詩の日めくり 二〇一四年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 
るのに、異なる2つの部屋にいるような気分になる
目と目のあいだが離れている人のことを「目々はなれ」と言うことがあるけど
そういえば、志賀直哉、じゃなかった、ああ、石川啄木じゃなくて
漱石の知り合いの、ええと、あれは、あれは、だれだっけ?
啄木じゃなくて、ええと
あ、正岡子規だ!
正岡子規がすぐれていたのは、もしかしたら
目と目の間が、あんなに離れていたからかもしれない
人間の顔の限界ぎりぎりに目が離れていたような気がする
すごいことだと思う
こんど、胸と背中に目をつけようと思うんだけど
どんな感じになるかな
あ、それより、3つも4つも
いんや、いっそ、100個くらいの目だ
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