AIを詩表現に利用することの損得について/室町 礼
わたしは本音ならどんな罵倒でも歓迎します。
東京にいたとき小綺麗な画廊があって一度そこに入った
ことがある。すると一人の青年が店主から怒鳴られてい
た。
「ここはあんたのような貧乏人が来るところじゃない、
失せろ!」
わたしは入りかけた画廊から飛び出した。
まったくもってひどいと思ったけど、わたしはむしろあ
まりに正直な店主の本音の爆発に爽快さすら覚えた。
ひとつ何百万もする商品を置いている。たしかにわたし
たちのような者がうろうろするところではない。
同じく若い頃、東京の西大久保のある瀟洒な喫茶店に居
座って何時間も小説を書いていたことがあって、そのと
きも同じような調
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