頁をめくる旅に疲れた私は
前世へ遡ることにした
海の彼方から 押し寄せる敵衆は
一昔前までは 友だった
その一昔前までは 来客お断りの 一見さんで
そのまた一昔前までは 問屋でよく見かけ ....
大晦日に生まれた彼らの文明を 人類は世界の始まりだと信奉した。
学問によって切り刻まれた ちっぽけな歴史に 識者は壮大な未来を夢見た。
夢は続いた 幻はどこまでも広くて 霧がどこま ....
夕暮れの電車は 地獄そのものである
真っ赤な夕日をさんさん浴びて
老いも若きも 疲れ切った能面を 血糊で真っ赤に染めている
学生達が大声で憂さ晴らし
卸したてのスーツを着た ....
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