全行引用による自伝詩。 08/田中宏輔2
いる。
(H・G・ウェルズ『神々のような人びと』第一部・六、水嶋正路訳)
ここは、夢に思い描いていた世界だと言うわけにはいかない。なにしろこれほど願望と想像にぴったりと合った世界は、夢に描いたこともないのだ。
(H・G・ウェルズ『神々のような人びと』第一部・七、水嶋正路訳)
この静けさは、水車をまわす水流の静けさだ。音もなく突っぱしる水は、ほとんど動いているとも見えないが、いったん泡立ったり、棒切れや木の葉がその上に落ちると、矢のように走って、はじめてその速さが知れるのだ。
(H・G・ウェルズ『神々のような人びと』第二部・一、水嶋正路訳)
よそ目にもはっきり見てとれた
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