わするみづみづしひ、しとひらとなり/あらい
 
いて
 (転んだ膝の傷)展翅そのものを煎じ薬のような「ハア」
 嘆く角度が物言いが 信号が青に変わる耳を傾けくちばしの先、鋭利に鍵って呼びつけた島はじっと凄んでいる。噴火する空へ漉いた誰、峰の陰にしりぞいた永さ一匹つまみ上げるらしい
 盲目の残骸、アイボリーの幻を組んで要がない!
 沁むように木隠れの舗道の烏鷺の荷を解き、表面の船中でつけ根のこの動作で試みた腕が今夜で 広がるひび、自由というものがかこんで通しはじめた義眼のぬめり、溜まった墨汁では時によってはするりとお引き取り

:予兆

 岨道(そばみち)はとおくすづんでいる!
 私は知っていた。
 みづおおく 鼠の手先
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