輪の中に
入れてもくれぬ
閉じたドーナツ
喚き立てる音を無視して
救急車が行く

ああ、あの車に乗りたい
ああ、同じようになりたい

私とあなたの同じ生活は
破綻した

同じようになりたい
あなたと同じようになりたい

 ....
溺れている
心しおれている

腐れ落ちた視界
遊びのなくなった頭の中
キシキシの頭の中

窓に見る古びた老人の顔
私の鏡に不健康な女の顔

吐き捨てられたつぶやき
昔の人 しな ....
遊び星
なんのための遊び星
空を飾る星々の
いらぬ光をもらってる

ゆらゆら軌道を変えてはまわる
空に模様を描いている
空に羽を描いている

空から落ちるたくさんの星屑
つつきまわされた表皮を
頭悩ませて修復していく

言い分は虚状の幻想
黙っていられない性分だったのに

ハズレのないはずの当たりくじから
ハズレを引いたような
その意識前に押し殺す残念 ....
髪は黒
まともな格好をまとい
カモフラージュされた自分
ああ、一般人のよう
この学校に生えてる木も
歩いている大半の人々の
名前も知らないまま卒業しちゃう人たちに混ざって

キンキンの ....
待合室で延々流れるNHK 雛が手の中でちいちいと鳴いている
あたたかく手を打ち
ほのかな振動を伝える
握りつぶせば止まる小さな脈動

頭上でちよちよと響く鳴き声
やめろといやだと
本能から鳴いている
露悪的なわ ....
流れたはずの星が戻ってくるの

あのほうき星
スイングターンをして戻ってくるの

ながれた命の象徴
同じ空を見上げて同じ星を指さし
あれはお父さんだよお母さんだよ
お兄ちゃんだよ一番小 ....
ぼうぼうたる虚無が
そこにある

私は必死にそいつをやっつけようとするのだけどどうも上手くいかなくて

薄墨の不安が
塗りたくられている

私はそいつもどうにかあっちへやろうとするのだ ....
あの子は
自分の言葉を恐れて
棘だらけの
塊を
吐いてばかりいる

あの子は
自分が刺した人々を恐れて
もっと棘を出す

それでいいのだと
いばらの王国を作るように
王様はもち ....
浮きがちな
この世の地面に
足をつけろと
我が母のライン
目に染みる
睡眠薬を飲んで寝たか忘れた三時の鳥が鳴く
飲んでないから起きたのか、わからない何もわからない、咳が出る
薬飲んで寝るかそれとも風邪薬飲んで寝るか寝れるのか

咳が

なんで今は三時?
な ....
ぐったりと身を任せる
その体はじんわり痛んでいく
触るたびに鱗がはがれ

痛ましく考えていた、そのはずで
さわってはいけない、そのはずで
ああどうして、と水槽の外で息をついていた、そのはず ....
憂き雨
ぱらぱらと
はねる雫を
うっとおしく思い

引き網
ピチピチと
跳ねる鱗を
うっとおしく思い

けったくそ悪い匂いだと 何十年も感じて育った
実入りの悪い商売だと 何年も ....
オルガンが響きわたる
神聖の声
共鳴ししびれる四肢
びりびりと降りそそぐ音の粒
光はそこから 神の光
体を染めあげる乱反射の彩り

その揺れる空
車窓から流れる街は
空に溶けた白雲は ....
人間は食わねばならぬ
噛み砕き、その咀嚼を、胃に流さねばならぬ

それは唯一の生き延びる方法なのだと知って
それはきっと、ずっと前から決まったことで

それでもがっくしと肩を落とし
ステ ....
車が過ぎ去った
強く吹きつける音に似た
それとも本当に風
あなたの過ぎる音

一風 巻き上げた髪が
雪崩れる

風は自由に雨戸を鳴らした
髪は自由に吹き荒れた

風呂のぬくもり ....
ストーブはスチームを出し水が必要
飲み水を分け与える
まるで何かを育てているようだ

ストーブの火力に
寄りかかった布団がやられた
焼け焦げた端っこ
エネルギーが強く走っている

暖 ....
立ち尽くす交差点
違う、ここはどこだろう
詰めこんだばかりの新しい考えで
詰めの甘い、詰め甘い世界に失望する
手の届くはずだったのに
どこだろう、いったいどこにあるのだろう

