全行引用による自伝詩。 05/田中宏輔2
しか学ばないからである。
(ベルナール・ウェルベル『蟻の時代』第6部、小中陽太郎・森山 隆訳)
愛というのは誰か好きな相手がいて、その相手と会えなくなることだ。そして再会すること
(ベルナール・ウェルベル『蟻の革命』第3部、永田千奈訳)
なんのことはない、子どもの遊びである。そしてぼくたちはふたりともそのことを笑う。とはいえ、彼女は本当には笑わない。それは一つの微笑である。静かな、献身的に──ちょうど同じようにぼく自身も微笑するのだろうと思う。
(エーベルス『蜘蛛(くも)』上田敏郎訳)
不潔きわまる貧民窟にも夕日はさして、人の想像力をかき立てたことだろうし、また、
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