プルトップの切り口からこぼれゆく午後、雑踏に流れ、起きなかった戦争を数えて、少年。青から赤、取り残されて交差点、車から降りて地下鉄へと吸い込まれていく人、午後の渋滞は停滞し、静止し、た中でゴミ袋を裂 ....  ディスプレイ横に貼り付けてあるタックメモにはやるべき事とその期限が書き込んである。キーボードのエンターキーを押して、ガガガガ、とプリンターが鳴り出すと同時にタックメモを一枚はがした。あとやることは、 .... 「はじめまして、地球民ナンバー3990237815です。あなたは何番ですか」

 教壇の上で老人は、心とは何処にある、と黒板に標した。少年は手を上げ、教師の呼ぶ声を待たず立ち上がり、コブシで自分の ....
 青年と自転車が走る夏の残り。夜の田んぼからの風が運ぶ匂いに目眩を覚える。機嫌の良くない彼女に会いにいくために走る青年は、キスすれば機嫌の良くなる大切な人のことを考え、そのあと家にどんな顔して帰ろうか ....  夜、駐車場で、コアントロー、コアントロー、と男が呟いていた。絞めつくような夜気に当てられたのだろうか、もしくは酒気か、三方を囲むビルディングは夜の店であったから酒に呑まれた人間であっても珍しくはなか ....  批評、なのだろうか、私は、だって感想と批評の違いなんかわかりゃあしないんだ。いっちゃえば付属された文でさ、パロディだって笑われそうなさ、批評も作品だなんて怖くていえやしない、そんな弱気ささ、若い恋の ....  下腹とは禍福である。禍福とは糾える縄の如しであり、それはまた人生である。

 人の下腹は人によって違う色をしている。顔が表の人生を映すとすれば、下腹はいわば隠しどころであり、当人が目を向けない人 ....
 キリキリと身をよじり、昇っていく火の玉を見ていた。咲くべき紺碧の夜空に呑みこまれた花火を見ていた。立ち尽くしたあぜ道をすぎる風は焼けた肌を撫ぜ、髪を揺らし素知らぬ素振りで消えていく。空を仰ぎ見ようと ....  物を書き続けるという行為は、嘘をつきつづける事と同義なのだな、と思う。
 もちろん、嘘というのはものの例えのひとつである。けれども私は嘘をつき続けるつもりで、物を書き続ける。
 web、いや、殆 ....
 点は、よく見れば丸であった。角度を変え見ても丸は丸だったから、実は球に違いなかった。この詐欺師め。

 完全な球体がありまして、その内側は継ぎ目も傷もない鏡張りであります。もちろん光がありません ....
ひい
ふう


あっ というますらなく
胸先を染めた

それは落涙

あなたが零したもの
 見開いたノートに二本の線を交互に書き伸ばしていた。線が交わることのないように気をつけながら。常に、今、線の先、点をみつめながら。どれだけの遍歴を経ようと、点のみをみれば、もう片方が向かい側に見える。 .... 待っていた


春が来た
夏が来た
秋が来た
冬が来た


他に何が来ただろう

思い出せない
 負け犬の夢を見ていた。そいつは私で、私はそいつだった。惨めな悪感情が私のうちに渦巻いていた。自己を対象化しきれずに、半端な逃げ道を見出したのだろう。それにしても、まだ覚めないのか、私は。

 犬 ....
 黒というよりかは藍色の夜空を羽虫が通過した。深夜のコンビニエンスストアー。壁面ガラスには黒い点が、わさわさしている。ため息をつきながら、私はキンチョールの煙をその点々に振りかけていく、そうして落ちて ....  宇宙はぷつん、と収束するのか、ぽつん、と拡散するのかを考えていた。ところで、私の専攻は心理学である。だからとは言い切れないが、宇宙のこれからを考えてやらねばならない義理はない。なので、地球民の自覚を .... 私のシガレットケースから
ひとつ 拝借した友は

煙草は二十歳まで
と笑った

今年 彼は幾つになったろう
豚の像に戯れにさした煙草
うまそうだな
と笑いあったことを思い返す

 ....
 河川をまたぎ、田んぼを抜くように鉄塔の並ぶ、その先には落陽。送電線に断ち切られた風、その名残がマリンスノーのように降り積もる。
 十五で姉やは嫁に行き。橋げたに腰かけ、口ずさむ童謡の一節の続く歌詞 ....
 ぽこぽこ。と気泡が浮いていく雨の日の窓拭き。はいつまでも終わらない雑巾がけに苛々して爪先で突いたガラス。に途端現れた大きな目玉に窓拭きは睨まれ。窒息。するかわりに、するする。と咽元につっかえた釣り糸 .... 春のこときりが潰れている
車掌が帽子を被りなおすと
老人は ん、ん と頷く
車掌の髪型をこときりは知らない
誰ももう待たないからだ

停留所の老人は一日をそこで過ごす
足元には夏のことき ....
 一時期、詩の投稿サイトに出入りしていたことがある。
 自作詩を投稿し始めたのと同時期であったのと、そのサイトの趣旨として「鍛錬」があげられていたこともあり、相手の詩に感想だけではなく、質問もよく書 ....
カーテンレールを外れた布が
窓枠で首を吊っている
身動きもしない


六畳に寝かされた
汗ばんだシーツの皺
墜落した蚊
赤い斑点

タールに濡れた壁
照り返し象牙色
のなかに陰 ....
原点風景というものが
誰の胸にもある

どのように、どれほどに、遠く離れようと
消えてはくれない景色がある

この胸に

掻き毟れど肉とともに解けることなく
撃ち抜けど血とともに流れ ....
風邪をもらってしまったようだ。
しかし最近は特に誰とも会っていないのだが、
それでも、もらったということにしておきたい。
と、後ろ後頭部をとんとんしながらこれを書いている。
当然ながら、後ろ後 ....
やがて海に至る
そこで真水を探すのだ
生きるために生きるように

迷わずに行こう
あの太陽の落ちる先に誰かがいる
その人にこれからを頼むんだ

帰らない
その先には希望がある
それ ....
生田(25)
タイトル カテゴリ Point 日付
午後散文(批評 ...104/10/30 21:07
半旗散文(批評 ...004/10/27 20:33
旗振らば散文(批評 ...104/10/8 20:16
もいっこ群像散文(批評 ...204/10/1 20:19
群像散文(批評 ...204/9/18 23:08
批評を書く前に散文(批評 ...004/9/14 4:49
覚書・かふく散文(批評 ...104/9/12 16:53
作文散文(批評 ...104/9/7 19:52
生きている散文(批評 ...0*04/9/3 23:12
散文(批評 ...304/9/3 15:35
椿自由詩1*04/8/31 21:32
点景散文(批評 ...004/8/29 21:58
停留所自由詩204/8/26 1:10
散文(批評 ...104/7/16 21:59
羽虫散文(批評 ...804/7/12 11:51
均す散文(批評 ...304/7/9 3:40
たわむれ携帯写真+ ...204/7/5 16:38
辻が花散文(批評 ...404/7/2 20:56
窓拭き散文(批評 ...304/6/28 12:21
こときり自由詩104/6/26 22:57
online text 主に批評について。散文(批評 ...204/6/25 0:56
模写自由詩804/6/22 8:32
雨足未詩・独白104/6/19 23:32
自己紹介を兼ねた挨拶文を書いた未詩・独白204/6/18 18:15
帰らない自由詩204/6/18 0:12

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