わからない、だろうが/あらい
 
躙り 泣き止んだ、しかし。答え難そうに海岸線を飾り立てる 貝殻じみた滴りが渇いてく その海も皓々たる、黄泉というには
?うたおうか?
 瞼の裏側だけ逆らえず私がまた聞き返した。ことわり。そこへ倒れた針葉樹。たちむかうものなのか、はっきりとためらわずに違う面を復元されたことでしかない

 ただおきて
 いってみると、
 夙(はや)いのな いま、が

 問い質しても、突き放しても、或る意味では 自然な色ですら規定に外れる、遠慮というものを知らないまどか冷酷なアゲハが背筋を撫でる。裏返せば話しだす天井、ぐしゃりと歪む壁。わらい声をあげ、気づいているだろうか
 ただ男は荒野に住み地
[次のページ]
戻る   Point(2)