全行引用による自伝詩。 08/田中宏輔2
とすれば、それを包むように、まわりに何かあるはずだ。その何かが何かであるなら、それもまた宇宙の一部ではないのだろうか。
(ウィリアム・ギブスン『モナリザ・オーヴァドライヴ』10、黒丸 尚訳)
まるで、この表面の下に、いまだ熟さぬ映像がひそんでいる、とでもいうように。
(ウィリアム・ギブスン『モナリザ・オーヴァドライヴ』12、黒丸 尚訳)
ユートピアの害獣、害虫、寄生虫、疫病の除去、清掃の各段階には、それぞれいろいろな制約や損害が伴った可能性があるという事実を、キャッツキル氏は、その鋭い軽率な頭脳でつかんでいた、というより、その事実が彼の頭脳をつかんでいたと言ったほうが当たっている
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