#あいうえ ....
しゅんしゅんと音を出すヤカン
熱のこもった部屋
薬瓶をシャカシャカ振る
飲もうか飲まないか

この症状を誰に伝えよう
熱をあげている
証明できるせっかくの機会。
教えようか教えまいか
 ....
触れるたびに焼けていく
純な雨が焼ける雨が
焦がしていく

生きて、生きて
柔らかな気持ちをぱりぱりに
それはきっと苦しみに満ちたもの

心の奥底に触れる手は焼け焦げ
神経は崩れ落ち ....
晴れない思考
陽射しの強いあちら側
古新聞を朝あさり
塀をよじ登る
他の景色を見ようとして

#あいうえお作文詩
カンカラカンカラ
缶が転がる
隙間風が差し込む
心に

吹きっさらしの道で
からから
鳴る、耳ざわり

誰もが目指す高み
手を伸ばしても届かない高み
高みから同類は見下ろす
見 ....
優秀だ
夜は
寒く
冷たい

スタンドは
明るく
稀に
暖かい

それは
文明の力
そう、
燃料に心を使い燃やす灯

夜を照らす
照らすからこそ、照らすからこそだ。
 ....
下をのぞき込むこと
その行為は怖気のたつようで
本当は死にたくないんだと
知る
スタンドのスイッチを切ると同時に朝陽 目を閉じていれば涙はこぼれない マリアのような透明なひらひらを身にまとい
夜の月のようなぼんやりした光を放つその体

それはクラゲ
それは漂う生き物
それはただある生き物

しびれを起こし
火傷を追わせるその聖母は
 ....
朝陽に差された紫煙のぐるぐるが

思考のぐるぐると混ざり笑いえぐり

頭に定着した
這 いずる(258)
タイトル カテゴリ Point 日付
輪の中に 入れてもくれぬ 閉じたドーナツ俳句015/2/4 22:37
天の道へ自由詩215/2/3 18:41
地上じゃ窒息死自由詩315/2/2 21:00
星屑遊星自由詩315/2/1 21:15
修繕工場自由詩115/1/30 5:48
真円に混じる楕円自由詩115/1/17 10:31
待合室で延々流れるNHK俳句115/1/13 10:02
愚者の手に落ちた幸せ自由詩115/1/9 10:52
彗星スイング・バイ自由詩215/1/8 18:05
しにたしにたのしにたさが自由詩315/1/6 16:22
いばらの国のあの子供自由詩315/1/5 6:52
新年明けて短歌015/1/1 11:23
安眠訪れず自由詩114/12/30 3:36
白に赤自由詩214/12/29 7:24
輪廻的港町自由詩2*14/12/25 14:25
炸裂する感受自由詩5*14/12/23 8:58
ごはん食べる詩自由詩2*14/12/22 5:28
その霜に似た輪自由詩2*14/12/22 5:26
植物的ストーブ自由詩3*14/12/20 10:15
ボクの理想論[group]自由詩1*14/12/18 12:50
熱病自由詩3*14/12/18 12:46
焦がし雨自由詩014/12/16 5:57
ゲットー[group]自由詩114/12/16 5:52
寛解自由詩1*14/12/15 5:37
ガソリンスタンド自由詩1*14/12/15 5:35
焦げてる命短歌114/12/14 11:19
夜明けなんてジョークだろ俳句014/12/14 7:25
殺された涙俳句1*14/12/13 19:44
水に沈められた聖母の肖像自由詩2*14/12/13 9:28
ヤニ自由詩1*14/12/12 10:34

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