全行引用による自伝詩。 08/田中宏輔2
するためではなく、人間たちをもっと大きな図式に当てはめるためだった。彼女はそのプロセスで自分の欲求をほとんど露呈させなかったし、その行動も俳優の演技のように必ずしもいつわりではなかったが学習されたものだった。必ずしもいつわりではなく。
(グレッグ・ベア『斜線都市』上巻・第二次サーチ結果・5/、冬川 亘訳)
詩によって花瓶は儀式となる。
(キム・スタンリー・ロビンスン『荒れた岸辺』下巻・第三部・18、大西 憲訳)
(…)ぼくのいちばんそばのベッドの支柱はガタガタしていた。シーツはあまりにも古いものなので一本一本の糸がはっきりわかる。あちこちにつぎが当たっている。ぼくはその床を見つめた
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