えない月をおもいながらはしゃいでる
桃色のブランコ漕いで黄昏の光景のなか
滲んでいるき ....
ポテトチップスを聞いていた8回目の桜吹雪は舞った
クレパスは全部パステルで涙で混ぜて描いてみたんだけれど
黒い硝子の靴がどうしても欲しいと叫び散らしてるばかりで
うんざりした太陽は苦笑いをして ....
クレヨン僕は毟った
クレヨン吐く息が
いつもと違う
無言のクレヨン、なぁ
喋りたがっているのは
僕かクレヨンか
僕は
刺さってたずっと。
その微睡んだクレヨンが
その色が何色か
....
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